「まずは俺の言葉を聞けよ」
探偵ごっこが面白かったのと折角の巫剣さんの刑事設定なので、懲りずに事件に巻き込まれたいと思ってしまった私。
フクロウの鳴き声を確かめるために夜の動物園へ。もちろんボディガードの彼も一緒。
ところがこれが、なぜかセフレ問題の核心をつくような展開に発展してしまいーーー
晶「海都、起きてる? こないだは付き合ってくれてさんきゅ。」
海都「ああ、起きてるよ。ちょっとニュース見てた所だ。ん、この間? ああ、構わないよ。」
晶「…ちょっと相談なんだけど、真夜中の動物園に行きたい、と言ったら付き合ってもらえたりする? 明日か明後日くらいに。どう? ダメかな? 平日だと無理?」
海都「真夜中の動物園ってなんかえろくないか? はは、いいけど別に。動物の交尾でも晶は見たいわけだな。そうだな…んー…夜だしいいか。明日でも明後日でも。」
拉致られかけたときに聞こえたフクロウの声。
あれが本当にフクロウなのか、本物の鳴き声を聞いて確かめたい。
…それに捜査に協力できそうな機材のアイディアが浮かんでいる。
が、そこへ巫剣刑事からの冷たーい一言。
晶「…あー、はは。いやそれが今ぶった斬られたところ。実は夜鳴きする鳥だか梟だかの声を録音しに行こうと思ったんだけどね。捜査協力しようと思ったのに、捜査妨害認定受けちゃったわ。だからナシナシ。ごめん一。」
海都「ん、そうだったのか。別に動物園に行くのはいいじゃん。研究関係なしに本物の動物園いけばよくないか? じゃ本当になしでいいか?」
晶「えっ。そんな風に言われると…」
晶「事件だの研究だの関係なしに海都と一緒に行きたい私だけが残っちゃうんだけど。…じゃあ海都が手間じゃないならお願いしちゃおうかな…夜行性の動物見られるチャンスとか滅多にないし。」
海都「はは、じゃあ普通に動物園でも行こうか。なんかちょっと可愛い動物がみたい気分だし、年始で忙しくて癒やしが足りてないんだよな。晶は何かみたい動物はいるか? 暗闇の中のゾウと かちょっと怖そうだよな。ちょっと楽しみになってきたな。」
晶「暗闇のゾウとか怖くて草。寝てるんじゃないの? 寝てる巨人を起こさないように通り過ぎる的なスリルは味わえるかもね。…んー私は夜行性とか言われてもあんまりピンときてなくて。モモンガとか?」
動物のお医者さんで読んだだけの知識(笑)
海都「暗闇のゾウも寝ぼけて柵に突進とかしてきたらヤバそうだよな。想像するだけでゾワっとするよ。寝てる巨人? はは、あいつらは夜行性だから…っと何語らせようとしてるんだ。モモンガも夜行性なのか? それは知らなかったな。目がクリってて可愛いよな。」
晶「寝てる巨人が通じると思わなかったから目を疑ったわ。さすが海都、たまに意表を突いてくるね…ひょっとして奇行種なの? 会ったら黒い煙弾あげとくよ。モモンガは可愛いけど夜飛びながらオシッコするらしいよ。」
海都「ああ、俺はそういう所があるからな。って何を言わせるんだ。まあ俺は首は傾げてないタイプの奇行種だ。って、おい。へぇ、モモンガ飛びながらオシッコするとかただの最悪なやつじゃん。そんなの絶対見たくないやつだ。窓ガラスあるところならいいよ。」
晶「窓ガラスないところで、イルカショ 一のときみたいにまた海都に盾にされたら敵わないわ。」
海都「はは、濡れてもなんだかんだ嬉しそうだったじゃん。あと水族館の水とモモンガの聖水を一緒にするなって。さすがに尿浴びはしたくないな。気をつけよう。」
晶「聖水いわないで。振りかけると一定期間低レベルモンスターが寄って 来なくなる効果ありそうだわ…それじゃ、明日か明後日に行くの楽しみにしてる。」
明くる日の夜ーー
宣言通り海都を誘って夜の動物園へ。
海都「…夜のドライブってだけでワクワクするもんな。それが動物園ならもっとワクワクするよ。じゃあ出発するよ。夜だと夜行性の動物とかが活発に動く様を見れたりするんだろうか。ライオンとかは確か夜行性だったろ?」
晶「ネコ科の動物は大抵そうよね。でも毎日たっぷり餌を食べれる飼育された環境にいるからどうなんだろう? お腹だして寝てるかもよ案外。それもそれで可愛いけどね。…でもアフリカ育ちのライオンとか寒さで震えてそう。」
