ラッセルアスレチックのタグの年代【チャンピオン好きのラッセル考察】番外編 | チャンピオンマニアの視点

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チャンピオンTシャツ、リバースウィーブを中心にマニアの視点で50~90年代まで幅広いアイテムの細部を詳しく解説していきます!また、チャンピオンの魅力をIVYに始まる東海岸のカルチャー、70sの西海岸カルチャーの中から当時の写真を交えながら迫っていきたいと思います!

謎が多いラッセルアスレチックですがタグも多く

 

いつまでがどのタグなのかイマイチはっきりしません。

 

それもこれもラッセルのTシャツやスウェットには年代が書いてあるものが少ないから。

 

そこで今回は60~80sまでのスウェットに限定して考察していきます。

 

ラッセルスウェットはこの時期が一番面白いので。

 

なにが面白いかというとコットンの配合の変化が一番大きい。

 

60s後半から80s初頭までで100%→38%まで急降下します。

 

ほんの10年程度で。

 

この変化はラッセルの歴史でも類を見ない変化です。

 

だから面白いのです。

 

それではいきます。

 

まず、このタグから(~1967、68年まで)サイズタグ前期

ラッセルのビンテージスウェットといえばこのタグって感じです。

 

おそらく60s後半まで使われていたタグ。

 

このころはCotton100%。

 

 

そして、次はこちら(1968年~71年)サイズタグ後期

ぱっと見は先ほどの一緒ですがCottonの配合が違います。

 

ではなぜこうなったのか?

 

これは60s後半でアメリカでは消防法の改正によりCotton100%の

 

スウェットが禁止となりました。なのでチャンピオンも67年から

 

リバースウィーブもコットン90%ポリ10%の配合になりました。

 

なのでラッセルも同様に配合を変えたと思われます。

 

なのでタグはおそらくですが67か68年頃から使われ始めたと思われます。

 

個人的には100%の頃よりこのタグの頃の方が好きです。

 

リバースのポリ単色のアンダーバー当時と同じくらい本当に質はいい。

 

 

そして、次がこちら(1972年) 金タグ最初期

縦長になったこちらのタグ。

 

コットンの配合は先ほどと同じですがタグだけ変更。

 

ではなぜタグだけ変更したのか?

 

これは憶測に過ぎませんが

 

この年はチャンピオンでいうと

 

リバースのタグは単色の最初期になります。

 

タグはサイズ表記のタタキタグから

 

社名を入れた単色タグに変更になりました。

 

なのでおそらくラッセルもタグに社名を入れる策を取ったと思います。

 

ラッセルのもっとも意識する競合といえばチャンピオンなので

 

この変化に敏感に反応するのは必然とも言えます。

 

ビンテージ好きならお分かりかと思いますが

 

このタグ、本当に見る機会が少ない。

 

なぜならおそらくですが1年未満で変更になってしまったから。

 

その理由は後程。

 

それと個人的にはラッセルではこのタグが一番好きです。

 

この年代も質も本当にいいです。

 

 

 

そして次がこちら(1972年中盤~1973年)金タグ初期

たったの1年でこちらのタグに変更。

 

ではなぜか?

 

それは1972年にアスレティックウェア部門の名称が

 

「ラッセル・サザン・カンパニー」から

 

「ラッセル・アスレティック」に変更されました。

 

おそらくそれを機に変更したのだと思います。

 

なのでこのタグの上のほうを見てもらうと分かりますが

 

「Russell Athletic」と表記されるようになったのでしょう。

 

このころもコットンの配合は一緒です。

 

しかし、こんな配合のものも存在します。

同様の金タグの初期ですがグレーボディーにはコットンの配合が75%に低下し、

 

ポリの配合が2.5%UPしてさらにレーヨンが配合される新しい配合になります。

 

これがラッセルの真骨頂。

 

グレーボディーのスウェットにレーヨンを配合したのはチャンピオンより先!

 

チャンピオンがレーヨンを配合するのは77年から。

 

つまり、それより4年も前ということになります。

 

これは大変興味深い。。。

 

また、ポリにレーヨンを配合さている点もチャンピオンとは異なりますが

 

個人的にはこの質感もとてもいいと思ってます。

 

 

 

そして、次のタグがこちら(1974年~1977年?)金タグ中期

こちらのタグに変更になります。

 

んん??金タグ初期と何も変更になってないじゃないかって思われるかもしれませんが

 

変わってます。それはRイーグルの下の社名です。

 

先ほどの金タグ初期は「RUSSELL MILLS INC.」でしたが

 

こちらは「RUSSELL CORP.」になってます。

 

これは1973年に「ラッセル・ミルズ」を現在の社名「ラッセル・コーポレーション」に変更したから。

 

金タグ初期がミルズ表記で中期がコーポ表記になります。

 

そして、コットンの配合も44%にまで低下。

 

さすがにコットンの配合が50%を切ってくると質の低下はぬぐえません。

 

これで、相当質感は落ちた気がします。

 

ここまで、社名変更を短期間に行ったのはお家騒動なのか?

 

経営悪化だったのか?と疑ってしまうくらい。

 

現場は相当混乱したと思いますし

 

そのような状況下ではいいモノづくりはできないとおもってしまいます。

 

 

そして、最後にこちらのタグ(1977年?~1982年)金タグ後期

こちらが金タグの後期がいつからなのかが微妙なんです。

 

なのでおそらくで1977年としてます。

 

このタグになるとコットンはもっと配合が低下して38%。

 

相当オンスも低い感じになってしまいます。

 

 

 

このようにラッセルのタグの変遷は社名変更に伴うものと

 

競合であるチャンピオンが背景にあるとおもいます。

 

また、それによってコットンの配合も大幅に変更になっていき

 

この10年程度の間で質の低下が著しかったです。

 

 

しかし、サイズタグ後期~金タグの初期までは

 

ラッセルの品質は一番よく

 

個人的にはラッセルの黄金期だったとも思っております。

 

それでは今回はこんなところで。