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アメブロはサブブログで、FC2がメインブログです(ブログ名は同じ)。インド・チェンナイ関連記事は80%ほどはアメブロにもコピペ投稿していますが(FC2の方がカテゴリ分類が細かく検索しやすい)、乳がん&乳房再建関連の過去記事は主な投稿しかこちらにコピペ投稿していません。(詳しくはこちら目次を)。コメントはFC2からお願いします。宜しくお願いします。

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早速だが、セミナー録シリーズの続きを。

1回目、2回目の記事に掲載した内容以外は、正直に言うと、乳がん手術から7年ちょっと、インプラント手術から6年数ヶ月の私にとっては、「そうだよね。そうなるよね」「確かに、実感レベルとして分かります」といった復習的な内容が殆どだった。つまり、既にこのブログ記事に書いてきた内容だ。

なので、前回の3回目からは、乳房再建の知識がそれなりに深まり、情報と自分の体験を総合的に理解でき、さらに乳房再建を客観的に捉えることができる立場の私が、「やっぱりこれが重要だよね!」と感じたことを中心に書いています。ただこれは、乳房再建に関する環境が整っている東京などの大都市を前提とした内容になるので、それを考慮した上で参考にして下さいね。

まずはセミナー概要から

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◆投稿済みシリーズ記事
-リコール対象のシリコンバッグに起因する悪性リンパ腫の一種・BIA-ALCLとは? ~セミナー録①~
-シリコンバッグの最新動向~セミナー録②~
-セミナー録、一部加筆修正のお知らせ

-自分で知り、自分で決める乳房再建~セミナー録③~+近況報告

◆参加セミナー
E-BeC特別セミナー「~乳房再建手術、その最新動向~自分で知り、自分で決める乳房再建」(東京・四谷開催)

◆講演者(講演順)
ー三井記念病院・形成再建外科の棚倉先生
ー東京医科大学病院・形成外科の小宮先生
*棚倉先生はがん研有明病院で、小宮先生はブレストサージャリークリニックで、乳房再建に長年にわたり常勤・非常勤で携わっておられる。この2つの施設は、乳房再建症例数が物凄く多い日本を代表する施設。
ー聖路加国際病院、ブレストセンター長・乳腺外科部長の山内先生

◆留意事項
私の解釈理解に基づいている上、メモの正確性に欠けるので、間違っている可能性が高い。それを前提に参考にして下さいね。

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再建乳房の出来(形・美しさ)は、乳がん手術で残された皮膚・皮下組織の量、体形、健側の乳房の大きさ・形に大きく影響を受ける

このブログを始める1つのきっかけになった事項を書いている2013年9月9日投稿記事「投稿記事癌根治 VS 再建(乳房の整容性):一期再建手術直後、傷口の治りが悪くなる原因、*記事内に一部リンク切れあり」。2012・13年当時は、乳房再建に関する公開情報が少なく、乳房再建を前提にした乳がん手術という考え方も今ほどは進んでいなかったので、私は、上記リンク記事内容を自分が当事者になって初めて理解した。

今回のセミナーでは、症例写真を見ながら、「こういった場合は、再建乳房はこういった感じになる」といった説明がケース別になされた。私は、自身の実感としても、再建仲間の様々な再建乳房を見せてもらった経験からも、とても良く分かった。が、「これから乳がん手術を受けられる方や今まさに乳房再建を検討している方はどの程度理解できたかな?」とも思った。講師の先生の説明はとても分かりやすかったが、実感として納得して理解できるには時間がかかると私は感じているので、そのように思った。


インプラント再建の場合の私の理解をベースにしたポイントは...

●シリコンバッグを「フカフカで柔らかく、ある程度の厚みがあるモノで包む場合」と「硬くて薄いモノで包む場合」をイメージして比較すると分かりやすい。前者は、シリコンバッグを覆い包みやすく、シリコンバッグの形を隠し好きな形を作りやすいが、後者は、薄くて硬いのでシリコンバッグ自体の形が表に出やすく、好きな形を作りづらい。

●乳がん手術で残された皮膚・皮下組織が多い場合は、フカフカで柔らかくある程度の厚みがあるモノでシリコンバッグを包むイメージ。乳がん手術で残された皮膚・皮下組織が少ない場合は、硬くて薄いモノでシリコンバッグ包むイメージ。

●乳がん手術で残せる皮膚・皮下組織の量は、病変(癌)の大きさや位置、乳腺外科医の方針による。

●今回リコール対象になったアラガン社のエキスパンダー及びシリコンバッグの保険適用を受け、乳腺外科医と形成外科医のコミュニケーションが進み、私が再建をした頃に比べれば「乳房再建を行う場合は、乳がん手術でなるべく皮膚・皮下組織を残す」ようになっていると理解している。が、忘れてはいけないのは、「乳がん根治のための手術」ということ。なので、癌の位置によっては、乳がん手術時に残せる皮膚・皮下組織には限界がある。つまり、自然で綺麗な形状に乳房を再建できる人もいれば、それが難しい人もいる。

