クラブ職人の徒然草~2 -439ページ目

三浦技研の新作CB2008

三浦技研より新発売される意欲作

CB2008









完全国内生産の複合構造ポケットキャビティヘッド。

と言うと「PP9005」が既にあるやん?と言われそうですが、

PP9005がネック~ボディ一体軟鉄にバネ板フェイス、という構造に対して

CB2008はネック~フェイス一体軟鉄鍛造にステンレスの後方ボディ溶接という構造です。

また、PP9005が7番=30度と一番手ストロングロフトに対してCB2008は32度のセミストロング。

試打クラブには島田ゴルフ製作所から今月末頃新発売のK's8001を使いました。


実打すると打球感は軟鉄フルキャビティそのもので、薄板フェイスの軽快さと三浦らしい冴えたソリッド感が手に伝わります。

これはフェイス~ネック一体の良さですね。

サイズはこのタイプのヘッドとしては小さい方で、CB2007とほぼ同じのミッドサイズですがフェイスのネック側が低い締まった顔なのでもう少し小振りな印象です。

プロモデルのイメージを踏襲した攻め顔で、このタイプに多い遊び顔ではないところが三浦っぽいなと思います。

ボディもソールもトゥ側にボリュームを配分してある事からインパクトでのフェイスリリースや芝抜けもスムースなのではないかと期待出来ます。

また、ヘッド単体での重心がぴったりフェイス中央ながらそれほど低重心でもない事が必要十分なスピン量が得られる事と球にフェイスが噛みついたソリッドな打球感の理由ではないかと思います。

ヘッド定価はPP9005と同じ20000円(税別)。

ミスコンタクトがミスショットに反映しにくい形状設計と無理に捕まえさせない自然な重心設計、顔、という条件は十分上級者や競技ゴルファーにお勧めできるヘッドだと思います。


MCWによる別注の受注は専用のシステム構築も含めて夏頃からのスタートになるようですが、標準規格で十分な重量が出ているので、既製品で十分対応出来ます。


是非ご検討ください!

キャロウェイ試打会




昨日、大和郡山市のトドロキゴルフガーデンさんでゴルフ5さん主催のキャロウェイ試打がありました。

ここの2階に最近オープンされたN- マジックさんと親しくさせて頂いていることもあり、ゴルフ上手のオーナーの意見も聞きたく、

当工房の研修生君と一緒に行って来ました。


特殊構造で飛ぶと前評判の高いGBB - EPIC の「STAR 」(スライドウエイト機構で固定ネック)と、「サブ·ゼロ」(前後のウエイトビス機構でスリーブ式)はフェイス構造は同じですが打球感がはっきり違います。

やはり固定ネックの方がダイレクトかつシャープに伝わる感じです。

STAR の方は純正の軽いシャフトの物しかなかったのでシャフトを合わせたらまた変わるかもしれませんが、どちらもスピン量が少ないようです。

確かに初速は速いです。

いつもよりロフトを0.5~1.0多いヘッドを選ぶと大きな弾道で飛ぶのではないかと思います。

ヘッドスピードのある方にはSTARの方が合うように思います。

US物はSTARという名称が付かずネックもスリーブ式で、N-マジックのオーナーはそれにしようか思案中のご様子。


僕の方はそれより先に間もなく発売予定のA-GRINDの新製品の試打クラブを作る事になりそうです。

グリップ装着という工程の重要性

クラブセットにおいて長い番手から短い番手になるにつれて重さ、硬さ、スイングバランスがアップフローしている事が重要です。

全てのクラブを同じフィーリング、同じタイミングで打てるクラブセットにするためです。

顕著なのはアイアンセットでしょう。

当工房ではグリップ装着前の”裸のバランス“を0.1ポイント単位でアップフローに仕上げ(どういうピッチでフローさせるかは各々の工房によって考え方が違うでしょう。当工房には当工房のパターンがあります)、グリップも長い番手に重いもの、短い番手になるにつれて軽いものを装着するよう予め重量管理をしたうえで揃えます。




グリップの重さが0.4g変わると装着後のスイングバランスが0.1ポイント変わりますので、最終的に上述のような仕上げにするためには不可欠な作業です。

特にラバー素材のグリップは2g程度のバラツキがあるので、よく使用するグリップは常に10本以上30本程度の在庫を持ち、在庫外のグリップを取り寄せる時は必ず1本余分に取ります。


その方の手の大きさ、指の長さ、好みに応じて下巻きテープの巻き重ね数を調整しますが、それも装着長さがばらつけば仕上げ太さのバラツキを意味しますので、同じ長さ、同じ伸ばし具合に装着します。

そのために下巻きの長さ自体もぴったり揃えます。



グリップ口いっぱいまで巻いてやることで口からボロけて来る事を防げます。

因みにこの下巻きの長さと装着後のグリップ長さは全番手おそらく0.2mmはズレていません。


写真のセットは3年前に作らせて頂いた物のグリップ交換依頼分です。

古いグリップを取り外し、裸のバランスを確認し、元々のバランスになる重さのグリップを選んで初めて作業開始です。

太さが変わらないよう下巻きも元々とぴったり同じ長さに巻いてあります。


一言でグリップ交換と言っても結構大変でしょう?

よく、グリップ交換「くらい」は自分で、という言葉を耳にしますが、実はグリップ交換が最もプロの技術が必要な一番難しい作業だと思っています。