クラブ職人の徒然草~2 -55ページ目

PITオリジナルアイアン試打製作中


前記事でご紹介の当工房オリジナルアイアン新作。

試打クラブセットを製作中です。

今、ロフト角とライ角の調整が終わりました。

何と言うか、これで魂が吹き込まれた、という感じです。

シャフトは島田ゴルフ製作所のK'sツアーSR(カット前121g、モーダス長さ換算で123g)。

フェルールは当工房オリジナルの桜-黒

因みにですが、僕達弟子が入門して最初に仕込まれるのがこのフェルール仕上げ。

ネック口の外径より少し大きい外径のフェルールを打って接着し、硬化したらその出っ張り分をリネンベルトのサンダーとサンドペーパーで削り、ネック外径とツライチに仕上げて、特殊溶剤でサッと拭き上げてこの艶。

ネックとの段差無く、バランスの良い形に仕上げるのが最初は出来なくて。

ちょっとイビツになったり、削り過ぎて逆段差が出来てしまって接着からやり直したり、ペーパーでネックをキズ付けてしまったり、

師匠には随分ご迷惑をお掛けしたもんです。

粗めのペーパーで削って溶剤仕上げするのでサテン調の刷毛目で艷やかな仕上がりになるんです。

後はシャフトカットしてグリップ差して完了です。

GOLF PITオリジナルアイアン新作

当工房ではアイアンとウェッジについては三浦技研社などの各メーカー品と共に自社オリジナルモデルを展開しています。


アイアンヘッドの産地、兵庫県市川町の工場さん(名前を聞けば地クラブファンなら「おぉ〜!」の会社だと思います)に依頼して各スペックのみならず各部の形状研磨まで指定をして作って頂いてます。


沢山のモデル数は出来ないので、昨今の流れに沿って

①ストロングロフトであること

②芝面へのコンタクトが出来るだけ寛容であること

③顔が良いこと

を主眼として考えて数値管理が確かなこの工場さんに製造を依頼しています。


第二弾(通算では第三弾)の試作ヘッドが上がってきました。



写真の下から上に6番→GWです。

9番、PWに見られるようにヘッド下部のマッスル部分はアンダーカットが入っています。

第一弾のFKモデルに比べると少しサイズアップしましたが、三浦技研社のCB-302と比較するとサイズ感が分かって頂けるかな。


左が当工房試作。フェイス面で見ればむしろ少し小さいか?くらいです。

素材は程よい軟かさによる打球感の良さが定評のS20C軟鉄鍛造。

試打クラブが仕上がりましたらあらためてアナウンス致しますので是非一度お試し下さいませ。

どんなに良いヘッドでどんなに丁寧に作っても


このシャフトはEPONのパーソナルというマッスルモデルの#3から外したシャフト(ダイナミックゴールドS200)です。

EPONのクラブは出来合いの既製品というのは存在せず、必ずEPON取扱店で誰かのオーダーを請けて作られて初めて世に出ます。

このクラブを初見でみた時にこれを作ったクラフトマンは一所懸命に丁寧に作ろうとしてる、という事は伝わって来ました。

でもシャフトの検品についてはそこまで気を使っていなかった事になります。

そもそも、なんでこんなに反ったシャフトがこのクラフトマンの手に渡って使われることになったのか?

メーカーの出荷時点できちんと検品されて不良としてハネられていれば世に出なかった筈です。

答は、メーカーのお手盛りと言われても仕方のない自社検品基準をクリアし、良品とされたためです。

だから店側とすれば検品基準をクリアした良品を使ってるんだから文句言われる筋合いは無い、という事にも、まぁ、なるっちゃなります。

ゴルフクラブシャフトに工業製品規格は存在せず、そのモデルが初めて世に出る前にR&Aの用具審査さえパスすれば、その後の量産品の検品基準はそのメーカー任せです。

ウチの審査に合格した同じクオリティをウチが逐一見てないからって落として販売することはメーカーとして顧客の信頼を失う恥ずかしい行為でしょ?
という理念に基づきます。

だから、そんなん顧客(シロウト)には分からへんから別に恥ずかしないよ、と思うなら何でもありです。
(注:このシャフトのメーカーがそう考えたと言ってる訳ではありません)

このクラブを持ち込まれた当店の顧客様は同じシャフトのマッスルバックを#4からご使用中で、
「4番打ってこの3番打ったらなんか違って打ちにくいんよ」
とのこと。そりゃこのシャフトに入ってればそーでしょうね。

もし、この記事を読まれたクラフトマンさんで今までは入荷したシャフトの検品してなかったわ、という方がおられましたら、ご参考になれば貴兄にとっても貴兄の顧客様にとっても良きかなと存じます。

怖いのはこのシャフトをピンピンの最良品#1から最悪の#100まで並べたときに、動画のクオリティは決して90番目以降ではないという事実です。