昨日は雨が降っていた。
ちいさな赤いかさ、
小学校低学年の女の子。
黄色い帽子を被っていないので、
一年生じゃないな。
途切れそうもない車の列。
かさの下で、
小さな手をいっぱいに上げている。
ずっと先の信号が
赤に変わったのが見えたので、
ぼくはゆっくりブレーキを踏んだ。
道路の向こうがおうちだったのだろう。
わたり終えた軒先でかさをたたみ、
小さく会釈をくれた。
ぼくも小さく手をふった。
お帰りなさい。
そんな雨の日のヒトコマ。
by yan