前回の終わりでご紹介した、何の変哲も無い「バス」。
西大浦バス、というプレートが付いています。
東舞鶴駅から舞鶴湾の東側に点在する集落を結ぶ自治体運営バスです。
朝夕それぞれ2往復程の、このバスが運行されたのは10年ほど前。
それまでは舞鶴汽船の船舶で運航されていたのです。
舞鶴湾に良く似合った、良いサイズの定期船です。
とは言っても経営は火の車。乗客がいないときもありました。
廃止直前に入手した時刻表。
西と東に分かれて運行され、湾の入り口近くでクロスします。
経営の危機を伝える新聞記事です。
昔は湾沿いの道路も整備されておらず、重要な交通機関でしたが、
道路整備が進み、自家用車が普及すると、忘れ去られる運命にありました。
手作りチラシで、最後のアピールをしますが、ここまで。
もう、みんなの足ではなくなっていたのでした・・・・・・。
舞鶴湾で釣りを始めたころから、いつも目の前を通り過ぎる存在だったのに。
無くなると聞いたときは本当に寂しかった。
舞鶴汽船に所属した、3隻の定期船の姿をご紹介しておきます。
東舞鶴の乗船場に停泊中の「ゆうなぎ」号。
西舞鶴乗船場の「あさなぎ」号。ゆうなぎと姉妹船です。
ゆうなぎ、あさなぎ、の予備船として運航されていた「ちどり」号。
一度は乗って釣りに行きたかったのですが、
駐車場も無く、釣りの荷物、停船所から釣り場までの移動などなど、条件が合わず断念。
それよりも、こんなのに乗って通学・通勤してみたかった・・・。
現在運行されているバスとて厳しい状況に変わりはなく、通り過ぎるバスの車内に乗客はチラホラ。
こういった素朴な交通がなくなると、ただただ感傷にふける私ですが、
経営側にとってみれば苦悩の連続、心休まる日は無かったと思います。
ご苦労様でした、舞鶴湾の定期船、「舞鶴汽船」。