先日こんなご質問を受けました。
セラピーではよく
『ありのままを受容する』ことが大切!
と聞きますが、そんなことをしたら
成長や変化の可能性を
阻んでしまうのではないですか?
自分でも何とか外に出て行きたいと思うが
実際にはそれが出来ません。
この時、
ありのままを受容すること
=「引きこもったままでいい」
ということと考えてしまうと、
「それではダメなんじゃないか?」
という思いが出てきてしまいますね。
でもそもそも、
「引きこもったままでいい」
ということが
「いい」とか「悪い」とかいうのは、
評価・判断(ジャッジ)であって、
そもそもセラピーマインドとはかけ離れています。
だから
ありのままを受容する時に
必要なのは、行為に対して
「いい」と判断することではありません。
むしろその行為を
「いい」「悪い」という
評価的態度から離れてどうするか?というと、
「今あなたがそうしている・そうせざるを得ない気持ちを理解したいと思っている」
という態度になるのです。
これは、引きこもりより
もっと極端な例で考えるとよくわかるはずです。
誰かを「殺したい」と
クライエントが語ったとします。
この時
「殺していいですよ」
と言うのがおかしいのはおわかりですよね?
でもだからと言って、
「殺してはダメですよ。」
というのもダメなのはおわかりでしょうか?
それは法律とか道徳とか
倫理に照らして正しいことではあっても
セラピーマインドではありません。
セラピーマインドで考えるならば、ここは、
「殺したいほどの
あなたの気持ちを理解したいと思っている」
というのが正解です。
ですから、Sさんに話を戻せば
現在の引きこもりという状態に
「いい」とか「悪い」とか
評価を下すのではなく、
「あなたが引きこもらざるを得ない気持ちを
理解したいと思っている」
というところから始めるのが
受容であるということです。
ここがセラピーのスタートラインです。
だからいきなり
「どうしたら外に出られるか?」
を考えるのも違います。
対策やアドバイスというのは、
現状に対する否定になることがあるからです。
もちろん、対策やアドバイスが有効な事案もありますよ。
それが役立つならば
話は比較的簡単です。
逆に言うと、
そんなケースはさほど重くはない事案と言えるでしょう。
むしろそれらは
現状への否定と受け取られ
逆効果にすらなります。
評価的態度から離れて
現状をありのままに受容するところに立つと
そこに安心感が生まれます。
そしてこの安心感こそが
人が変化してゆくために必要不可欠な土台なのです。
つまり
冒頭の問いへの答えとしては
『ありのままを受容する』ことで、
人は安心し、それを土台として
変化してゆくことが可能になる
ということになります。
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