夢録
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4月1日

古びたホテルの一室にいた。
ベッドの脇のテレビからニュースが流れている。
各地でクーポン券を強奪する事件が多発していると…。
「クーポン券?」
続いて防犯カメラに犯行の様子が映っていましたと…。
画質の悪い映像が映し出される。
…商店街でおばさんが買い物かごを押さえている。
…男が買い物かごの中に手を突っ込んでいるのだ。
…やがて男が何か紙切れをつかみ取り走りさっていった。
画面が変わる。
…トラックが突進してくる。
…店先で急ブレーキ。
…年配の男が何かを叫び…その手に何か紙片を握っている。
…黒い影がトラックに体当たりして、その紙片を奪う。
なんだ。
この訳の分からない事件は。
ふと窓を見る。
ここがどこで、どんなホテルにいるのかわからない。
とりあえず窓から外の景色を眺める。
見覚えがない。
窓を開け下を覗いた。
ここは4・5階当たりの高さだろうか。
窓の下をセーラー服の学生…女子高生か…が歩いていた。
何かを拾う。
紙片状の…
トラックが突進してくる。
女子高生が居るの事が見えない様な突進。
ブレーキもかけない。
慌てて女子高生転がる様に脇へ逃げる。
はずみで手放したか?拾った紙片が宙を舞う。
トラックの窓から腕が延び、その紙片を掴む。
なんだ。
この訳の分からない光景は。
とりあえず外に出よう。
ホテルの部屋を出る。
薄暗い廊下。
人影もない。
部屋のすぐ正面にエレベーターが…。
ボタンを押すが反応がない。
下向きボタンを押しても点灯しない。
動き出す音も聞こえない。
もう一度試すが…反応はない。
壊れているのか?
数歩先に階段が見える。
階段を降りる事にした。
1階降りると真っ暗だ。
灯も窓もない。
手すりに捕まり、手探りで降りる。
ゆっくり降り続ける。
4・5階だったはずだから、そろそろ1階か…。
階段の一番下まで降りた。
廊下を左手に進むと薄暗いが蛍光灯が光ってる。
ようやく階段の様子がわかる。
床一面、真っ赤だった。
所々、黒い塊が見える。
覗き込むと犬だった。
赤黒く汚れた犬の死体。
いくつも塊が転がっていた。
その塊は、全部犬の死体だった。
ここはヤバい。
引き返そう。
ここが出口に続くとは限らない。
廊下の反対側…階段を下りて右側にも出口があるかもしれない。
引き返す。
階段まで戻る。
だが階段の反対側の…右側の廊下は
数歩行き止まりだった。
だめか。
やはりえあそこを進むしか…
と思ったら上の階から光が差してくる。
さっきはどの階も真っ暗だったのに。
とりあえず、上の階へ行ってみよう。
階段を上へ階へ上ると、徐々に明るくなってきた。
上の階の廊下は昼間の様に明るい。
と、一人の男が現れた。
逆光なので顔は良く見えない。
その男は階段を下りてくる。
そうだ。
この人にここは何処か?出口は何処か聞いてみよう。
声を掛けようと顔を上げる。
…。
薄暗いのでハッキリとは分からないけれど
さっきの防犯カメラに映った男の顔に似ている。
似てるだけ?
いや。
声をかけるのは不味い気がする。
男は右手にカッターナイフを持っていた。
その手はなんだか赤黒く…。
まさか下の廊下の犬は…?
やりすごそう。
何も見てない、何も知らないふりしてすれ違おう。
階段の隅により、すれ違う。
よし。
あと1段で登りきる…と、足が動かなくなった。
慌てふためいて手をついて倒れこんでしまう。
すれ違って数段下まで降りた男が振り向いた。
やっぱり、防犯カメラに映った男だ。
男はゆっくり階段を上り私を助け出す様に
手を差し伸べる。
手を差し伸べるのだが、その手にはカッターナイフを持っていた。
刃がギリギリギリと伸びてくる。
そして、振り絞る様な声で唸った
「クーポンを出せ!」

何度か見た夢


兵士になっていた。
 
暗闇の中

泥の中を匍匐前進する。
 
暗闇は

泥を真っ黒なコールタールの様な色にさせる。
  
視感。
 
前にも経験が…?
 
