内山融東京大学大学院教授の解説がわかりやすい | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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THE PAGE(http://thepage.jp/
民主党代表選を見るポイント―「保守」と「リベラル」を中心に―
(内山融東京大学大学院教授)
を取り上げる。
代表選に立候補している3人の違いがわかりやすく解説されているからだ。

(以下、論文の後段を引用する)
 基本的には、岡田候補と細野候補が「保守」、長妻候補が「リベラル」に位置づけられることは間違いない。この点の対立は、特に集団的自衛権の問題に明らかである。三候補とも、安倍政権が行った閣議決定による憲法解釈変更には反対の立場である。一方、集団的自衛権そのものの是非については、長妻候補が否定的な立場を明らかにしたのに対し、細野候補は「現実的な脅威にどのように対応するかが重要だ」として安全保障基本法の制定を提案した。岡田候補も、「集団的自衛権反対と言うだけではだめだ。しっかりと中身に踏み込んで議論すべき」と述べた(いずれも7日の記者会見)。細野候補と岡田候補は、集団的自衛権容認の可能性もあり得ることをにじませたものといえる。
 
 上述のように民主党内には多様な政策的立場が存在することから、同党はこれまで、ばらばらになりがちな党内をまとめるのに苦労してきた。そのため、今回の代表選では、党内ガバナンス、すなわち党内をどのようにまとめるかという問題も争点となるであろう。これについて、7日の記者会見で、長妻候補は、時間をかけて丁寧に説得するという自民党の知恵に学ぶ必要があるとした。細野候補は、いろいろな考えを持つ人が徹底的に議論して決めるべきだとした上で、お互いの助け合いなどインフォーマルな関係も重要だと指摘した。岡田候補は、熟議が大事だと述べるとともに、党内で派閥的なものを作るべきではないとして細野候補の発言を批判した(これに対し細野候補は、幾つものつながりを重ねることで党がまとまるのだと応じた)。熟議や説得が大事だという点では一致するとはいえ、自民党の派閥政治に対するスタンスの違いが透けて見える。20年前の選挙制度改革以降、自民党派閥の役割や存在感は大きく変化してきたが、民主党において派閥のメリットを再評価するような見解が出てきたことは興味深い。
 
 最後に、労働組合との関係について付言しておきたい。基本的には、労働者の権利や福祉を重視する「リベラル」の立場が労組の支持を受けやすいはずである。実際、長妻候補の陣営に労組との関係が強い議員が多いとされる。だが、ことはそう単純ではない。選挙の際の応援など、民主党にとって労組のマンパワーは無視できない重要性を持っている。その一方で、日本政治における労組の影響力は減退しつつある。例えば、厚生労働省の調査によれば、労組の推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は、1980年頃は30%を上回っていたが、2013年では17.7%に過ぎない。そのため、労組の意向を重視しすぎると、他の有権者の離反を招きかねないというジレンマがある。これは日本だけでなく、先進国にある程度一般的な傾向である。英国の労働党が、1990年代にブレア党首の下で労組から距離を置き中道的政策への転換を果たしたことにより政権を奪還したことは、その実例である。労働組合との距離感をどのようにとるか、誰が代表になっても民主党にとっての課題となるであろう。

(引用終わり)
 ブレアが党首になったのは41歳のときだった。
 民主党再生には相当な時間が必要だ。拙速は禁物。
 党再生について一番楽観的な見方をしているのは長妻さんだろう。「自民党の総務会のような機関が必要」だと提案している。自民党の知恵を借りるということのようだが、自民党には長年培った「文化」がある。
 岡田さんは「党内で派閥的なものを作るべきではない」と批判しながら、ではどうすれば良いのか対案を出そうとしない、というか出せないでいる。「熟議が大事」というだけでは党再生など覚束ない。
 民主党という文化が国民の中に根付くには、10年はかかるだろう。私たち日本人には「民主主義」というものが、まだ理解できないのだ。民主主義とは多数決ではない。いつかまた自民党政治が行き詰った時に、民主党は国民に対して「処方箋」を出せる、そんな政党に生まれ変わらなければならない。それは容易なことではないが、「この道しかない」という人には危うさを感じる。
  細野豪志43歳。当時のブレアよりも2つ上だ。10年たっても53歳。ひとは戦いの中で成長する。保守とリベラルの二項対立ではなく、第三の道を選択してくれることを私は信じている。