本棚を整理していたら、
子供が学校でつくった「わたしのお話」という文集が出てきた。
写真はその中の一枚。
喘息で入院していた2歳の時のものだ。
その中に「お家の人から」という短い手紙が載っている。
ああ・・・オレが書いたやつだ。
○○くんへ
君が生まれた時「この子はもうすぐ死んじゃうんだ」と父は思った。保育器の中でたくさんのチューブにつながれて、小さく息をしている君を見て「ガンバレ!」ってみんなでお祈りしたよ。ほら、君が入院している時、いつだってベッドの横で君の手をにぎってくれている人がいるでしょ?!そんな気持ちでみんなで君をおうえんしたんだ。君がうまれてすぐ、君のおじいちゃんはガンで死んじゃったけど、そのおじいちゃんも、体のよわい君のことをとても心配してくれた。「もう思い残すことはねえ」なんて強がりを言ってたけど、小さな君を抱き上げ、「もう少しこうしていてえなあ」とポツリと言ってた・・・。
だからね、がんばって大きくなってくれた君に、父はとても感謝している。いじめられている子をかばってあげるような、やさしい子になってください。じゃあ、また白尾山へ行こうね。
父より
子供はなかなか親の言う通りにはしないものだけど、
この言い付けをきちんと守っていた事を
小学校の卒業式の日に知る。
突然、保健室の先生が息子を抱きしめたのを、
(オレに似て、手が早い)と呆れて見ていたのだが、
その若い先生に
「○○くんは学校にこれない子たちと遊んでくれてたんですよ」
と何度もお礼を言われたのだ。
いえいえ、お姉さんに抱きしめてもらえるなら
なんでしたら私が保健室に通いますけど・・・
当時は「登校拒否」が社会問題になり、
この小学校にも保健室登校の子供たちがいた。
いまでは、不精髭なぞをのばして
うすら汚くなってしまったが、
子供の頃は、こんなに可愛かったんだなあ。
…親ばかと笑ってください。
鈴木こうじ