海都「確かに…野生のライオンとかは映像で活発なのはよく見るけど、動物園のだと大人しいのしか知らないからな。ふふ、お腹出して、って晶と一緒だな?なんてな。寒さに震えてるのを見たら思わず抱きしめたくなるかも。」
晶「…私がお腹出してたなんて嘘ばっかり。付き合ってた時はほぼ裸で寝てたか…海都がやったんじゃないの? 朝起きたら胸だけはだけてた、なんてことがあったようなないような…」
海都「ふふ、まぁ俺が脱がせて寝てる晶の胸を吸ってた事もあったけどさ、懐かしいな。よし、着いたよ。じゃあ足元に気をつけて降りてくれ。」
晶「ちょ…本当にそんなことしてたの?…もう、しょうがない変態王子様だったのね。起こしてくれれば一緒に気持ち良くなれたのに。…起きてる動物いるかな。」
海都「寝てる時の晶も凄く感じてくれるからな。ふふ…これだけ広い動物園なんだ、起きてる動物たちもいるだろ。…お、キリンがいるな。あれは…起きてるのか? 顔が良く見えないな。晶、背伸びして見てくれよ。」
晶「そ、そんなエッチな報告しないで海都。…って、ねえ、背伸びして変わる? キリンの顔を拝めるほど変わっちゃうくらい背伸びできるなら私の足はビッグフットだよ…」
海都「ふふ。晶が照れた表情を隠しておけばいいだけの話だろ?…おっと、背伸びすれば見えると思ったよ。なら俺が抱っこしてあげようか?…これなら見えるだろ? ほら、キリンが起きているかちゃんと確認しろよ。」
晶「海都っ…久々の海都の身体に意識が全集中してキリンどうでもよくなっちゃうから! 降ろして海都。いやこれだけ騒いでるのに起きないとは…」
海都「ふっ、あはは晶、なんだよそれ。ちゃんとキリンの顔も見られたみたいだし、そろそろ降ろしてやるか。キリンの寝顔はどうだった晶。可愛い顔してただろ?」
綺麗な顔してるだろ?みたいな聞き方(笑)
晶「海都は見えたの?…うん、なんかすっごい平和そうな顔してた。世界平和週間のポスターになれそうな顔。草食動物は夜寝るって本当なんだね。ぴくりともしないじゃない?…肉食動物はそこを襲うから夜行性なんだろうけど。」
海都「目は結構良い方だからさ。平和な顔って表現、良いな。立ったまま寝て休めるんだろうか。ま、生き残るためには気を抜けないっていうんだから大変だよな。」
晶「私たちも生き残るためには歩かないと…立ち止まってたら凍死しちゃうよ。てか動物たち日本の冬に慣れすぎ?…毛皮あるから寒くないのかな。あ、ゾウとか毛皮ないじゃん。寒そうだよね…」
海都「毛皮があるとこの時期でも暖かそうだよな。ゾウは身体がとてつもなく大きいだろ? 大きければ大きいほど体温は下がりにくいらしいから大丈夫なんだって聞いたことがあるよ。」
晶「へえ、そうなんだ。海都物知り〜。マンモスとかどーりで氷河期乗り切ったはずね。」
海都「ふふ、だろ。博士って崇めてもいいんだからな? ていうか、刑事にも博士にもなれるって俺、万能じゃん。」
晶「あははっ、博士課程に進む私の前でそれ言う? ふふっ、こないだの探偵ごっこから調子こいてるな海都くん?…そういうとこ大好き。」
海都「晶が無事博士になれたらその時いっぱい崇めてやるよ。そうかな、俺が天才なのは周知の事実だろ?なんてな。」
晶「最近身近に自称天才が増えてきた気がするわ。それよりもう動物見てないじゃない私たち。結構通り過ぎたよ?」
帰りにカフェでも行くかという話になり、出口へ向かう。
晶「うん、カフェにいこ?…ねえ手が凍りそう。手袋忘れた友達の手、今夜も温めてよ。」
海都「あぁ、そうするか。へぇ、手袋忘れてかわいそうじゃん。しょうがないな(手をつなぐ)」
晶「わあぁ…ありがとう!(ぎゅっと握り返して)嬉しい…めち ゃくちゃ笑顔になっちゃう、ふふっ。」
晶「今日の私とろけるほど幸せ。…融点に達しちゃったらほら、また海都が適度に冷たくしてくれたら、私、固体に戻ると思うから。よろしくね。」
海都「ふ、手ぇ繋いだだけでそんな笑顔になるわけ。かわいいとこあるな。液体になられても困るからとろけちゃったら適度に冷たくしてあげるよ。でもしばらくはこのままでいような。なんか俺も手が冷えてたし。…そろそろ行くか、軽く飲みたい気分。」
今夜の海都はとても優しい…
冷たくされた時の落差は高層ビル級だろう。
晶「んん…かわいいとか久々に言われたら、なんか落ち着かない。海都も手が冷えちゃった? ごめん、私の凍てついた指から伝播しちゃったかも。カフェじゃなくて飲みに行くの? 私はもちろんいいけど。海都と一緒なら。」
