チャンピオンのTシャツに使われる文字(フォント)について | チャンピオンマニアの視点

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チャンピオンTシャツ、リバースウィーブを中心にマニアの視点で50~90年代まで幅広いアイテムの細部を詳しく解説していきます!また、チャンピオンの魅力をIVYに始まる東海岸のカルチャー、70sの西海岸カルチャーの中から当時の写真を交えながら迫っていきたいと思います!

今日はTシャツに使われているフォントについてお話したいと思います。


50s以降でチャンピオンTのプリントのフォントは下のようなものが多かったです。


このタイプはバータグ時代まではありますが80sにはほぼ消滅。


一番無骨に見えるオールドなフォントと言えるでしょう。






最も多いタイプのフォントがこちら。


これは本当に一番多い。


50s~80sまで息長く使われていました。






上の2つのフォントを合わせたタイプ。


これも雰囲気があっていい組み合わせです。


なぜかこのフォントがテレコになることはなく


必ず、組み合わせで使われてます。




また、1つ目のフォントをちょっと細くした


こちらのフォントも50sくらいから使われてます。




2つ目のフォントの細バージョンも同様に古くから使われており

個人的にはこの細いフォントは結構好きです。

 




また、こちらのフォントも古くからちょいちょい見かけるフォントですが


比較的少ないです。





そして、60sにはフォントは2つ目と同じですが縁取りありの2色や3色使いが出てきます。





60s中以降はこのようなものも多く出てきます。


立体フォントの2色使い



それから、1つ目のフォントではありますが


こんな遊び心もあるのが70sでは出てきます。


これなんかは70sの特徴ともいえるでしょう。



そして、もっとも70sを象徴するフォントはこちら。


このフォントはチャンピオンTではバータグ時代でしか見たことないです。


それもバータグの後期に。

時代背景、特に60s後半から70s初頭


当時はベトナム戦争の長期化からの戦費がかさみ


福祉等の国内予算が削られたことから反戦気運が高まり


学生運動と相まってアメリカの学生集会はとても多かった。


そんな反戦運動からLOVE&PEACE、自然や環境問題に対する関心。


70s初頭~中期はそれが映し出されていた時代で当時のキャンパスを取材していた


MEN’S CLUBのライターさん達、誰もがキャンパスは暗い雰囲気で


60s中期までの活気は一切感じられなかったと回顧録で語っています。


そんな時代からスポーツは見るものからするものへ変わっていき


ジョギングブームやテニスブームがやってくる。


その変化の中でも少しでも明るさを取り戻せるきっかけとしてアスレチックウェアのでも


POPなノリのフォントが誕生していったんじゃないかと思います。


なので70s後半、活気が戻ってきたキャンパスには当然このPOPなフォント必要なくなり


自然と姿を消していってしまったんじゃないかと思ってます。


話は長くなりましたが


このようにフォント1つからも当時のアメリカの匂いを感じられるので面白いです。




最後に


60s後半の学生運動の集会での1コマを。プロダクツタグでしょうね。