夢録 -3ページ目

前に見た夢・・・冬

目覚めたら病院のベッドの上だった。


「目が覚めましたか?」

と誰かの声。

見上げると看護婦さん。


「あ…おはようございます。」

と起き上がる。

ん?倒れた?入院?…記憶がない。


「に…入院してたんですよね。」

と聞いてみる。

「そうですよ。」

と返事。


「どれくらい?」

「え~と…1ヶ月くらいかな?」


えっ?そんなに?全然、覚えてない。


「私…ずっと意識なかったんですか?」

「意識はありましたよ。昏睡してたのは最初の3日間くらいで。」


え…っ?全然、覚えてない。

でもまぁ、以前倒れた時も、最初の一週間はそんな感じみたおだったし。

1ヶ月は長いけど、なんとか受け入れた。


「どうして入院したんですか?」

「覚えてない?…みたいだよね。事故ですよ。交通事故。」

「跳ねられた?」

「えぇ。大変でしたよ~っ。」


ふと違和感を感じる。

顔に包帯を巻いていた。


「顔…怪我してる。」

「えぇ。何度も手術したんですよ。」

「え~っ?まさかぐしゃぐしゃとか!?」

「ぐしゃぐしゃじゃないですよ~結構、大変でしたけど。」


…。


「どんな状態?これ、とっていい?」

と顔の包帯をなでる。

「いいですよ。…びっくりしないでくださいね~。」

看護婦さんが顔に手を触れる。

あっという間に包帯は外れた。


壁に掛かった鏡を見る。


…。


「びっくり。」


なんか…顔が半分…左半分がずれていた。


「ずれて…る…よね?」

「これでも随分、良くなったんですよ。」

「はぁ?」


これより酷い顔を想像してみる。

想像つかない。


鏡に右側だけ写し横目で除く。

よく見慣れた顔。

反対側を写し横目で見る。

同じ顔だけど…どこか歪な顔。


うむ…。


「事故は酷かったんですか?」

「えぇ。…それは…もぅ。」


うむ…。


こんな顔…こんな顔じゃぁ、人前に出られない。

死んだ方がましだった!

…と、考えるか?


九死に一生を得たんだ。

命あるだけましさ!

…と、思うか?


うむ…。


まぁ、どうせこんな人生だし。

顔の綺麗不味いなんて然程影響ないか…。

半分顔がまともなだけ、儲っけもの…てか。


なんて開き直ったところで目が覚めた。


自宅。自分の部屋。自分の布団の中。

未だ薄暗い。

体を起こし鏡をのぞきこむ。

右見て。

左見て。

うん。夢だった。







3月12日

ふと劇場が目に留まった。

なんだか薄暗い寂れた劇場。

「〇〇〇〇公演中」と書いてあるが…暗くてよく読めない。

見たいと思うはずもないのに何故だかチケット売り場まで来てしまった。


「…一枚下さい」

見たいと思うはずもないのに何故だかチケットを買ってしまった。



劇場のドアをくぐるとタキシードを着た中年男がにこやかに出迎えた。

「チケットを拝見します。」

チケットを渡した。


「あぁ、これ午前の部のチケットですね。もう終わってしまいますが…」

とタキシード男。

「え?今、入り口で買ったんですが…なら、そう言ってくれればいいのに。」

と軽く抗議。


「いえいえ、大丈夫です。このチケットで午後の部も見られますから。」

タキシード男はにこやかに答えた。

「午前の部が終わったらすぐ午後の部が始まりますから…あ、もう今、午前の部が終わるところです。

どうぞ、中に入って…」

と促された。


さらに薄暗い客席へ入る…まばらな人影。

舞台の上も…これまた薄暗い。

なんだか黒い霧が立ち込めている様だ。

正面に大きな門。

黒く重たそうな扉。

その脇に背の高い黒いフードの男。

その男に跪く人々。


「さぁ!面を上げよ。」

フードの男が声を上げる。

「今ここに ***の門が開かれる!この門の先には栄光がある!」

少し聞き取りにくかったが、栄光があると言ったとたん、門の扉が開いていた。

門の奥から眩いばかりの光。

門から光が射し込んでいるはずなのに舞台は暗いままだ。

門の奥から、これまた長身の黒ずくめの男が二人でてきた。

男たちの周りから黒い霧の様なものが立ち込める。

門の両脇に立つ。


「さぁ!進め!栄光の国へ!」

フードの男の声で跪いていた人々は立ち上がり門へと歩いていく。

全員が門の奥へと消えた。


フードの男が舞台の中央へ…そして客席に向かって

「さぁ、皆さんもご一緒に…」

観客がそろそろと立ち上がりだした。

そのままふらふらと舞台へあがっていく。

やがて観客は皆、門の中へと消えていった。

客席には私一人。


フードの男が私に向かって手招きする。

私はかぶりを振る 。

「どうぞ、怖がらないで…。」

「いや、私は今来たばかりなので…このまま午後の部を見ます。」

フードの男は悲しそうな顔をして一礼した。

そして彼も門へと向かう。


「行かなくていいんですか?」

背後から声。

いつの間にかタキシードの男が立っていた。

「ええ。午後の部からしっかり楽しみたいので。」

「…そうですか。」

タキシードの男も悲しそうに、そして

「あの門は毎回開く訳ではないのですよ。」


そしてガチャリと舞台で大きな音が響いた。

舞台を見ると門の扉が閉じられていた。

フードの男もいない。


「…が閉じてしまった」

タキシードの男が小さくつぶやいた。

言葉の最初の一言がよく聞こえなかったが、唇がジゴクと動いた様に見えた。


「午後の部は何時から始まりますか?」

と私は尋ねる。

「あっ。ええと、すぐです。今から午後の部の客が入ってきますので…集まったらすぐ。」

「じゃぁ、先にトイレに行ってきますね。」


私はトイレへ向かうふりをして劇場の外へ出た。


目が覚めた。



AM04:22

















10月28日

空中回廊に立ち止まり、窓の外を眺めていた。

ベージュ色?…もっと淡い…生成色とでもいうのだろうか?

