世の中の色々な OS のご先祖様になっている、信頼の Debian がようやく新バージョンとなり、ようやくリリース日を迎えることになりました。Debian11 bullseye です。Debian を常用マシンにしている極楽はぜは、お盆で忙しい中、他のことを放り出してすぐにインストールしてしまいました。さて、この肌寒い真夏のインストールはどうなったのでしょう。結果を簡単なメモにしました。メモ

 

本家サイトにこんな説明がありました。
「Debian は、他の多くのディストリビューションのシードおよびベースです。Ubuntu、Knoppix、PureOS、SteamOS、Tails などの最も人気のある Linux ディストリビューションの多くは、ベースとしてDebianを選択しています。Debianはすべてのツールを提供しているので、ソフトウェアパッケージを拡張できます」



今回のインストールは、推奨されているネットワークインストールを使用しました。これの特徴はダウンロードは速いが、インストールには時間がかかることです。

 

 

USB 焼きには、人気ナンバーワンの MXLinux の USB メーカーを使用しました。



では、焼けた USB を使用してインストールを始めます。実際にインストールしたのは軽量版の LXDE ですが、今回もこんなことをやっています。

1.  インストール
2.  日本語入力  

3.  簡単カスタマイズ

4.  おまけ

 

それでは始めていきます。


1.  インストール
焼いた USB から起動します。

 

a.  USB 起動
分かりやすい Graphical install から始めます。



b.  ランゲージ
下の方にある日本語を選択します。




c.  場所の選択
ロケールから日本を選択します。




d.  キーボードの選択
日本語キーボードを選択します。

 

e.  ネットワークの設定
有線と WiFi が検出されましたが、安定第一で有線を使用します。




f.  root パスワード
root パスワードを設定します。

これには設定しない方法もあります。その場合はマニュアルによりますと、「root パスワードを設定しなかった場合は sudo パッケージがインストールされ、システムで作成された最初のユーザーが root になるのに、sudo コマンドが使えます」と説明されています。




g.  user パスワード
パスワードには覚えやすくて少し長い文字列を設定します。以前は定期的な変更が推奨されていましたが、最近はそれほどでもないようですね。
 


h.  パーティショニング
今回もいつものようにマルチブートのため、手動を選択します。



i. ディスクの パーテーショニング
インストール先のパーテーションを選択し、内容を編集します。

・利用方法  :  ext4
・初期化  :  する
・マウントポイント  :  /



 
j.  ディスクへ書き込み
パーティショニングの設定が終了しましたので、パーテーションの設定を再確認し、ディスクへ書き込みます。

 

 

k.  ベースシステムのインストール
 ベースシステムをインストールしています。
 

 

l.  ミラーの選択
自宅に近いミラーを選択します。



m.  パッケージ利用調査
パッケージ利用調査への参加が求められていますが、不参加です。




n.  ソフトウエアの選択
デスクトップの選択ですが、今回は使い慣れた LXDE、デスクトップ環境、標準ユーティリティの3項目を選択しています。

 

o.  インストール中
 インストール中です。



p.  GRUB ブートローダ

GRUB ブートローダをインストールします。後で別 OS からインストールするのであれば不要です。

 



q.  完了
インストールが完了しました。USB を抜き、再起動します。



r.  完成
Debian11 bullseye インストールが完成しました。

 

 

それでは次に移ります。

 

2.  日本語入力
インストール後に最初にすることは、何はともあれ日本語入力を完成することです。このデフォルトは uim-mozc になっていますが、やや使いづらいのでいつもの fcitx-mozc へ変更します。

 
Debian のサイトにこんなことが書いてありました。「新しい Fcitx5 インプットメソッドは中国語、日本語、韓国語やその他の多くの言語のためのインプットメソッドです。buster に含まれ人気のある Fcitx4 の後継となります。新しいバージョンでは Wayland をサポートし、より優れたアドオンサポートを提供します」

そんな訳で、今回は Fcitx5 を使用した日本語入力にアタックしてみました。でも、そんなに大げさなものではありません。

 

a.  Fcitx5 をインストール

デフォルトでインストールされている uim-mozc を削除し、Synaptic で Fcitx5 をインストールします。これだけです。



b.  fcitx5 移行ウィザード
インストールが終了しますと、メニュー / 設定に「移行ウィザード」と「Fcitx5 設定」が出現します。

 

それでは fcitx5 移行ウィザードを実行します。

 

fcitx5 移行ウィザード


「すべての移行タスクが正常に完了しました」。しかし、極楽はぜには何が実行されたのか理解できていません。

 
 
c.  Fcitx5 設定

入力メソッドでキーボード日本語と Mozc を確認するだけです。

 

 

グローバルオプションで入力メソッドの切換方法等の確認をします。

 

 

暗中模索ながら、結局、fcitx5 をインストールするだけで fcitx4 からの移行は完了するようでした。

 

 

3.  簡単カスタマイズ

ここからは痒いところに手の届かない Debian を、少しだけでも使い勝手を良くしてみようというのが目的です。とは言っても、単に極楽はぜの好きなものの寄せ集めです。


a.  Debian Sources List Generator
b.  Grub Customizer
c.  SpaceFM
d.  gufw


サラッと始めていきます。

a.  Debian Sources List Generator
最初は、「Sources List Generator」です。これは、デフォルトのリポジトリへ「contrib」、「non-free」を追加することにより、多くのパッケージ資産を活用できるようにするものです。
 

