観察レポの最後の蛹が20日に羽化した。室内平均気温や有効積算温度の値などを、この結果を使って補正させて貰おう。
今の時期は冷暖房は使っておらず、通風をよくしているとお聞きしていたが、37℃の熱源であるヒトの存在を考慮して室内の温度は屋外よりも1度高いと考えて式を立てた。それ以外のヒトの活動や照明の存在、夜の寒気が室内では入らないことなどを考慮すると、2度またはそれ以上高いと考えた方が良かったかなという気もしていた。実際、ネットで調べると外気温と室温は5度ないしそれ以上違うこともあるという記述もあり、温度差を小さく見積もり過ぎていたかも知れない。その問題である。
室内では、11日かかって羽化した。屋外では14日かかっている。これがそれぞれのdの値。
室温が屋外よりも1度高いとして式を立てると、
(23−T)×11=(22−T)×14
3T=308−253=55より、T=18.7
この発育零点の値は、いくらなんでも高すぎる。
2度高いとして式を立てると、
(24−T)×11=(22−T)×14
3T=308−264=41より、T=13.7
まだ高い気がする。
3度高いとして式を立てると、
(25−T)×11=(22−T)×14
3T=308−275=33より、T=11
いい線だ。我が家のベランダでは日中は日が当たって暑くなるので、こうはならない。
4度高いとして計算すると、Tは7度程度になり、これは低すぎる。3度差という数値を採用しておこう。
この値を使って、暫定的なミヤマカラスアゲハの非休眠蛹での有効積算温度の式を以下のように変更する。
(t−10)d=165
この式を使った場合、手元の15℃設定の蛹の羽化予定日は、d=33より、7月7日から。
更に、蛹が硬化するまで2日程度屋外に置いたこと、そして羽化兆候が現れたら1日程度は常温に置くことを加味すると、
(25−10)×3+(15−10)×(d−3)=165より、
5d=135からd=27なので、
実際に羽化成虫を見るのは7月1日。
有効積算温度の数字が変わっても羽化日はあまり変わらないが、蛹を常温に置いた時間があることの影響はかなり大きいし、発育零点を11に変えると、かなり羽化予想日は変わる。
大事なのは有効積算温度の値よりも発育零点の値の方のようだ。そこをいじるのはうちの蛹が羽化した後にしよう。
蛹の羽化は7月上旬のようですが、週明けあたりからは注意しておきます。