クラブ職人の徒然草~2 -521ページ目

クラブとスイング、鶏と卵

当工房のHPをリニューアルする準備に入っています。

年内中には完成予定ですので乞うご期待!


ご自分のクラブ、上達を目指してゴルフと付き合っていかれるのなら一度真剣に見直しませんか?

良く聞かされる言葉・・・

僕はまだ下手やから何持っても一緒。上手く打てるようになったら調整やオーダーを考えますわ。


スイングが良くなってからクラブをフィッティングする。

良く考えたらおかしな話だと思いませんか?


上手くなるとは?

14本のクラブすべてのボールヒッティングの精度が上がること。

14本のクラブすべて目標に向かって正確な方向性で打つこと。

14本のスクラブすべて番手通りの飛距離を出せること。

を目指して練習を積んだ結果として上手くなるわけですよね。


今のスイングは良かった。これを習得しよう。今のスイングは悪かった。修正しよう。

と練習するわけですが、その良し悪しの判断は何で付けますか?


タイミングよくスムースに振れてあてられたかどうかの「体感」「感触」と

打った球が真っ直ぐ飛んだか曲がったかの「結果」のふたつです。

素振り以外で自分のスイングを見ながら球を打つことはできませんから。


ということは

①自分自身に良いタイミングで正しいスイングをさせてくれるクラブであること。

②正しいスイングをして正しいヒッティングをしたときに正しく飛ぶクラブであること。

この2つの条件を満たしたクラブで練習しなければ上達は出来ません。


残念な事実ですが多くのゴルファーが正しく振って正しく打ったら球が曲がるクラブでゴルフをしています。

大きな要因として、

<上手く振れない(振りにくい)、上手く当たらない原因>

①曲がったシャフトが装着されている番手がある。

②スイングバランスが番手ごとにバラバラ。

③グリップの太さが合っていない

<当たっても真っ直ぐ飛ばない、正確な距離差が出ない原因>

④ライ角がバラバラ、ロフト角のピッチが不整合。

<その両方の原因>

⑤作りが悪いためにクラブのトータルバランスが崩れている。

が主に挙げられます。


クラブという道具は短い番手でも35インチ(89cm)の長さがあって、その一番先に一番重いヘッドが付いていて、しかもそのヘッドの中心は手に持ったシャフトの軸線からずれている。

という非常に特殊な形状であり、そのクラブの端を持って振り回すわけですからスイング中は人間の筋力では到底御し切れないほどの遠心力という大きな力が発生します。

しかもその特殊な形状のゆえに単一方向のベクトルだけではなく複数のベクトルが同時に発生します。


テニスやバドミントンや卓球ならヘッドを腕と手の力でコントロールすることが出来ますが、ゴルフスイングにおいては一度スイングが始まったら途中で人間の力でコントロールすることはほぼ無理です。


だからこそ、まず振りやすい状態になっている事。

そして各部角度が正確かつ正しく調整されている事。

この二つが絶対条件として必要です。


正しく打ったら球が曲がるクラブで真っ直ぐな球を打つ練習をする。

上達できますか?


スイングとクラブ、どっちが先でしょう?

組立作業で一番難しい事





人間の物の見え方って不思議です。

見え方による感覚が結果に出ます。

例えばフェイス角が1.5度オープンというデータが出ていてもその人がフックフェイスに見えてしまえばやはり左が怖くなります。

アドレスでの見え方が気持ち良ければナイスショットになります。

開いて見えたら…
右が気になって逆にフックが出たりします。


当工房で使用している計測器は全て各ジャンルの「最上級機種」です。

精密正確に測れなければ精密正確に組めません。

角度を0.1度単位で動かし、バランスを0.1ポイント単位で管理するためには不可欠です。


逆に言えば指定数値、狙った数値を正確に組み上げるのはさほど難しい事ではありません。

きちんと測れるからです。

難しいのはお客様の感覚や見え方を具現化する事。
これはもう数値の問題を超越しているからです。

真っ直ぐな顔にしてくれ、と依頼されてフェイス角スクエアに組むのは簡単ですがそうではなく「右にも左にも行く感じが出ない顔。気持ち良くアドレス出来る顔」にしなければ意味がありません。


だからこそお客様との密な会話、確認、意志の疎通と共有のための十分な時間が必要になります。

また、そういう様に挿す技術が求められます。

アイアンにせよウッド類にせよ、ヘッドのホーゼル孔にシャフトを単純に真っ直ぐ挿す事はほとんどありません。

また、ネックを曲げて角度調整の出来ないウッド類についてはメーカーへの発注時の注文はどうしても細かくなります。

勝負はそこから始まっているんですね。



クラフトマンとしての、職人としての目と感性と経験を求められ胃が痛くなることもありますが

お客様の要望とそれをぶつけて下さる信頼に応える義務があると思っています。

クラフトマンとしての矜持にかけて。

平日月例出走




雨です。

落ち着いてやれますように。