昨年の静岡県市町議員研修会の採録です。 | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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平成27年度静岡県市町議会議員研修会
「地域発!どうする日本」金子勝 慶応大学経済学部教授
 
私は力道山世代。 
前半は暗い話をするが最後は「カラテチョップ」で大逆転!という明るい未来についてお話したい。
 
さて、地域が疲弊していく中のアベノミクス。「地方」は何をして良いのか解らない。
静岡県西部の輸出企業は円安で好調。他の地域では限界集落がチラホラ。しかし「人口減少」はあくまでも結果で、原因は別にある。
「産業構造の転換期」(ヨーゼフ・シュンペーター)。「地域から逃げない産業(つまり農業を含めた地場産業)」の産業革命が必要だというお話。 20世紀の「集中メインフレーム型」から21世紀の「地域分散ネットワーク」へ。
 
既に破綻しているインフレターゲット ・・・でもこれを書くとテレビに呼ばれなくなる。(メディアタブー) 
2013年黒田日銀総裁の公約は物価上昇2%、名目成長率3%・・・食料とエネルギーを除いた物価上昇コア指数は2.2%の上昇。しかしそのうち2%は消費税増税分。
物価は上がっていない、成長率は4-6でマイナス1.6%・・・円安誘導をしたための輸入インフレ。日本のGDPが500兆円、その7割を超える380兆円の国債が日銀に溜め込まれている。黒田バズーカ。これはリスクを溜め込んでいると見ていい。物価上昇に必要なのは「デマンドプル」と「コストプッシュ」。その両方が見当たらない。
大きな原因は若者の消費意欲の減退。26ヶ月連続の実質賃金の減少。
だけど株高は進行する 。国民から預かった年金をつぎ込んで株価の底上げ。「官製相場」に群がる外国資本。東京市場の32%を占める外国人株主。1/3を超えれば「外資系企業」と呼ばれる。日本企業の多くが外資の軍門に下った。 
既に三井不動産、三菱地所、大東建託も外資系。第一生命も損保ジャパンも外資系。日立もファナックもそう。トヨタの「WA」特殊株、これによってかろうじてトヨタは外資でなくなった。
 
「日本を取り戻す」から「日本を売りとばす」へ ・・・安倍首相は、日本を民主党から取り戻して米国に売った。これが本当の売国奴。東芝問題の原因は米国の原発企業の買収。実質2000億円の企業に4000億円の「のれん代」。大儲けする海外の投資家。
株価維持政策、官製相場、そしてベース電源・・・電力会社のような輸入依存企業は国頼み。九電、四電、北電のように原発依存率が40%を超えているところは必ず原発再稼働を急ぐ。だが川内原発もうまくいくわけがない。アメリカで3年以上停止していた原発が14基。そのすべてが故障した。メカは停止が長引けば故障する。ババを引かされる日本の原発メーカー。でも誰も言わない。メディアはコントロールされている。
あ、中電は大丈夫です。上越のコンバインド火力発電のように東電のできないことをやっている。スマートグリッドが完成すれば東電の石炭火力を全部買収するかもしれない。 
 
急速に外資が入った日本企業。 2012年の企業の内部留保の合計は300兆円、2013は328兆円、2014は350兆円・・・定着するグローバリズム。企業は誰のものか、株主のものというのが外資の発想。だから従業員は使い捨て。 
日本政府は「雇用の流動化」を推進。内需型の企業は儲からない→若い人を地域で雇用できない→都会へ出てゆく→ブラック企業につかまる・・・という悪循環。東京は若年層人口を吸い込むブラックホール。東京というスリバチですり潰される若者たち。800万人を超えた非正規労働者。 既に20歳代の1/3が非正規雇用。一年間の離職率は50%超。   
一時しのぎではない政策が必要。アベノミクスは成功した途端に破綻する。日銀が引き受けている380兆円の国債が金利上昇で炸裂する。物価上昇以下の 金利上昇はありえない。目標物価上昇率が2%なら金利はそれ以上になる。その瞬間に破綻するという禁じ手に手を出した安倍首相。自民党にも良識派はいる。谷垣さんは何をしている。
 
怒れ!地方議員。
  地方の置かれている窮状が国会議員には解らない。
イデオロギーの問題ではない、右か左かではない。女性が感じている危機感。主婦は安倍内閣を拒絶している。
なぜか?女性たちは気づいている。安倍首相は経済政策には興味がない、あるのは悲願の安保法制。GDPの2倍を超えた国の借金。4%成長を40年間?そんなお題目、経済学者は誰一人信じちゃいない。国の借金を解消する方法が二つある。それは戦争とハイパーインフレ。つまり狂乱物価による「インフレ課税」。
 
ここからは明るい話。 地域で「産業と雇用」を生み出そう。
シュンペーターは経済を波動で見る。50年周期のコンドラチェフの波。必ず来る「産業構造の転換」。石炭文明1870-第一次世界大戦→石油文明1930-第2次世界大戦→原子力文明1990-次におこる戦争。60年周期で起きるエネルギー革命。
次世代エネルギーは軍事産業の進歩をみれば判る。
石炭→石油→原子力、そして現在の米軍は「軍隊のコジェネ化」。そこにある未来は再生可能エネルギーだけではない。スマートグリッド、エネルギーゼロ、デマンドレスポンス・・・つまり持ち歩けるエネルギー。蓄電池はリチウムから液体マグネシウムへ。蓄電技術の革新。エネルギーの並列化。パソコンを並列化してスーパーコンピュータを超えた発想と一緒。一手一手は小型でも手を繋げば大丈夫。原発はいらない。「ベースロード電源」というのは古い発想。太陽光、風力、小水力、地熱、波力、潮力・・・問題はそのデマンドレスポンス。これをどうコントロールするか。これは地元の人間しか解らない。
 
地元のエネルギーを、地元のファンドで、地元の企業に売ることで収入を得る。
日本経済を復活させる「地域からの発想」。