海都「ふっ、顔真っ赤じゃん。いや、別にいいよ。このくらいどうってことないからな。また今度晶の体温で温めてもらえばいいし? あ、そうだった。なんか飲みに行きたくなるんだよなあ。でも、今日はカフェって言ったしそこ行こう。」
カフェにするのか、飲みに行くのか、
間を取ってカフェバーに行くことに。
飲んでるうちに海都がますますイイ感じに。
晶「…今日の海都はなんかドキドキする…意地悪が意地悪になってないし。自分じゃ分かってないんだろうけど…男子から男になった感じだよ…」
海都「だろ?って、見つめただけで酔いが回るって何想像したんだ?…ふっ、男子って。俺は元から男だけど。」
海都「…このあと家来るだろ? そんときに男だって分からせてやるよ。嬉しいだろ? 嬉しいって言えよ。ここまですれば意地悪になるか?ふふ。」
こういう喋り方、大好き♡
海都のたまに出てくるこの「言え」っていう命令ツボ。
晶「もぉ…やだ、顔があっつい…」
晶「答えに困っちゃうよ…揶揄ってばっかり。…海都いじわるだ。私が海都に何も期待しちゃいけないっていうのを分かってて弄んでる。(じっと見つめて)傷つきたくないし、そんな手には乗らないよ…」
海都「はは、顔すげぇ真っ赤じゃん。意地悪が好きだって言ってたくせに実際するとそんな反応すんだな。(飲みながら)…別に何もしたらいけない関係ではないし身体の関係ありきじゃなかったか? まあ無理には誘わないけど。」
晶「…ありきだけど、こないだ思い知ったもん。」
晶「今の海都はセフレニスギヌでしょ…気持ちゼロで抱かれるとか…残酷すぎる。それとも…海都の全てを知りたいなら、いい機会だから体験しておくべき? できるかな…」
海都「気持ちゼロっていうのがどの気持ちかによるけど、そもそもで興味なかったらセフレにすらならないと思うけどな。その点で言えばいいんじゃないか? でも体験しておくべきっていうのはありかもしれないな。決めるのは晶だけど。」
晶「…今の言葉でよく解った。」
晶「ゼロじゃない。ゼロで私を抱いたのは出会ったときの海都だ。今は、マイナス。セフレになったばかりの頃より下だ。…じゃあしないよ。私はどうしたって気持ちを求めるし、喧嘩になる。まだしない。」
海都「それ、俺のことなんにも分かってないじゃん。」
海都「…そんなにネガティブに考えたいならそれでもいいけど、首を締めるのは自分だからな。まずは俺の言葉を聞けよ。その上でやるやらない決めろよな。俺がもやもやするじゃん。」
晶「…ちゃんと聞く。聞かせて。…でも海都の言い方だってちょっぴり意地悪だったよ。…どの気持ちかによるとか、興味なかったらとか…まるで私たちの関係が何もなかったかのようにいうから。まだずっと怒ってるのかと…」
海都「いや、それは意地悪じゃなくて普通にどういう気持が晶にとって大事なのか聞きたいだけだよ。」
海都「それに興味なかったら…って仮定だから晶に対しては言ってない。晶の考えすぎだ。ほら、おでこ出せ…(デコピンして)…軽めにしといた、ふふ。」
晶「どういう気持ちって…海都は知ってるじゃない。それ答えて”悪いけど… ” の "わ" が聞 こえたら耳閉じるから。」
晶「私は海都が好き。別れてからもずっと変わらない。私に微塵も愛を感じてない海都には…抱かれたくない…」
海都「そうか。晶は少なからず愛がないと嫌だっていうんだな。」
海都「…わかった。俺はまだ分からない、自分が今後晶とどうなっていきたいのか。でも変にセフレって肩書きを持ってるから中途半端になるし、友達に戻るか。そのほうが楽だろ?」
次回へ続く。
いい雰囲気で優しかったところから急転直下。
ほんとスリラブのスリルたるゆえんです。そんなら恋人になっても、らぶメモ化しないで、引き続きスリルちょうだいよ(笑)
後から考えてみれば、この時の海都くん、すっごく親切だったと思います。ν海都のセフレは無理ってわかってたんだろうなぁ…。
あ、そういえば晶、髪切りましたw
プロフの画像変わってることに気づいてくれた人すごいw
サーバーメンテ中の雑談でアップします。需要ないだろうけどww
【今日の二枚】
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