ほぼ単色の景色であった。

街らしき建物も見えるが霞んでよく見えない。

人の姿も見えない。

それよりも巨大な立方体(これも生成色)の塊が視界をふさぐ様に転がっているっことに違和感を感じる。


しばらく眺めていると、一人の年配の男が近づいて来た。

どこかで会ったような…初見の様な…白髪交じりの背の高い男。

白衣を着ている様だ。


私に諭すように呟く。

「あきらめなさい。」


なに?

意味がよく分からない。

男は覗き込む様にゆっくりと

「もう戻れない。」

と口元だけで笑った。


そして、付いてこいと言わんばかりに視線を右手の廊下の向こうへ振り、

そちらへ歩いて行った。


どうしよう?

ついて行こうか?

それとも…




いったん目覚め AM1:00




どこか広い部屋で誰かと話していたはずだったが、目覚めた瞬間、記憶も消えてしまった。

次の目覚め AM 4:30











前に見た夢・・・春

暗闇の中、吊橋を渡っていた。

大勢で…大勢だと思う。多分。


真っ暗で、目の前の男の背中しか見えない。

なんとなく、その男の前にも人が一列に並んで橋を渡っている様な気配がする。

吊橋は一人が渡れる程度。

両側のロープを掴みつつ揺れながら渡る。

その左右のロープの外側にもロープが張られ、人の指らしきものが辛うじて見える。


吊橋は何本も張られているのだ。

微かな足音と軋み、気配を感じる。


足元は暗いが板が張られているのは解る。

その下は何も見えない。

川か?谷か?…わからない。


ただ、吊橋を渡っていた。

大勢の人間が、ただもくもくと吊橋を渡っていた。


不意に目の前の男が立ち止まる。

おっと!

つんのめりそうになる。


次の瞬間、男が消えた。

!

消えたのではない。

落ちた。

まっすぐ下へ落下したのだ。


足元を見ると…ただの暗闇。

 

板が張られていなかった。

私の足の下の一枚より先に板は無かった。

そこから男は落ちたのだ。


不意に背中を押された。

後ろの男に押されたのだ。


私の体は前傾し…一歩前に足を踏み出した。

もちろん、足先は何も触れなかった。

体が落下するのを感じた。

左右の橋の男も同様に落ちていた。

宙を仰ぐ手を感じたが、やがてそれも見えなくなった。




5月16日

地下鉄に乗っていた。
冒頭から地下鉄ハイジャックに遭遇していた。
銃を構えた黒覆面の男達が「全員、立て!手を頭の上で組め!」と命令する。
そして2列に並ばされた。
走行中の右側のドアが開く。
「政府は我々の要求を拒んだ。お前達はここから飛び降りてもらう。」
と言うが早いか先頭の右側の男を開いたドアから外へ突き飛ばした。
左側の女も別の黒覆面の男がドア側へ押し出した。
「いやっ!」という叫び声と「やめろ!」と誰かの怒鳴り声。

黒覆面の男こちらを睨んだ。
「誰だ?…お前か?…お前だな?」
銃口が私の方に向けられた。
ち、違う。私じゃない。…やめろとは思ったけど声に出していないはず。
いや、先ほどから声が出ないのだ。
そう。今この時点でも「私じゃない」という言葉さえ出していない。

「まぁ、良い。」
黒覆面の男は微かに笑った様だった。
「我々も全員を殺しはしない。…半分…そう、半分だけだ。」
とりあえず銃口は下ろされた。
「死にのは…お前達自身で選んでもらう。
皆で、あっち向いてホイをしてもらう。負けた奴が…」
と、銃でドアの外を指した。
「まずはこのお嬢さんと…」
先ほどの女の肩を掴む。
「そして、お前だ。」
やはり銃口はこちらに向けられていた。

女と正面を向き合わされた。
「えっ?」
今まで気が付かなかったが、彼女は知り合いだった。
Mさんだ。
「M…さん?」
と、声にならないので口パク。
Mさんも声が出ないのか口だけパクパクと動かしている。
いや、微かだが小さく声は出ている様だ。
え?…何?…何て言ったの?
「早くしろ!」
と黒覆面の男の怒鳴り声でMさんの声は聞こえない。

Mさんはそっと手を伸ばし私を指差した。
「こ、この人…」
と、言った様な気がしたが、よく聞き取れない。
その指は次に黒覆面の男へと向けられた。
「ほ…ほ…ら…」
私も視線も黒覆面の男に向けられた。

男はニヤリと笑った。
「お前の負けだ。」
私は思いっきり突き飛ばされた。



            目覚め…     AM03:45頃