(当日の歩行ルートは↓)
(上の地図をクリックするとYahoo地図のページにジャンプします)
(1)では中田の宿場内の一里塚跡を通過したところまでをご紹介
しました。集落を通り過ぎると再び長いまっすぐな上り坂が続きます。
![01](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/07/goldentrout/6c/b6/j/t02200147_0800053313302347622.jpg?caw=800)
繰り返されるアップダウンにこの頃になるとだいぶ疲れを
感じ始めていましたが、この日は余り暑くなかったのは
幸いでした。
坂を登ると左側には千葉市の乳牛育成牧場があります。
牛たちに近づいてみると、人に慣れているのか、何頭か
寄って来てくれたので、私も「はい、ポーズ。いいですよ!」
などと牛に語り掛けながら何枚か撮らせてもらいました。
![02](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/07/goldentrout/56/5b/j/t02200147_0800053313302347621.jpg?caw=800)
その後再び下り坂に。
![03](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/71/9c/j/t02200147_0800053313302349565.jpg?caw=800)
左側にある廃棄物処理の工場には、なんだか顔の潰れた
サンタさんが看板代わりに掲げられていましたがちょっと
怖かったかな。
その後袖ヶ浦カントリークラブの横を通過。
![04](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/07/goldentrout/0a/88/j/t02200147_0800053313302347624.jpg?caw=800)
ゴルフかー。腰痛のため惜しまれながら(ウソです)引退しましたが、
かつてはちょくちょくやっていたものです。
やがて風景谷(ふがさく)の険という昔の難所に差し掛かります。
![05](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/06/07/j/t02200147_0800053313302353760.jpg?caw=800)
上の写真で、坂を下りたところで道が左にカーブしていますが
ここが街道の消滅点です。元々は真っ直ぐ街道が進んでいましたが
その先のエリアが明治に入って開墾の対象となったため道路は
迂回されたそうです(元鍋島藩の家臣に土地が下げ渡されたので
『鍋島開墾』と呼ばれたとのこと)。
街道消滅点がちょうど千葉市と八街市の市境でここから八街市に
入りますが、登り坂の右手には街道消滅の説明板が立っています。
![06](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/38/25/j/t02200147_0800053313302353761.jpg?caw=800)
風景谷という名前のバス停が印象的。
![07](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/7b/fa/j/t02200147_0800053313302353758.jpg?caw=800)
かつて街道が真っ直ぐ伸びていたころ、この台地に上る
坂道は余りの急坂で、家康公も駕籠から馬に乗り換えた
そうです。登り切ったところで休憩した家康公は、広大な
千葉野(千葉県東部一帯)を一望し感嘆したそうです。
消滅した街道の痕跡がちょいちょい残っているというので
↓の地点で右折して見に行きます。
![08](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/c1/1e/j/t02200147_0800053313302353759.jpg?caw=800)
舗装のなくなった道路をひとしきり進むと、両側に土塁のある
道筋が右側の林の中に見え、ここが街道の痕跡です。
![09](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/32/60/j/t02200147_0800053313302365530.jpg?caw=800)
位置関係を見ても確かにさっきの消滅点からまっすぐな地点に
あるであろう事が分かりました。
その先の角を左折して、とある民家の前を通ると、その入口から
玄関までの斜めの通路が実は東金御成街道の痕跡なんだそうです。
![10](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/42/3f/j/t02200147_0800053313302365528.jpg?caw=800)
確かにさっきの痕跡からも真っ直ぐ繋がっている様でした。
いやぁ、面白いですね、こういう探索は。
その後、区画整理された道路に沿って歩いていくと漸く
街道の復活点に到達します。
![11](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/18/ff/j/t02200147_0800053313302365531.jpg?caw=800)
暫くは農道的なところを通っていたので安全でしたが
ここからはまた歩道の無い道行きが続きます。
(アップダウンも復活)
![12](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/f9/aa/j/t02200147_0800053313302365529.jpg?caw=800)
ただ、歩き始めの頃よりはずいぶんクルマも少なくなり
だいぶ歩きやすくなってきました。
本日何度目かもう数えきれない上り坂をフウフウ上りますが
緑豊かでこれはこれで結構な気がします。
![13](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/50/3d/j/t02200147_0800053313302380012.jpg?caw=800)
この辺りは蛇田谷(へびたさく)の険という坂道だそうですが
付近の田んぼで蛇がよく出たという事でしょうかね。今、道路を
横切られても不思議ではない感じです。
やがて前方には傾斜14%と表示のある下り坂が。
![14](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/77/d0/j/t02200147_0800053313302380013.jpg?caw=800)
ここは馬渡し(まわたし)の険と呼ばれる、東金御成街道中
随一の急坂です。ここでも家康公はやはり駕籠から降りて
馬に乗り換えたのだそうで(それが馬渡しの語源ですね)、
駕籠かきの人もこの街道はさぞや大変だったでしょう。
その下り坂の途中、街道右手には上砂(かみいさご)の一里塚
が現存しています。
![15](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/cc/92/j/t02200147_0800053313302380014.jpg?caw=800)
(1)の末尾でご紹介した、富田町の椎の木から4.7㎞の地点に
なるそうです。この街道の一里塚はやはり4.7㎞刻みなんですね。
やがて坂を下りきって登りに転じるあたりでふと横を見ると、
野生の藤の花が咲いており、ちょっと癒されます。
![16](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/08/goldentrout/76/13/j/t02200147_0800053313302380015.jpg?caw=800)
