虚偽の記載はないのだから粉飾は言い過ぎ | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 14年度予算案は、国債発行を抑制し、税収が国債発行を上回るという姿に仕上がっているが、これは、補正への前倒し計上、高めの成長見通しと低めの金利見通し、予備費の廃止、国債整理基金の取り崩しなどの手練手管を使ったからだ。政府には優秀な人材が集まっているが、それらの優秀な政策脳がこういう実態糊塗のために動員されているのを見るのは残念で悲しいことだ。
 役所の後輩と話していて「政府の14年度予算案は粉飾だ」と言ったら、「虚偽の記載はないのだから粉飾は言い過ぎだ」と言われた。うーん、では「厚化粧」ではどうかな。「素顔がよく分からないほどの厚化粧」。
 by小峰隆夫@法政大学【経済政策論145~146】 


 小峰先生らしい率直な言い方だ。他日、こんなこともつぶやいておられた。

『出張中で日経をチェックしていなかったので、帰宅後予算の記事を見て驚いた。今回の予算は国債の圧縮も歳出の抑制も、誰もがすぐ分かる粉飾なのだが、日経の見出しは「財政配慮、国債を抑制」「税収が4年ぶり逆転」となっている。「こんな見え見えの粉飾をする意味はあるのか?」と思っていたが、日経でさえもこうやって見出しにしてくれのであれば、粉飾する意味は十分あるのだなと思いましたね』
 
 日銀の白川総裁が任期前に辞任する意向、というニュースが流れた途端に日経平均が爆上げだ。僕は株もやるので最近では「こんなに儲かっていいのか? アベノミクスさまさま」と拝んでいる。先日も書いたように景気は「気」の一種なので、世の中が明るくなるのは良い事。市ヶ谷での講義でも、同様の意見を発表させてもらった。

 でもね、これから国会論戦が始まって「粉飾予算あらため厚化粧予算」の化粧を一枚一枚はがしてゆく作業が行われるわけで、それこそが野党の使命ですけど、こっちもあまり早く化けの皮が剥がれると困ってしまう。

 補正への前倒し計上・高めの成長見通しと低めの金利見通し・予備費の廃止・国債整理基金の取り崩し、この4点セットのうち「1%高い経済成長率、でも金利は上昇しない」という根拠が不明。たぶん誰も判らない。そこを衝かれてもかつての小泉首相のように「わからなくったってたいした問題じゃない」と言い切れるかどうか。そこを丁寧に説明しようとするとかえって泥沼にはまりそうだ。アベノミクスはブードゥー経済学、一般人には理解不能。以前の漢方医学的な、社会の体力をつけて自然治癒力の上昇を待つほうが判り易かったが、国民はそれをまっていられなかった。

 そして、日本経済へのカンフル剤が打たれた。心臓ははげしく動き始めたが、これからはどんどん輸血が必要になる。

 小峰先生は言う。
「国土強靭化という事業を税金でやるのならば良い。しかし借金でやることには反対だ」

 国債金利が上昇したら、日本経済は即死だ。