「なぜ美人はいつもつまらぬ男と結婚するんだろう?」
「賢い男が美人と結婚しないからさ」

       サマセット・モーム「呪われた男」より



押尾さんの件しかり、酒井さんの件しかり、
このことに尽きる。

賢明な人はリスクを避けます。
妻が美人というだけで、心配やプレッシャーが多い。
賢明な人はそれらを避けたがります。

一方、愚者は形ばかりにこだわり、自分のエゴばかりで、
愛する人の道さえ外します。
それは容易に外してしまいます。

賢明な人は、懐深く、寛容で、
ときに冷酷までに厳しい。

親しき仲にも礼儀あり。
恋愛においても、結婚生活においても
これをわきまえているものが、
幸せになれるのではないだろうか。

身の程を知って、相手に接しないと、多くの人を傷つけます。

多くを望めば、それだけ多くを失う。
ならば捨てることで、得るということも知った方がいい。

ビジネスも恋愛も捨てた人が、大成している。
もしかしたら
この人は、私のために
身を捨ててしまうんじゃないか、
という危険な香りをほのかに漂わせて
近寄ってくる男がいたら、
これは美貌よりも、権力よりも、
勿論お金よりも、
段違いに魅力的ね。

                岡本敏子



「モテない」と嘆く人が多い。
その人たちに共通して言えることは、
あまりにものんびり生き過ぎているのだ。

死と隣り合わせにして生きている人に
人は魅了される。

たとえば、スタントマンや格闘家。
女性が、彼らの汗をかいた体を嗅ぐと、実に甘美な香りがするらしい。
一方、単に毎日仕事に追われ、志も夢もなく、
ただ一日を無駄に生きているような男の体からは単純に汗臭いになる。
女性には男のフェロモンを見極める機能が備わっている。
なるたけいい遺伝子と巡り会わなければいけないから、
そういう機能があるのかもしれない。

しかし誰もが、スタントマンや格闘家になれるわけじゃない。
ではどうしたらいいか。
簡単である。

今、あなたが、
たとえ明日死ぬことがあっても
これだけはやりたいということに、
全力で、そしてひたむきに取り組んでいれば、必ず女性は振り向きます。

そして一度でもそんな生き方をすると、
黙って大人しくすましていても、
わーきゃー騒がずして、存在感のある男になれます。

モテるという人間の背中には
常に死が見え隠れします。
この人はわたしが見ていないと死んでしまうんじゃないか。
そんな危険な香りが女性には堪らないのです。

決して、自殺願望ではありません。
死さえも恐れない、純朴で実直かつ必死な様の話です。

人生はいかに悔いを残さないか。
そのためには全力で生きなければ、魅力など磨かれません。

女性もそうです。
全力でぶつからなければ、
全力で男が呼応するわけありません。
ただでさえ、男は多情で心配性な生き物なのですから。

また、全力で生きている男に、
金や欲望で群がっても、彼らは決して振り返りません。
全力で今を生き抜いている男は、そんな女を瞬時に見極め、排除します。

なぜか。

時間の無駄だからです。
今、この瞬間しかないんです。彼らには。

時折、いい気になっている女性がいますが、
それはどれも偽者の男を相手にしているからでしょう。
いずれ、どちらかが堕落の人生を歩みます。

容姿など関係ないのです。
それはほんのきっかけに過ぎません。

肝心なのは、その人の命の賭け方が、
人生に厚みを見せて、人を魅了させるのです。

モテない人に共通していることは、
どこかに属して、いそいそしている人です。

孤独になれない人は、一生モテません。
「過去を語らず、未来を語ることだ。
 過去の失敗をいくら弁明しても、
 相手の心は決して動かない
            弁護士・村松謙一」



わたしの交渉相手はほとんどが社長である。

その多くは、過去の栄光者で、
現代社会のスピードについていけず、
さじを投げかけている人間たちが多い。

それなのに、なぜさっさと職を辞さないのか。
なにもせず高い給料を取り、ふんぞり返っている。
己の能力を認めず、安い給料で社員をこき使う。

その傲慢で勘違いの自信の根源は、すべて過去の栄光のみ。
柔な自信である。

わたしは初めに、そんな社長に会うとお願いすることがある。
怠慢な意識、言い訳、過去の栄光は捨ててください、と。

当然、そんな約束など守る人はいません。
守る人は身の程を知って、潔く、後継者に譲ってます。
守らないどころか、自分が話についていけないと、
過去の栄光を引っぱり出し、必死で自分に振り向かそうとします。

女性社員がそばにいると顕著になるのが、
男の悲しい性です。
客観性と冷静さ、理性が欠落しているので、
彼らは何度も失敗し続けるのです。

男というのは年を取ると、どうして夢を語らなくなるのだろうか。
そして語る人間を見つけると、
なぜ、すぐに甘い、とか、まだ若いな、とか
俺もそれは考えたことある、
など言って、人の志や心意気をへし折ろうとするのか。

それは、
いつまでも過去に生きているからです。
目の前の人間が未来に向かって生きて、成功されては困るのです。
手を繋いで、毎日失敗という傷のなめ合いをしていたいのです。

負け続ける経営者は、負けることを待ち望んでいます。

そんな人間をコンサルするのは大変です。
が、会社を上向きにするのは容易です。
そこにいる社員に語りかけると、死んでいた目が生き返ります。
みんな心の奥底で気付いて、やりたかったことがあるのです。
そこを刺激し、語りかけると、社員たちは自然と動きます。

なぜ、動くのか。
社員たちはすでに、その会社の成功方法を知っていたからです。
弱点を知っていたからです。
わたしは社員たちの気持ちを奮い立たせ、
できると信じ込ませて、成功に導きます。

さて、その頃、過去に生きる社長はというと、
わたしがお茶の話相手をするだけで、
子猫のように暢気にしています。
8割以上、昔話です。
それも同じ話を何度も何度も。

それでいいんです。
毎回、わたしが驚いたリアクションすれば、彼らは満足ですから。

できない人間が、社内にいるとき、
そしてやめてくれないときは、
せめてそっとしておけばいいんです。

過去に生きる人間は、誰の影響力もない。
未来に生きる人間にのみ、成功の扉は開かれ、誰かに影響を与えます。

まずは、夢を語ることからはじめましょう。