新緑と藤の花、この季節ならではですなあ。
坂を登ると暫く平地が続きますがこの辺りは太郎坊(たらんぼう)
という地域です。この日の歩きではかなり難読地名が多いですが
昔からの地名が残っているという事でいいと思います(読めま
せんが)。
![17](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/11/goldentrout/54/68/j/t02200147_0800053313302488961.jpg?caw=800)
この一帯は、天正十年(1582)三月に東金城主酒井小太郎定隆
及び土気(とけ)城主酒井胤治親子が椎崎(しいなざき)城主
椎崎三郎と争った古戦場(小間子・吉田の原の戦い)である
との事。付近には戦いに関連した「首切り谷」、「死人谷(しびとさく)」、
などなど戦いに関係した地名が多く残っているそうですが、
(暁印書館 本保弘文著「東金御成街道史跡散歩」p.166)、
今は穏やかな農村風景が広がるばかりです。
その後、結構車通りの多い道を横切り、墓地を通り過ぎると
再び谷津地形による下り坂があります。
![18](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/11/goldentrout/27/ce/j/t02200147_0800053313302488962.jpg?caw=800)
坂を下ったところに何だかブルドーザーが停まってますね。
そのブルドーザーの辺りで右を見ると大きな池があります。
![19](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/11/goldentrout/d0/3f/j/t02200147_0800053313302488963.jpg?caw=800)
ビンダライ池という池です。かつてはもっときれいな池で
あったらしく、ここに差し掛かった家康公が、湖面に松林の
写ったきれいな風景に感じ入って駕籠からおりて休憩し、
池の水をビンダライ(整髪に使う水入れ)に入れて髪を
セットした、との事。一時期水田としていた時期があった
そうですからそれで以前ほどの美観ではなくなってしまった
のかもしれません。
ビンダライ池を超えるとまた上り坂
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/143.gif)
![20](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/11/goldentrout/28/f3/j/t02200147_0800053313302491619.jpg?caw=800)
ただ「緑のアーチ」状になっているし、車の通行量もだいぶ
減っているし(とは言え、景色のみかけ以上の交通量)、
道路が舗装されている事以外は旧街道時代の風景
さながらではないかと思われ、楽しんで歩く事ができました。
坂を登りきると、片側が木々の緑で反対側が畑という、
素晴らしい日本風景の道が続きとても気持ちよく歩けます。
![21](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/12/goldentrout/16/fd/j/t02200147_0800053313302525328.jpg?caw=800)
やがて文字通りの「緑のトンネル」を抜けると、、
![22](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/12/goldentrout/82/7b/j/t02200147_0800053313302525330.jpg?caw=800)
圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の下を潜ります。
![23](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/12/goldentrout/b4/1d/j/t02200147_0800053313302525327.jpg?caw=800)
元々知らなければ、とても徳川家康が通った街道などとは
気づきますまい。
その先で県道301号を超えると舗装されていない道に
変わります。
![24](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/12/goldentrout/fd/d9/j/t02200147_0800053313302525329.jpg?caw=800)
かつてはこの先の部分、ほぼ廃道となっていた様ですが
現在では左右にソーラーパネルの発電所が設定されており、
未舗装ながらもとても歩きやすくなっています。
![25](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/12/goldentrout/b9/94/j/t02200147_0800053313302534585.jpg?caw=800)
未舗装になってから進むこと、ざっと300Mほどで国道409号に
突き当たります。
![26](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/12/goldentrout/2b/33/j/t02200147_0800053313302534587.jpg?caw=800)
国道には「東金市」の標識がありますね。この未舗装道の
後半部分は八街市と東金市の市境であった様です。
因みに「家康公が鷹狩りに行くから道を造成するように!」と
いう号令の下、急ピッチで作られた真っ直ぐな道はここまでで、
ここから東金御殿までは、元々存在していた古道を使って
いたのだそうです。
右折して国道に入りますが、国道に入って150Mほどは
それこそ歩道も路肩もなく、且つ国道で道が広いので
トラックを含めた車がすごいスピードで飛ばしており、
かなり怖い。
![27](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/12/goldentrout/e2/e3/j/t02200147_0800053313302534588.jpg?caw=800)
国道に入ってから150Mほど進むと、歩道が発生するので
一安心して先を急ぎます。歩道が発生してからおよそ
200Mほど先に、右にだけ曲がるT字交差点がありますが
その手前側の角にはかつて旅籠の「長南屋」があったそうです。
上述の東金御成街道のガイド本が書かれた2000年当時には
旅籠そのものではないにせよ、古めの建物が残っていた様ですが
今はかなり新しい建物が立っており面影は無い様です。
![28](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/12/goldentrout/1d/ea/j/t02200147_0800053313302534586.jpg?caw=800)
そのT字交差点を超えてすぐ先の右側にある家が
旧家らしく建物にもとても味があります。
![29](https://stat.ameba.jp/user_images/20150510/12/goldentrout/60/df/j/t02200147_0800053313302538809.jpg?caw=800)
威厳のある門構え、古くから残っているであろうお蔵など
街道筋ならではの旧家の風情ですね。
また長くなってきたのでここまでを(2)とし、(3)にて
続きをご紹介いたします。
2015年5月10日(日)