NO2濃度全局クリア 池上、40年目で初川崎市
川崎市は15日、2013年度に測定した二酸化窒素(NO2)濃度の数値(速報値)が、初めて市内の全18測定局で国の環境基準を達成したと発表した。これまで未達成だった池上測定局(同市川崎区)は、1974年度の測定開始以降、初の基準クリア。高度成長期で京浜臨海部の中核を担い「公害の街」のイメージ払拭(ふっしょく)に努めてきた同市が、一つの節目を迎えた。 この日発表された速報値で池上局は、国の環境基準(1時間値の1日平均値が0・04~0・06ppm)を下回る0・058ppmまで改善した。基準達成について同市は、首都圏9都県市で取り組んだディーゼル車の排出規制や、家庭でも最新のエコカーへの買い替えが進んだことなどが要因と分析している。 福田紀彦市長は「環境都市・川崎のスタートを象徴する画期的な成果」などとコメント。市は5月からトラックの買い替え助成に乗り出すほか、池上局周辺に低公害バスや小型ハイブリッドごみ収集車を優先的に運行させるなど、引き続き環境改善に努めていく。 池上局周辺は京浜臨海部の工場地帯で、産業道路の上には首都高速道路横羽線が走る。同市環境対策課によると、全国に約1700カ所ある測定局のうち、12年度に国の環境基準を達成できなかったのは東京都内の2カ所と池上局の計3カ所だった。 同市は74年に7測定局で常時監視を始め、83年からは現行の18測定局(一般環境大気測定局9、自動車排出ガス測定局9)でデータを収集。89、90年に国の基準をクリアしたのは2局だったが、2012年度には自排局の一つ、池上局(0・066ppm)を除く17局が達成していた。
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