組立作業で一番難しい事

人間の物の見え方って不思議です。
見え方による感覚が結果に出ます。
例えばフェイス角が1.5度オープンというデータが出ていてもその人がフックフェイスに見えてしまえばやはり左が怖くなります。
アドレスでの見え方が気持ち良ければナイスショットになります。
開いて見えたら…
右が気になって逆にフックが出たりします。
当工房で使用している計測器は全て各ジャンルの「最上級機種」です。
精密正確に測れなければ精密正確に組めません。
角度を0.1度単位で動かし、バランスを0.1ポイント単位で管理するためには不可欠です。
逆に言えば指定数値、狙った数値を正確に組み上げるのはさほど難しい事ではありません。
きちんと測れるからです。
難しいのはお客様の感覚や見え方を具現化する事。
これはもう数値の問題を超越しているからです。
真っ直ぐな顔にしてくれ、と依頼されてフェイス角スクエアに組むのは簡単ですがそうではなく「右にも左にも行く感じが出ない顔。気持ち良くアドレス出来る顔」にしなければ意味がありません。
だからこそお客様との密な会話、確認、意志の疎通と共有のための十分な時間が必要になります。
また、そういう様に挿す技術が求められます。
アイアンにせよウッド類にせよ、ヘッドのホーゼル孔にシャフトを単純に真っ直ぐ挿す事はほとんどありません。
また、ネックを曲げて角度調整の出来ないウッド類についてはメーカーへの発注時の注文はどうしても細かくなります。
勝負はそこから始まっているんですね。
クラフトマンとしての、職人としての目と感性と経験を求められ胃が痛くなることもありますが
お客様の要望とそれをぶつけて下さる信頼に応える義務があると思っています。
クラフトマンとしての矜持にかけて。