分からへんかったらえーの?
他所の工房でやってもらったクラブやねんけど、なんとか調整でけへんかなぁ。
他所で作ったクラブやねんけどグリップ交換してくれへんかなぁ。
時々、というより結構、当工房に寄せられるご相談です。
偶に、これは玄人の顔してお客様からお金取ったらアカンやろ! という内容の仕上がりのものもありますが
ほとんどは真面目に、お客様の事を考えて仕事したはんのやろなぁ、と思える物です。
ただ、結果としての数値管理にブレや狂いがあるのは、おそらくは技術レベルというより使っている工作道具と計測器のレベルの低さだと思います。
例えば先日グリップ交換を承ったアイアンセット、
いわゆる地クラブヘッドで、そのブランドと契約している工房で作って初めて世に出る物ですが、事前にバランスを測ると#5〜PWが順に
D-1.9、1.8、1.6、2.4、1.9、2.0
というバラつき具合。
グリップ装着前のベースの(裸の、という言い方をしますが)バランスが揃っていればいくらグリップの重量がバラバラでもこうはなりません。
で、裸のバランスを測ってみると
E-2.4、2.1、2.0、2.6、2.2、2.3
そもそもここがバラバラならグリップの重量を揃えたとしても仕上がりはバラバラですし、グリップ込のバランスのバラつきと裸のバランスのバラつき具合が一致していないのも問題です。
でも、仕方ないと言えば仕方がない。
ゴルフクラブ用の様々なバランス計測器が発売されている中でバネ秤式のモデルは少し上位モデルで、多くのショップや工房で使われていますが、これのトリセツを見ると
「D-1.5を過ぎた目盛り(目視でD-1.6)からD-2.5を過ぎない目盛り(D-2.4)の間に針先があれば全てD-2.0と読みなさい。」
とあるんですよ。
プラスマイナス0.4ポイント=合計0.8ポイントは「誤差」扱い。
そのくらい、って思います?
アイアンのバランスが「エラくヘッドが利き過ぎててメチャ打ちにくい!」と「ちょっとバランス落としてメチャ打ちやすなった!」の差は何ポイントだと思います?
特に敏感な人でなくても0.3ポイントです。
ちょっと敏感な人は0.2ポイント変わると明らかに反応が変わります。
0.8ポイント差は許容誤差、なんて数千円の計測器使ってればそうなりますよね。
プロ工房としてお客様の大切なクラブを預かって何らかの作業を加える、という事は何らかの変化が起きる、または起こす訳ですから良くならなければお代金を頂く資格はないということです。
ゴルフクラブ用計測器はプロ用は高いです。
例えば当工房のバランス計はゴルフクラブのスイングバランスを測る以外何の役にも立たないのに20年前の購入価格は20万円でした。
各部の角度を測る計測器はプロとして使い物になる正確な絶対値を出せる物は現状ゴルフギャレーヂ製の物しかありませんが、ざっと60万円です。
ゴルフ工房しか買わない数しか作れないので自ずと高額になります。
でも、デタラメな数値しか出せない物を使って、そのデタラメな数値を基に作業をして、デタラメとも思わずに一人前のお代金を取ってお客様に使わせる、使った人がどうなるかは知らない、
それで良いですか?
それでも計測器は高いから買いませんか?
それで恥じることなく胸張ってプロクラフトマンですってお客様のクラブを預かれますか?
シロウトには分からへん、分からへんかったらえーやん?
いつの間にかお客様が離れ、◯◯工房でやってもろたけど酷いわ!アカンわ!という評判と共にお客様が寄り付かなくなっているのを
分からへんかったらえーやん?
フジクラ スピーダーNXホワイト

