「人を大切にする会社は業績がのびている」は本当か(その2) | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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坂本光司&坂本光司研究室の「『日本でいちばん大切にしたい会社』がわかる100の指標」という著作があります。(私も当時坂本研究室に在籍していました)
 
 
昨年、常葉大学富士キャンパスの就活前の学生200人に、この100の指標のうち「どの指標のよい会社に就職したいか?」という調査を行い「学生目線で見た、良い会社を判断する21の指標」を選んでもらいました。
その21の指標について1/12回答〆切として、富士・富士宮市内の418社に対してアンケート調査を行いました。 (アンケート回収率25%)

その結果、
「学生に選ばれる会社と業績の伸びている会社は一致しない」ということが判りました。
21の指標で示される「学生から見た良い会社」は「必ずしも業績は良くない」という、ちょっとショッキングな結果です。2012~2016年にかけてのこの5年間は、むしろブラック企業ほど伸びているのかもしれません。
(各社の決算書類については東京商工リサーチから購入しました)

「社会貢献関連指数」や、高齢者雇用や障害者雇用そして女性の活用に熱心だという数値つまり「ユニバーサル就労関連指数」が企業業績との相関性が薄いというのはとても残念な結果ですが、データはそれを示しています。
 
以下、今回の調査で分かった「企業業績と相関関係のある指標」を10あげておきます。 
(TSR評点増減と指標の合計点の相関性をCORREL関数を使用して導きました)
  
【社員に関する指標】
①過去5年リストラしていない
②過去5年以上サービス残業はゼロ
【下請けに関する指標】
③過去5年以上下請けにコストダウン要求をしていない
④仕入れ先や協力企業が黒字
【顧客に関する指標】
⑤5年にわたり新規顧客が増加傾向
⑥クレーム情報に対する仕組みが機能している
【経営者に対する指標】
⑦経営者は誰よりも勉強家・努力家である
【社員の確保・育成・評価に関する指標】
⑧昇給・昇格・賞与それぞれ基準がありオープンになっている
【福利厚生に関する指標】
⑨企業内に社員の快適な空間がある
【経営理念に関する指標】
⑩中長期的経営ビジョンがあり、そのチェックシステムが機能している
 
この10の指標の合計点と過去5年間の企業業績の伸びは「相関関係」にある。それが今回の私の結論です。