公園着いたものの、
「ブランコないよ」と茜ちゃんがむずかってきたので、
「かくれんぼしようか?おじちゃんとお姉ちゃんで」
「うん、しようしよう!」と言ってくれたのでホッとした。近くの公園ってここしかないもんな。
「じゃ、おじちゃんが鬼になるよ」言いだしっぺの俺が鬼になった。「二人とも逃げて!」二人ともいなくなったのを見計らって「行くよ!」と言って探した。茜ちゃんはすぐ見つかった。
「茜ちゃん、見~つけた!」そのまま置いておくのは危ないと思ったので「お姉ちゃん一緒に探そうか」とゆっくり茜ちゃんの歩調に合わせて裕美を探す。裕美はちょっと離れた木陰に隠れていた。「はい、お姉ちゃん見つけた!」
・・・疲れたので「ちょっとベンチに座ろうか」と言ってベンチに座った。茜ちゃんも疲れてるようだったので、持ってきたお茶注いであげた。黙って美味しそうに飲んだ。
「裕美もお茶もらう?熱くて美味しそう」
「ダメだよ。それは茜ちゃんのだから」
「そう・・・だよな。人のお茶飲んだら怒られるか」
「フフ」何故か裕美が笑い出した。
「どうしたの?エチケットがないって笑ってんの?俺もまだ常識に欠けてるとこあるから、それはゴメン。でもウチの家族だったら何でも取り合いするよ」
「ううん、そうじゃなくって茜ちゃんが本当に私たちの子供に思えて笑ってたの。菜摘さんには悪いけど」
「俺たちの子供?」
「うん、鮫君と私が17のときに出来た子供みたいだなって思ちゃって・・・、フフ、おかしいでしょ?」
「いや、裕美も空想好きだな。俺にはそんなの全然浮かんでこなかった。この子は俺にとっては姪っ子ってくらいにしか思えなくてね。でも可愛いだろ?姉ちゃんには似てないし、今日来てない寛さんにも似てないしね」
「私たちに似てるんじゃない?」
「え!?」
「きっと茜ちゃんは将来の私たちの子供に生き写しなの。だからこんなに可愛いの。・・・赤ちゃん私も欲しいな」
「ちょっと、話が飛びすぎって!・・・裕美が子供好きってのは安心出来たけど」
「言ってみただけです。私たちまだ学生だし赤ちゃん欲しくても出来ないし。でも鮫君、欲しい?」
「裕美との子供なら欲しいけど・・・でもまだ早いよ。現実的に考えるまでもなくね。それにまだ俺は裕美としばらく二人でいたいし」
「ごめんなさい。でもいつかは赤ちゃん欲しいな」
「俺で良かったら、いつかね・・・」と二人で話してる間に茜ちゃんがむずかりだした。