すでに見たように、産卵は8日に始まり、16日に終了したが、25日には最後の産卵分にも孵化兆候が現れた。孵化率はほぼ100%であり、すでに孵化した幼虫も徐々に成長しているのか、少しずつ見やすくなってきた。
幼虫の巣も徐々に大きくなり、最初は1枚の葉だけで巣を作っていたが、やがて複数の葉を糸で寄り合わせたような形の巣を作るようになってきた。
巣の内部にはそれなりに広い空間が存在し、一部の幼虫はその空間の外、糸の外側にいるが、大半の幼虫は巣の内部にいるようだ。
幼虫の吐いた糸は、自分達の共同生活場所を外界から仕切る垣根のようなものなのだろう。
糞はどうしているのだろうか?糸で仕切られた空間の外にあり、糸に付着しているようにも見えるが、内部にあるように見える。はっきりはわからないため、観察レポのO氏に問い合わせて見た。
やはり内部にもかなりあると言う。
チョウの幼虫は消化酵素を持たないと聞いたことがある。つまり、消化管の中に葉を分解する細菌などが棲み着いており、その消化物を単に吸収すると言うやり方らしい。葉に含まれる物質を分解する細菌などの微生物は、葉の表面などにいくらでもいるだろうが、早めに孵化した幼虫の糞は、多量の微生物と細かく砕かれた葉の断片を含み、遅く孵化した幼虫にとっては貴重な資源になるはずだ。
あまりにも小さすぎる幼虫の、更に小さな糞であるから、とても確認できないが、糞食があってもおかしくない。その意味でも、1齡幼虫の現在、巣の内部にも糞があるのは頷けるものがある。
しかし、ずっとそうだろうか?高密度で幼虫が生活する空間の中に、老廃物はない方がいいような気もするんだよな…。だとしたら、成長した幼虫は巣の外で糞をするように変化するかも知れない。もっともタテハチョウだし、そんなこと気にしていないかも。
この辺も注意して観察を続けたいと思う。
産卵したうちの約半数、500弱は手元にあるが、約200ずつが付いている2つの株はやや葉の量が怪しくなっている。
手元には下の写真のようなオオバコプランターが4つある。
現在クガイソウは幼虫が付いているものも含め、手元に9鉢あるが、葉の量としてはオオバコが圧倒的。オオバコはクガイソウと異なり常緑性であるから、年内は好きなだけ食べ、越冬したくなったら越冬すればよい。管理も楽だ。
1株に付いている小さな卵塊2つの80弱は、オオバコでの結果に関係なく、ずっとクガイソウで育ててみよう。
どのタイミングでオオバコに移そうか迷っていたのだが、迷った時が決断の時という言い方もある。幼虫約200ずつが付いたクガイソウの茎を切り取ってオオバコプランターに挿し、1つずつのプランターに移した。クガイソウは遠からず萎れるだろう。明日以降、オオバコに巣を作っているか、見ものではある。