 

 Sources List が簡単に作成できます。


 

出来上がったリストを / etc / apt / sources.list へ貼り付ければ終了です。これで、追加ドライバ等が入手出来るようになります。



b.  Grub Customizer
次は Debian では出来ない、ブーローダーとメニューリスト作成には便利なものです。が、BIOS 用で、UEFI にはリスト作成に利用できますが、GRUB のインストールは出来ません。synaptic から簡単にインストールできます。

 

 

メニューリスト作成は、起動するだけで自動的に作成されます。メニューの並替え、追加、削除、名前変更は簡単に出来ます。

 


デフォルトのブートエントリの変更、カーネルパラメータの編集もお手の物です。



テキストの色やスクリーンの背景画像の変更もワンタッチです。


 

c.  SpaceFM

Debian-LXDE のデフォルトのファイルマネージャーは、軽量な「PCManFM」ですが、極楽はぜはもっと使いやすいお気に入りの「SpaceFM」へ変更しています。

 

 

特徴はザッと言うとこんなところです。

 

・PCManFM のフォーク
・軽量で、細かい設定が可能
・ルート作業が簡単に出来る

 

Root Terminal、Root Window は一発で開くことが出来ます。ここが一番の便利ポイントです。

 


d.  gufw
毎晩 PC でサスペンスドラマばかり見ている極楽はぜは、Win10 よりは安全・安心な Linux を常用マシンにしていますが、よりセーフティーなブラウジングを目指してファイアウオールを追加設定しています。Synaptic からインストール出来ます。



 起動方法は Status をオンにするだけです。これで基本設定は自宅に設定済みとなります。


 
デフォルトの設定では自宅に設定されているプロファイルは、以下の3通りから選択できるようになっています。



 

とりあえずステイタスをオンにするだけで使用可能となるので、すごく便利に使えています。


4.  おまけ
この Debian は残念なことに、素っ気なくて、痒いところに手が届きません。その中の一つがバックアッブ ISO が作れないことです。そんなことなので、最近、簡単にバックアップ、クローン化する方法を模索していました。今まで試してみたことを2つ紹介します。

a.  Gparted を使用する方法

Gparted を使用する場合は、基本的にパーテーションをコピー、貼付けるだけです。

 

 

それでは、HDD から USB へコピーしてみます。注意点はただ一つ、パーテーションサイズがコピー先よりコピー元が小さい必要があります。もし、大きい場合は Gparted でリサイズします。

パーティションをコピーするには、最初にパーティションをアンマウントします。次に右クリックで選択します。

 


パーティションを貼り付けるには、コピー先を右クリック、貼り付けを 選択します 。作成例では、コピー元 HDD は 40GiB、コピー先 USB は 14GiB です。そのためコピー元 HDD をリサイズ、 14GiB 以下に縮小しています。

 

 

USB へコピーできましたので、別 PC の HDD の空きパーテーションへ貼付け、インストール、クローンを作成します。

 

 

HDD への貼付け後にすることは、ブートローダーのインストールと、fstab の swap-UUID の書き換えです。

 

ブートローダーのインストールは、上に出てきました  Grub Customizer を使用しています。起動、保存だけです。

 

 

次に現状の UUID を確認します。

# lsblk -f 

 

既存の fstab の swap 設定も確認します。違っていれば書き換えます。 

/etc/fstab

 

これでようやく USB を使用して別 PC へクローンを作成できました。最近の親切な OS では簡単にスナップショットが取れるのに、Debian は融通がきかないですね。

 

b.  Disks を使用する方法

詳しくは過去ログを見ていただければ嬉しいです。こちらは、イメージファイルを作成、インストールだけでクローンを作成できます。

 

 

ここまでの作業で、ようやくニューバージョンの Debian11 も使えるようになりましたので、いつものメモリ確認してみました。結果はビックリ、超軽量版に仕上がっていました。LXDE版はやはり省エネで持続可能なようです。


# free -h


ついでに HDD のサイズもチェックしてみました。これもやはり、超軽量版のサイズになっていました。これは antiX に肉薄しています。比較には、Libre Office を削除、Bleachbit でクリーニングしています。

# df -h


いつも思うことですが、Debian のネットワークインストールは、なかなか手間がかかります。今回はインストール途中でエラーも出ることなく、スムーズに進みましたが、前バージョンでは数回のやり直しは当たり前でした。

 

それでも、そんなことを回避する方法はあります。ライブ版を使用することです。これなら事前にお試しができ、インストール後はレスキュー USB としても活躍でき、モバイルにも重宝してくれます。便利なライブイメージを是非どうぞ。



近所のりんごの木は、あの猛暑から一転、信じられないほどの冷夏に戸惑っています。

 先程ラジオでやっていましたが、「都会で売られているりんごが、ピカピカに磨かれていることが話題になっていました。あれは人工のワックスをかけたものではなく、天然のブルームといわれるりんご自身が作り出しているワックス状の物質で、それだけで磨くとピカピカになるようです」

 

極楽はぜは、父母の眠る近所の霊園へ墓参に行ってきました。8月13日の盆の入に出かけたのですが、お墓の半分以上は前日にお参りが終わっていたようでした。コロナのせいか、大雨のせいか、皆さん状況をよく観察しているのが見て取れました。では、また。
 
ブルズアイお馬に乗って新登場