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今日は、前回の投稿で触れた海外赴任前健康診断で思い出した「予防接種」について書いてみたいと思う。
予防接種と言えばインフルエンザ予防接種が一番身近だ。私は、インフルエンザ予防接種ですら、乳がんに罹る数年前に初めて受けた(多分)。仕事が忙しくて病院に行く暇がなかったり、病院に行った方がインフルエンザがうつりそうに思ったりして接種しなかった。特別な理由はない。それでも、今までインフルエンザに罹ったことはない。職場でインフルエンザが流行していた時も免れてきた。ラッキーなだけだと思うが。
インフルエンザ予防接種を受けた定かな記憶があるのは、認知症義母の介護が一番大変だった時と乳がん手術前だ。乳がん手術は12月の頭で、その時も認知症義母の介護中。「ここでインフルエンザに罹って手術が延期になったら洒落にならない!」と予防接種を受けた。インフルエンザ予防接種のワクチンは、毎年、流行に合わせて種類が変わるが、私は接種後は常に腕が腫れた。広範囲の腫れがなかなか引かなかったこともある。
話が変わり海外渡航前予防接種。厚生労働省が渡航先別に接種を推奨するワクチンを目安として定めており、それを基に接種を勧める企業が多いと理解している(企業派遣の場合)。費用は一般的に会社負担。「必ず接種してください」「接種した場合は費用を請求して下さい」などと、企業によってトーンが異なるが、インド赴任の場合は「必ず渡航前に予防接種を受けて下さい」と指導する企業が思う。特に、昨今はご時勢柄。
私の場合は、海外渡航前予防接種を初めて受けたの中国広州に行く前。2000年代半ばだ。それ以前に、オーストラリア・香港・マレーシアに住んでいるが、夫婦ともに海外渡航前予防接種は受けていない。夫婦ともに多忙でついつい....で、接種しなかった理由は特にない。
中国広州に転居する前は、夫の会社からは「必ず」の要請はなかったものの、広州にはSARSのイメージがあり、予防接種が受けられるクリニックに足が向いた。初診で接種スケジュールが提示され、「えー!こんなに沢山の種類の接種が必要なの?こんなに時間がかかるの?こんなに通わなければならないの?」と驚き、退職・海外引越前で多忙だったため少し後悔もした。
接種前には副反応に対する同意書へのサイン。「こんなにも多くの副反応の可能性があるのか......重篤なものもあるし.....」と少し恐ろしくなったが、スケジュール通り接種。狂犬病ワクチンがズシッと重く痛かったことが印象に残っている。幸いにも私は副反応はなかったが、ワクチン接種後1時間はクリニックに滞在するよう指導された。副反応の有無を確認するためだった。1時間後に気分・体調に変化がなければ帰宅が許された。因みに、インフルエンザの予防接種も、私が受けたクリニックでは接種後15分ほどクリニックに滞在するよう指導された。
「予防接種」という言葉から接種による副反応リスクがイメージしづらいが、予防接種は病原体から作られたワクチンを体内に入れるワクチン接種を意味する。また、どんな薬剤にも必ず副反応がある。なので、海外渡航前予防接種は、「ワクチン接種による副反応リスク」と「ワクチン接種をしないことにより、赴任先で重い病に罹るリスク」を天秤にかけることになる、と私は理解している。ただ、国によっては、また条件によっては、ビザの発給や入国の条件にその国が指定するワクチン接種が入っている場合があるが。
広州から帰国して暫くして乳がんが発覚。乳がんや乳房再建に伴う検査や手術で、麻酔やある種の薬剤に対しては私の身体は敏感だったり、アレルギー反応を示すことが分かった。「薬物の統計的数値は参考程度。個々人の確率は、薬物が効く・効かない、副反応がある・ない、などの50%」と痛感した。現に、統計的には数パーセントしか起こらない副反応に私自身が入ったこともある。そして、薬剤に対する反応は、体調や血行の良し悪しでも変わることも実感した。
インドへの赴任。夫の会社からは、ご時勢柄か今回は予防接種を「必ず」受けるよう言われた。「もし、本人が副反応のリスクを取りたくなくて、ワクチン接種をせずに現地で罹るリスクを取りたい場合、本人の意思に反して接種し、副反応が出た場合は企業はどうするんだろう?」とふと思った。副反応が出る人は少ないかもしれないが、海外渡航前予防接種で重篤な副反応が出た人の話は聞いたことがある。
そんな想いを抱えながら、ワクチン接種手帳(広州に行く前に接種を受けクリニックで貰った)を持参し、福岡の海外渡航前予防接種が受けられるクリニックへ。医師に「私は乳がん罹患後、XXといった薬物にアレルギー反応が出ているからワクチンへの副反応が気になる。10年前に打ったワクチンはもう効き目がないのか?」と訊ねた。医師は一般見解を述べた上で、「10年経つと効力が失われているとされているが、実際には、XXについては、2度ワクチンを打った人がその後に発病した症例報告はない......」といったことを教えてくれた。「追跡しているわけではないし、正確なところは不明だな。自己判断だな」と私は思った。結局、私は「インドで一番感染リスクが高く、食事でも感染するA型肝炎の3回目(2回の接種は10年前の広州に行く前)を接種した。後は必要に応じて現地で接種することにした。
ワクチンの種類に、海外からの輸入ワクチンが加わっていた。私の記憶が正しければ、広州赴任前は海外輸入ワクチンはなかったような....。「A型肝炎ワクチンは、国産ワクチンだと2回接種しないと抗体ができないが、輸入ワクチンだと1回で抗体が出来る」といった説明がされた。その説明を受け、夫は輸入ワクチン1回接種(夫は初めての接種)、私は10年前に国産ワクチンを2回接種していたので国産ワクチンを1回接種。1年後の健康診断で、私は抗体が出来ていたが、夫は抗体が出来ていなかった。
国産ワクチンは国内承認済みワクチンで、輸入ワクチンは国内未承認だが海外で多く使われているワクチンだと理解している(要確認)。副反応が起こった場合、国産ワクチンは国の救済処置・保証が受けられるが、輸入ワクチンはそれらは適用外。製薬会社などの救済があるような説明は読んだが定かではない。
海外に住む、簡単ではない、と毎回思う....。
今日のオマケは私の本帰国直後に開業した東京ミッドタウン日比谷にある東京オリンピックのマスコット、オフィシャル・ショップ。このマスコット、好きになれない....。これにより日比谷シャンテあたりが変わったな....。
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