「服が売れない」とよく新聞に書かれている。
アパレル店は、この景気回復の中、不調らしい。
流行っている・堅調に推移しているのは、一部のアパレル店だけ。
東京BASEなどの新興アパレルやユニクロ・ジーユー・しまむらなど。
一時の勢いは沈んだものの、健闘していると言っていいだろう。
服が売れないのは、
・今の若者が服に興味がないから
・携帯やネットにお金を使い、服を買うことに執着がない
・若者が外に出なくなったから、服がステータスではなくなった
・豊かな時代になって、タンスには数多くの服がある
などどいわれているが本当にそうだろうか。
服は毎日着るものなのに?
服は消耗品なのに?
服は成長に合わせて大きさが変わってくるものなのに?
服は体型の変化で買わざるを得ない時もあるものなのに?
最も売れない原因は
「サイズ表記が今の時代に合っていないから」だ。
アパレル店のサイズ表記は、とにかく分かりにくい。
基本的に
S・M・Lサイズ、もしくは1・2・3など店にもよるが
そのような表記が多い。
店によっては
XSやXLなど用意している場合もあるが、それは一部だ。
しかし、Mサイズ一つとっても、店によってサイズ感が違う。
メンズ・レディースで違うのは分かるが
同じメンズのMでも、大きく開きがある。
A店は
MサイズでもSに近い細めのテイスト
B店は
MサイズでもLと同じぐらいの丈が長め
店頭に、各サイズの胸囲・身長の目安が
書かれていることがあるが、結局どこのお店も似たような表記なもの
だから、本当に宛てにならない。
しかし、このサイズ表記、今に始まったことではない。
私が子供の時からこの表記だった。
でも、まだ服は売れていた。
かといって、貧乏だから服を買っていたわけではないし
携帯はなくても家庭用ゲーム機が流行っていた時代だったから
やはり家志向は強かったと言える。
私がなぜ「今の時代に」と書いたのか。
それは、
「服をネットでも買える時代になったから」
「情報開示の時代になり、事細かに描く日本人の習性があるから」
だ。
ネットで服を買ったことがある人は多いだろう。
ネットだと手に取れない、試着出来ない分
モデルの着用イメージ写真、しかもモデルの身長表記があり
また肩幅や胸囲・丈・袖丈など事細かに書いてある。
生地のアップの写真もあり、雰囲気が伝わりやすい。
試着出来なくても、質感やサイズ感が伝わってくる。
よく売れているネットのお店程、事細かに書いている。
服に身長ごとの目安のシール、手に取りやすい工夫だ。
また今は情報開示の時代である。
食品のラベルに書いてある成分表示、ここまで記載する必要があるのか
というぐらい書いてある。今ではアレルギー表示も当たり前になった。
ステーキ店に行けば「○○産の肉を使用」など産地表示をしているお店も多い。
食品だけを例にしても、この状況である。
日本人は、こうした事細かに記載することが好きだ。世間が求めていること以上に
記載が細かい、そんな習性がより情報開示を細かにさせている。
さて、一方で服はどうか。
服も食品同様、毎日接するものである。
もちろん、服と言っても肌着からYシャツ・スーツ・ドレスなど
多様にあるものの、一般的に言われる「洋服」は多くの人が
毎日のように着ているではないか。
しかし、サイズ表記は何も細かになっていない。
これが今の時代に合っていない、ということなのだ。
アパレル店からしたら
「試着を通じてサイズ感を見てもらう」
「接客の声掛けのきっかけになる」
「うちの世界観が分かる人だけに来てもらえば良い」
など、完全に売り手主導の考え方で
そこにお客様にぴったりのサイズを提供しようという考え方は薄い。
サイズ表記をざっくりとして、お客さんに声を掛けてもらうきっかけとし
接客によって販売に繋げよう、というアパレル店独自の考え方がある。
特に高額品を扱うアパレル店ほど、その傾向は強いだろう。
縫製の技術、というよりアパレルの世界観を出す都合上、
Mサイズで細め・丈短めなど、店に寄っての違いが出るのは分かる。
服によってはM・Lサイズしかない服もある。
そこは問題ない、変えるべきはサイズ表記の明確な記載なのだ。
試着しなくても、着用イメージが分かるだけの情報。
服全てに、着用イメージの写真を着けてはどうか。
アパレル店によっては
「うちのイメージではない」
というのもあるだろう。
一般的にはマネキンで着用させるお店が多いから、
写真があってもいいだろうという考え方もあるのだが。
一つの答えとして
Yシャツの表記は
首回り・袖丈
の数字が書かれている。
アパレル店ではM・Lサイズ表記が多いが
Yシャツ専門店は大概数字の表記がある。
お客さんはデザイン・生地感のほかにその数字を見て
購入している。
これをビジネススタイルの問題と片付けるのかどうか、というところだ。
詳細なサイズ表記と着用イメージ写真の添付、
これが出来るアパレル店は、お客さんが付いてくるだろう。
特にリアルでしか営業しないアパレル店は考えるきっかけにしてほしいと思う。