●癌・病変の位置・大きさだけでなく、患者の体型・体質や健側の乳房の大きさ・形状にも影響を受ける。インプラント再建の場合は、鎖骨下のデコルテ部分をシリコンバッグで埋められない。リコールとなったしずく型(アナトミカル型)でも埋められない。ラウンド型だとさらに埋められないと思う。なので、デコルテ部分に皮下組織・脂肪が多く残っていると自然な乳房(健側の形状に似た乳房)を作りやすい。乳房が大きく垂れていても、デコルテ部分に皮下組織・脂肪が十分に残っていれば自然な乳房を再建できる。一方、小さめの乳房で垂れていなくても、細い体型でデコルテの部分に脂肪が少ないと、どうしてもシリコンバッグの形が表面に出てくる。つまり、「ここからシリコンバッグが入っているよね」とシリコンバッグの境界線が外から分かってしまう。症例写真を見るとよく分かる。



インプラント再建の場合は、健側の修正も視野に

講師の先生はサラッと触れられていたが、健側と同じような形状の乳房再建をラウンド型シリコンバッグを使用したインプラントで望むなら、健側の修正も視野に入れる必要がある時代になってきたように思えた。

「日本人は乳房再建時に健側の修正を望まない人が多い。このことは、しずく型(アナトミカル型)シリコンバッグが主流になった1つの大きな要因」と以前に何度かこのブログに書いた。そのアナトミカル型がリコールになり、今後はラウンド型シリコンバッグでのインプラント再建が主流になる。つまり、上述したように、様々な条件が整わない限り、デコルテの部分は埋まらず健側と同じような自然な乳房は再建しづらくなる。「デコルテが埋まらなくても良し!とする」「インプラント+脂肪注入にする」「自家組織を検討する」に加え、「健側の修正をする」も視野に入れる必要があるかな?と私は思った。後日触れるが、脂肪注入は時間も費用もそれなりにかかる(保険適用外)。



放射線治療を受けた場合は、インプラント再建の難度は上がる

放射線治療を受けると、どうしても皮膚が硬くなる(皮膚の状態が悪くなる)。皮膚の状態が悪くなればなるほど、インプラント再建の難度は上がる。ただ、皮膚の状態には個人差が大きい。なので、患者は再建に関する自身の希望を形成外科医に伝えた上で、形成外科医と相談することが必要。



乳腺外科医・形成外科医・患者はワンチームで!

今年の流行語大賞「ワンチーム」がこのセミナーでも聞かれた。ワンチームが重要!と繰り返された。その内容は

●患者は、自身と向き合い、置かれている状況を勘案し、「再建できる可能性があるならば再建したいか・否か」「再建を希望するならば、再建したい理由(子供に全摘の胸を見せたくな/趣味を楽しみたい、など)」「再建にかけられる時間・費用」など自身の希望を医師に伝える。乳腺外科医と形成外科医は、患者の癌根治治療を前提とした上で、患者の希望を勘案し、患者に対いて可能な再建方法の提案を行う。ワンチームでコミュニケーションを図り、患者も医師も納得した上で再建に関する方針を決める

私自身の経験から言うと、患者が希望を明確に医師に伝えるとワンチームが作りやすくなるかな?と思う。



将来ではなく、今を考える!

講師の先生のお話の行間から私が勝手に解釈した内容。私が乳房再建方法を検討していた6年半ほど前に、同じ病院の再建の先輩方が主催する乳房再建者の集まり(現在はない)に参加した。主催者側の先輩方は当時で乳房再建から3~7年の方々。経験談を聞かせてもらう側の参加者の一人が「シリコンバッグだと10年後は......」といった将来の不安に基づく質問をした。その時に主催者側の方が「我々は乳がんサバイバー。10年後も今の状態が続くと信じているが、何が起こるか分からないという厳しい現実もある。なので、まずは今、または今後3年をどうしたいかを考え、それを基に決めていった方がいい」と返答され、私はそれを聞きながら「その通り!」と思ったことを鮮明に覚えている。

「もし、シリコンバッグを入れ替えなければならない状況になることもあるから、それを考えると、乳輪乳頭は再建しない方が無難ですよね?」といったような質問がよくある。


【参考】
冒頭の過去記事内のビデオ「アピタル乳がん夜間学級の第6回目の授業、第6回目の授業、医療法人社団ブレストサージャリークリニック 院長 岩平佳子 先生による乳房の再建について」。


今日のオマケは、丸の内の丸ビルの皇居側はまだラグビームードだよ~ん、その2「羽生結弦選手とラグビー」。羽生選手、昨日は疲れを感じる演技でしたね。



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