歴史と看板建築の街 石岡散策 その6 | らんまるの街道歩き・暗渠散歩ブログ

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2月23日の天皇誕生日に歴史と出桁造り商家と看板建築の街、茨城県の古代の首都(常陸国府所在地=府中)石岡の散策を楽しんだ散策記事のその6です。

 

この日歩いたルートは↓の通りです。歩いた距離は8kmくらい。

 

その5では、常陸国分寺の旧門前町を思われるところにあった老舗、青柳新兵衛商店と同じ世帯と思われる屋敷の薬医門に「剣道 居合道 青柳道場」を見つけ、11年前にもここを激写していたのを思い出し、時の流れと移ろいやすい人の定めに深く思いを馳せた所までをご紹介しました(↓再掲)。

 

そのすぐ先で左(東)を向くと、国道355号(画面左右に伸びている道)、まっすぐの方向に向かっているのは、県道52号、ちょうどここで右折して東に向かう旧水戸街道です。街道に沿って古い建物が並んでいますが、この先に進んでしまうとキリがないのでパスします。

右折して、先ほど南側を歩いた国道355号の商店街に北側から再度入ることになります。

 

商店街はこの交差点でそのまま水戸街道に沿って続いているのですね。続きも見たいし石岡はよく考えてみればかなり近くていつでも来られるので第二弾も予定することとしましょう(今日は疲れたので適当に歩いて帰ります)。

 

すると早速街道の国道の右(西)側に立派な蔵造りの商家を発見して「ほっほぉ!」とか無意識に言ってしまいました。

 

よく見ると右側に母屋が横付けされています。あっ、しかも出桁造りのようですね。

うーん、石岡ホントに素晴らしい!ただ廃業してしまった店が多いのが気になります。

 

国道から一本左(東)に、並行して走っている道が怪しい(何かありそう)なのでちょっとそちらに入ってみると、予感が正しかったことがすぐに分かりました。おお、何だこの看板建築!

ファサード上部の◆模様も素敵だし、てっぺんの端正な縁取りデザイン、すばらしい、、んん?真ん中に道路標識が入ってしまった。仕切り直しだ!!

 

奥はしっかり切妻造りの和風建築、きっちり二階建てのビル的に建ってます。これも表通りの見事な看板建築と同様に昭和初期のものかな。。

 

こちらは野口輪店というバイクの店です。いろんな角度から撮ります。

 

明暗差が激しくて惜しかったので、一応HDR撮影でも激写。それくらい気に入りました、野口輪店。

 

この野口輪店のある通りは商店街であったことは間違いなさそうですが、ここから南はしばらく閑散としているため、一旦国道に戻ります。国道に向かう最中にあった和風建築の民家を裏側から激写。

 

暫く国道を南下します。大部分は第1回~2回でご紹介しているので省略しますが、しばし南下した後、何かありそうなところで左に曲がって、再び国道一本東側の通りに向かうと、、やっぱり何かあった!!

 

↑の写真の右奥に見えている建物、この出桁造りの商家がやはり強者でした。

 

登録有形文化財 栗山呉服店店舗兼住宅。昭和7年(1932)の建築なのですね。

この様子を見ると石岡は旧水戸街道と一本東の南北の道、それにこの二本を結ぶ東西の路地が梯子状に商店街を形成していたと推定できます。

 

文化財とかではないですが、これまた渋い物件ですね。一階の木戸が古風でいいです。二階の物干し台はリフォームしてますね。

 

Climaxと筆記体調の店名の看板建築は二階の窓のデザインが凝ってます。一階もそんなにスペースないのにおしゃれ気なベンチがあるのは、お店のコンセプトでしょうね。その意気やよし!(←偉そう)。

 

第二商店街通り(勝手な仮称)が近付いてきました。平屋の母屋に二階建て看板建築を建てた商家を後ろから見ています。

こういう「舞台裏」的な風景は楽しいですね。

 

第二商店街通りに出ました。この立派な出桁造りの商家。間違いなく元はかなり賑わった商店街だったでしょう。一階軒下のテントを見ると雑貨とかちょっとした食品などを扱っていたのかな?

