「もう、いいよ、眼を開けても」
「うん・・・」恐る恐る眼を開いてみると、裕美が間近にいた。少し恥ずかしそうにしてる。風呂に一緒に入るなんてこと言い出したのは裕美だったが、俺は満足してた。ずっと心配してた緊張感が何故か薄れてしまっていた。
前にも書いた裕美の神々しさの所以だろうか?裕美の全身は、透き通るような白い肌。女の子女の子しててそれでいて触れることが出来ないような気高さが溢れていた。
切れ長の奥二重の瞳はどこか消えてしまいそうな儚げな印象だったが、その奥には凛とした意思が現れていた。小さな鼻も口もそして頬っぺたも湯船に浸かってるせいか薄赤くなっていた。長い髪の毛は後ろで縛ってた。細い首筋から下は分からなかった。
「どうしたの、そんなにじっと見て?」
「こんなに間近で裕美見たの初めてじゃないかと思って。言葉では言い表せない位綺麗だよ」実際裕美の顔を眺めてるだけでうっとりしてきた。まるで恍惚の感覚とでも言うのだろうか?
「いつもの私だよ。でも、鮫君」
「ん?」
「やっぱり良かったでしょ?一緒にお風呂入れて」
「・・・そやね。俺には決して手に届かないような女の子が今俺の彼女で、こうしてお風呂に一緒にいるんだって思うと、俺生まれてきてホント良かったなって思ってる。このまま裕美の全てが知りたくなってきてるけど」
「ちょっと恥ずかしいけど、私も今こうしてること、とても楽しいよ。私の彼氏と一緒にいるんだって感じが全身に溢れてるもの。鮫君、いろいろあーだこーだ言って止めようとしたけど、結局これで良かったんだよね?それと、もう私をアイドルみたいに見るの止めて欲しいよ。私は普通の女の子なんだし、ね」
「今こうしてる時間ってのは何物にも代えられない気分だね。でも、うーん、裕美は俺にはアイドル、っていうか偶像みたいな存在なんだよね。いずれその思いもなくなるとは思うけど。ま、少し熱くなってきたしやっぱ恥ずかしいから、出て身体とか洗うよ。ええよね?もちろん早めに洗うからしばらく浸かってて」
「早くも忘れてる。鮫君の身体洗ってあげるから、まず頭洗いなさい。待ってるから」
「あー、そんなこと言ってたな。とにかく、出るよ」そのまま出た。腰掛?もついてたので、座ってシャワーで髪の毛濡らしてシャワー取って頭洗い始めた。
「へー、鮫君て中肉中背って思ってたけど、案外細いんだね」裕美も俺の身体初めて見てそう見えたんだろう。髪の毛洗いながら、
「でも、運動してないから肉がついてない。情けない身体だよ」
「そんなことないよ。何かあったときはしっかり私を助けてもらえそうだし」
「裕美が危険な目にあったら真っ先に駆けつけて助けるよ。電車の走ってない深夜でも自転車乗ってすぐ行くよ」
(続く)

