クラブ職人の徒然草~2 -519ページ目

ロイヤルコレクションSONARTEC-TD

ロイヤルコレクション社の海外展開ブランド「SONARTEC(ソナテック)」

かつて名プレーヤーのニック・プライスも愛用していたブランドです。

国内でパーツ販売されていますが、ついにというかやっと

ドライバーが新発売になりました。


SONARTEC-TD

飛び性能で知られるSP700チタンの鍛造カップフェイスと最適スピンの重心設計です。




エックスラインフェイスという特殊肉厚設計とのことです。


フェイス中央はノースコアラインで左右にはスコアライン入り。

これはちょっと芯を外した時の飛距離ロスを軽減してくれるし特にウェットなコンディションで球の滑りによるスライスを軽減してくれます。




バランスの良い顔のアドレスビューでターゲットにアドレスしやすいと思います。

フェイスの被った感が無く個人的にはとても好みの顔ですね。

当工房で「このヘッドを扱おう」、の決め手の重要な一つがこの「顔のバランスの良さ」です。


時々プレーするコースにて実戦試打しましたが、飛ぶなぁ。が第一印象。

ロフトはやや多い目のリアルロフト10.7ですがちょうど良いスピン量でスゥッと伸びて行く球質です。

ノンスコアラインの分はスピン量が少な目になりますのでいつもより少しロフト多い目の方が方向性も安定すると思います。



第二印象は音と打球感が良い事。

SP700鍛造カップフェイスというとややこごもった様な低めの音で物が多いんですが芯喰ったソリッド感のある手応えで音もちょうど良い冴えた音です。


性能とフィーリングが両立したヘッドって案外少ないんです。

飛距離性能では定評のあるロイヤルコレクションからなかなか満足度の高いヘッドが出ました。

ドライバーのロフト

ドライバーのロフトについてはちょっと注意が必要です。

様々なメーカーの様々なモデルをリシャフトやチューンナップ承りますが



外国ブランドのクラブは概して実測ロフトは表示ロフト+0.5~1.5度くらい。

つまり表示より大きなロフトになっていることがほとんどです。


使用上、球筋に変化影響が出るロフト角量は0.5度以上から出てくると思います。

1度違うとかなり上がり過ぎたり上がりにくかったりという影響があると思います。


もうひとつ、お客様とお話をしていて、現物を見ていても気が付かずにおられるのがフェイス角。

相当開いているのに「ああ、そう言われれば開いてますよね。道理で右に出るわけだ」

ということが少なくありません。



シャフト中心軸を基準にしてフェイスが目標方向にスクエアな状態でのロフトをリアルロフトと言います。

(因みに、ライ角通りに座らせたときフェイスの向きに関係なく中心点で測ったロフトをオリジナルロフト、またはソール基準のロフトと呼びます。)


ライ角やフェイスのトゥ~ヒール方向の丸み(バルジ)の強さにもよりますが、フェイス角とロフト角の相関関係は ロフト角=フェイス角×0.7くらい。

つまり、フェイス角が2度開いた状態でのロフトが10.5度だとするとシャフト中心線を軸にしてフェイス角がスクエアになるまで2度閉じた時、ロフト角はおおよそ9度になっているということです。

だから、もしこういうクラブをお持ちで、フェイスが右向いていて構えにくいし捕まりにくい。ということでフェイス角をスクエアに近くなるようシャフトを挿し直せばロフトも同時に立ってしまうことになります。


こうなるとなかなか球の上がりづらいクラブだという事になってしまいます。


ゴルフショップで購入される際には、クラブのシールや刻印のロフト表示をうのみにせず、店員さんにソール基準のロフトとフェイス角を見てもらい、上述の計算式に基づいてご自分に適切なリアルロフトのクラブを選ばれることをお勧めします。


市販品のクラブは想像される以上にロフトやライの個体差が大きいんです。

ショップの方も安くない商品を販売するのですから最低でもそのくらいの知識を持ってそのくらいのサービスをすべきだと思うんですが。




私どもが扱うコンポーネント専門ブランドのヘッドでもやはり個体差があります。

当工房では先ずメーカーさんに出荷してもらう時点でしっかり計測選別してもらって、入荷したヘッドは計測して管理しています。


安心して使って頂くお客様のため、そして安心して納品させていただける自分自身のために。


クラフト冥利

クラブを作らせていただいたお客様から

月例優勝したよ。

クラブ競技で優勝したよ。

など、好成績のお知らせをいただき、良いクラブを有難う。と仰っていただくことがあります。


そのお客様の喜びがダイレクトに胸に伝わり、何よりのご褒美を頂戴した気持ちになります。



僕はクラブ作りは減点法だと考えています。

クラブは0点がベストで満点。

何故ならクラブは打った人以上に能動的な仕事はしないからです。


ナイススイング、ナイスショットに減点なく応えるクラブを作る。


僕たちクラフトに出来ることはそれしかありません。


ナイスショット、ナイスプレー、ナイスラウンドは決してクラブの手柄ではなく、100%打った方の手柄です。


それに応えうるクラブを納品できた。

それがクラフトマン冥利であり、喜びです。


Kさん、月例優勝、クラスアップおめでとうございます!

そしてその喜びを分けていただいてありがとうございます。