それとも夢?

泥にまみれて匍匐前進する。
 
前方にも後ろにも
 
同じように泥まみれの兵士が匍匐している…。
 
泥の中は泥だけではない。
 
何かの塊が…
 
右側の足が見える。
 
足だけが見える。
 
その横を匍匐前進する。
 
これは夢か?
 
そういえば、何も音が聞こえない。
 
左側に泥にまみれた兵士が…。
 
動かない…いや、動いた。
 
生きている。
 
すれ違いざま、彼はこちらを見て笑った。
 
笑った様に見えた。
 
でも顔は暗く…黒く…
 
誰なのかもわからない。
 
ほんとうに笑ったのかもわからない。
 
静寂の中、突然音が響き渡った。
 
金属が擦れる音。
 
キャタピラ音。
 
戦車?
 
適の戦車? それとも味方?
 
私は兵士…。
 
ここは戦場?
 
キャタピラ音が近づいてきた。
 
金属音が轟音に変わる。
 
重圧が私の横を疾走する。
 
戦車か!
 
再び静寂。
 
何も聞こえない。
 
コールタールの様な
 
真っ黒な泥の中。
 
隣の兵士は?
 
消えていた…。
 
泥の中に消えていた。
 
既視感。
 
ここは戦場?
 
いや、夢か?
 
強い既視感。
 
そうだ。ここは夢の中。
 
目覚めるまで匍匐前進を続けるのだろう。
 
闇の中へ…再び右ひじを突き出した。

 

 

 

 

6月12日

暗い闇の中の街を歩いていた。


ネオンも街灯も無い、真っ暗な夜の道。


ここは何処だろう?


また夢の中か…


微かに人影が揺れる。


その人影に声を掛けてみた。


「すみません…お尋ねします。ここは何処ですか?」


影はゆらゆらしながら答えた。


「ここは…夢の中…。」


あぁ…やっぱり。


すると突然、闇が消え一面の白。


白と…灰色。


微かな影の加減で畦道の様な細い道に突っ立っている事が理解できた。


人影はない。


遠くを見ても…白と…灰色。


微かに読み取れる…延々と続く畦道。


これも夢か。


畦道をゆっくりと歩き始めた。




今朝の目覚め… AM05:38

6月1日

突然、誰かに突き飛ばされた様だった。


背中の上に何かがのしかかる。


もがきながら逃げ出す。


仰向けになったところで、さらに抑え込まれた。


何に?


何かだ。


何かはわからない。


見えない何か。


ぐいぐいと抑え込まれる。


動けない。

視界に人の影が現れた。

ただ黒い…影の様な大きな人。


足を振り上げ…

私の胸に落とす。


もう一度振り上げ…

落とす。


落とす。


落とす。


落とす。


苦しい。

息が出来ない。


今度は足を胸の上に置いたまま…

そのまま踏みつける。


踏みつける。


踏みつける。


踏みつける。


踏みつける。


心臓が破裂しそうだ。


苦しい。


何かが  はじけた。




今日の目覚め… AM04:20

数日前の夢

薄暗い…どこかの森の中。
私は倒れていた。

倒れていたというより
窪みの中に落ちていた。

声がする。

「…生きてるかぁ…。」

誰かが私を…助けようとしてくれているのか?

「…生きてるかぁ…。」

「…生きてるかぁ…。」

「…生きてるかぁ…。」

複数の男の声がする。

「生きてるよ…。」

と返事をしようとしたが声が出ない。

声が出ないどころか体も動かない。

ドサッ。

と、何かが落ちてきた。

人だ。

私の隣に落ちたようだが動かない。

「…生きてるかぁ…。」

「…生きてるかぁ…。」

また、声がする。

ドサッ。

と、何かが落ちてきた。

人だ。

「…生きてるかぁ…。」

また、声がする。

ドサッ。

と、また人が落ちてきた。




薄暗い部屋の中で目が覚めた。

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