明日はくすのきカントリーマラソン~「私の人生は、長距離走に取り組む事で大きく変わった」 | 「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

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医師であり、時々作家、そしてランナーである筆者が日々の出来事について徒然なるままに綴っております。「最後まで歩かない」事をレースでも、人生でも目指しております。

今日は土曜日です。

本日の山口県西部、朝はまだ寒いですが、日中は今日も好天に恵まれ、気温も上がっています。春らしい一日になっています。

本日の「金沢守クリニック」の外来総受診者数は27名でした。

今朝もロードバイクで走っています。29.3キロを1時間06分44秒掛けて走り、727カロリーを消費しています。平均巡行速度は26.3kph、最高速度は46.3kphでした。

平均心拍数は139bpm、最高心拍数は150bpmでした。右臀部、右大腿の痛みはありますが、バイクを漕ぎ出してしまえば、痛みは全くありません。3月のロードバイクでの月間走行距離は53.2キロになっています。

ロードバイクに乗れば乗るほど、右臀部の疼痛は改善する気がします。バイクトレ、本当に恐るべしです。

さて、明日は私が住んでいる山口県宇部市で“第9回くすのきカントリーマラソン”が開催されます。私は
過去2年、この大会に連続して出場しています。

第9回くすのきカントリーマラソン公式HP

今回の大会にもエントリーしていましたし、出場する気満々でした。しかし、現在私は右坐骨の疲労骨折の疑いで走る事が出来ませんので、やむなくDNSを選択しています。

今回は是非とも出場したかったのです。と言うのも、今回の大会パンフには私が書いた文章が掲載されるからです。

しかも、その文章は私が大会に出場する事を前提として書いています。従ってDNSを選択した現時点では、これだけ意気込んでいるのに、なぜ来てないと思われるのが恥ずかしいと感じています。

今日はその全文をアップさせて頂きます。

「私の人生は、長距離走に取り組む事で大きく変わった」                          
                                               金沢守クリニック 金沢守 

私は今年、くすのきカントリーマラソンに3回目の出場を果たします。初出場となった2011年に開催された
第7回大会は、あの東日本大震災が3月11日(金)に起こったばかりでしたので、日曜日のマラソン大会は本当にあるのだろうかと考えた事をよく覚えています。

土曜日になっても、大震災の被害は拡大する一方でした。テレビでは全放送局が地震関連の報道をしていました。

そんな中、大会HPを確認すると、やはり大会は予定通り開催されると書かれていました。3月13日の天候は悲しくなる程にいい天気でした。

いつもならスタートが近付くと、気持ちは盛り上がってくるのですが、この日ばかりは「地震で多くの方が命を落とし、安否確認もままならない。今も救出を待つ方々や避難所で過ごしている人達が沢山いるのに、マラソン大会に興じている場合なのだろうか?」と自問自答しています。

しかし、開催される大会に自ら背を向けるのは、辛い事から逃げるようで嫌でしたし、私が家でテレビを見ながら悶々としていても、状況は何ら改善しないと思いましたので、出場しました。

記録は3時間24分10秒(一般男子の部で第90位)で、当時の自己ベストでした。この日はよく晴れて、マラソンを走るには少々暑いぐらいの気候でした。

しかし、地震や津波の被害で苦しんでいる方々の事を考えたら、エイドステーションの水も無駄に出来ないし、しんどいなどと思ったら罰が当たると思いながら走った記憶があります。

完走後に大会会場で募金をし、寄せ書きにも書き込みをさせて頂きました。大震災以降に全国で開催されるマラソン大会、特に東日本の大会は、自粛ムードで中止になったものもあれば、地震そのものの影響で開催が出来なかった大会もありました。

当時は随分論争を呼んだと記憶しています。今、振り返ると、あの大会を開催した事は英断だと感じています。

そして、一年後の第8回大会は奇しくも東日本大震災が発生した3月11日に開催されています。大会の直前に被災地を実際に訪れ、医師として避難所で執務した経験を持っている宇部市内の病院に勤務するN先生の話しをお伺いする機会がありました。

彼と看護師2名、事務職員1名の計4名で被災地に向かい、現地で医療活動を行った体験談には胸をうたれるものがありました。

第8回大会も走っている間は終始、地震や原発の事、N先生の体験を思い出しながらのレースになりました。

結果は3時間10分37秒(一般男子の部、65位)で、これも当時の自己ベストでした。今回の第9回大会の開催日は3月17日です。東日本大震災から約2年が経過する事を思わざるを得ません。

今回も大震災の事を思い出しながら42.195キロを走る事になりそうです。

私は現在49歳です。46歳になる年から、フルマラソンの完走を目指し、ランニングに取り組み始めました。

マラソンは体力勝負だと思われがちです。私は体力もある程度は必要かもしれませんが、その8割はどの程度の精神力があるかで決まるスポーツだと思っています。

私は学生時代、運動部にろくに所属した経験もありませんし、運動神経も相当悪いです。しかし、現在は3時間7分台の自己ベストを有しています。いつか3時間を切りたいと思い日々努力を重ねています。

長距離走は努力を重ねれば年齢や性別に関わらず、その努力に必ず女神が微笑む競技です。走り始め、マラソンに取り組むようになった事で、私の人生は大きく変わりました。

「焦らない、慌てない、諦めない」はマラソンなどのエンデュランス系競技において、とても大切な言葉です。

この言葉は何もスポーツだけに当てはまるものではありません。人生を生きるにおいても重要な言葉だと思います。

自分を追い込みすぎると辛い事もあります。少し気持ちに余裕を持つ事、速く走ろうと思わない事に気を付けて、走る事を楽しみ、そして人生をよい方向に変える人が増える事を心からお祈りします。

以上が明日配布される大会のパンフレットに掲載される私が寄稿した文章のほぼ全文です。一部、このブログ用にマイナーチェンジを加えさせて頂きました。

明日の宇部市、天候は晴れて、予想最高気温は16℃とマラソンには少しばかり暑い気候になりそうです。

残念ながら、出場する事は出来ませんし、別件の予定が入ってしまいましたので、会場に足を運ぶ事も
出来ないのが残念でなりません。

くすのきカントリーマラソンのコースはアップダウンに富んでおり、決して楽とは言い難いです。しかし、小野湖を巡るコースは緑も多くて、走っていてとても気持ちのいいコースでもあります。

明日、くすのきカントリーマラソンだけでなく、全国各地で開催されるマラソン大会に出場する方々の健闘を心から祈ります。

そして走る事で人生が変わったと実感する方は、きっと沢山いるし、これからも増えるはずだと思う今日の私です。