 

その商家の左端のモルタル部分のと天水桶が昭和を感じさせて素敵です。

因みにここから右(南)方向に進むと更に良い物件があったのですが、そろそろお疲れモードの私(街道を20km以上歩くときでも、街を数キロ散策するときでも、なぜか行程の8割ほどに差し掛かると疲れを感じる妙な体質です)は駅方向の左に進んでしまったので、遠からずリベンジしたいと思います。

 

いずれ古いであろう出桁造りの商家が続きますが、やはりこの通りも営業しているのかどうか判別できない店舗、或いは明らかに廃業してしまったり、廃墟になっている物件が目立ちます。

 

こちらも出桁造りの商家、の一階部分を平屋看板建築にした感じですね。今は自販機営業のみですね。

 

房総スタイルていっくな表の店舗兼母屋部分の後方に入母屋城(ブロ友さん命名)的な別の住居がくっついた形状の店舗兼住宅。通りに面したところはこれ厨子二階かも知れませんね。

 

 

向かって右側からのカット。かなり立派な商家ですが、もう営業はしていないでしょう。

 

このすぐ北隣にあるのがこちらの渋いクリーニング屋です。

こちらはもう廃業&無住っぽいですね。店舗左側の通用口は店舗後方に入るか、そのまま二階に上がる住居入口だったのでしょう。

 

中華料理の珍来。おなか空いてきたので入ろうかなあと思ったんですが、外から店内を覗いて何となくひるんでしまい素通りに(;^ω^)。

 

右側の廃墟はすさまじいですがよく見るとこの廃墟、出桁造りだったんですね。スカスカのスケルトンになっているので出桁造りの構造がよく分かって勉強になりますが、どっちかというと構造は分からなくていいので元気な姿で見たかったです。

左側にそのまま繋がっているいかにも飲み屋的な建物はこの出桁造りの廃墟に直結していました。

 

その先で東西の道にぶつかる丁字路に出ます。もうちょッと寄り道したいので、一旦左(西)側の国道方面を見てから、右(東)方向の駅方向に進むことにして進むとすぐに、、

古風な出桁造りの恐らく「元」商家が二件並んでいました。

 

そして、そのすぐ先の左側にラストの大物物件を発見したのです。こちらです↓。

すごくないですが、この看板建築。昭和前期の木造建築二階建てにめっちゃ立派なファサードの看板建築!こりゃすげえ!しかも屋根になんか柱みたいなの立っとる!!

 

こっちから見ると側面は一応コンクリで洋風に仕上げてあるのですね。反対側の板張り丸出しは元々隣にあった建物で隠れてたんですね。これを設計して建てた棟梁たちの技量に惚れ惚れします。

いやあ、終盤でいいもん見られました!!個人的にはこの日全体で見ても、この記事の前半でご紹介した野口輪店とこの喫茶「四季」が特に好きですね。

 

あとは最短距離で駅に向かいます。錆び錆びの旧店舗や(不動産屋とかを想像しました)

 

出桁造りの元商家(完全に住居スペックに改造済みです)、それに

 

元店舗、、だよね君?というちょっと不思議な物件を最後に見て駅に向かいます。

いやしかしこの建物、正体が想像できません!左端のめっちゃ狭い間口のあれが店舗部分なのか?真ん中のスクエアな構造物は何なんだ?やたら壁で囲まれている右側の玄関もなんか変わってるし。。

 

などと色々考えながらもう少し歩くとそこはもう石岡駅。

駅構内の二階のNEW DAYSで軽く二人前を超えそうな分量のお昼ご飯を買って(サンドイッチ、カレーパン、ゆでたまご、南高梅梅干しおにぎり、ポテトチップス、500mlコーラ)、奮発したグリーン車の帰り道でペロッと平らげて幸せな気持ちで帰宅したのでした。

 

今回は残念ながら一部見落としたあったので、できるだけ近々再訪をしたいと思います。