脳が発するネガティブな指令に君負ける事なかれ!?~ポジティブな指令を無理矢理にでも出そう | 「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

医師であり、時々作家、そしてランナーである筆者が日々の出来事について徒然なるままに綴っております。「最後まで歩かない」事をレースでも、人生でも目指しております。

今日は土曜日です。山口県西部、今朝は相当冷え込み厳しかったです。明け方から寒さで目が覚めました。
夜が明けると天候は晴れてきて気持ちのいい冬晴れの一日になりましたが、気温は低く寒かったです。

本日の「金沢守クリニック」の外来総受診者数は18名でした。今日は少々寂しい一日になっております。

今朝も走りました。10.5キロを46分2秒39かけて走り、675カロリーを消費しています。キロ4:22分のペースでした。
ラスト1キロはキロ4:04分まで上げています。1月の月間走行距離は176キロに達しています。今朝はアシックスの
ターサー・ソーティー・スーパーマジック4を履いて走りました。

アシックス ソーティ スーパーマジック4


今日のランニングで、超薄底で、超軽量のソーティー・スーパーマジックを履いて走った理由は明日、人生初の
10キロレースに参加するからです。ソーティー・スーパーマジックを履いてフルマラソンを走るのは、まだ私には
出来ない芸当ですが、10キロなら何とかなると思います。

明日出場する大会は第24回城下町長府マラソンです。2キロ、3キロ、5キロ、10キロの4部門があり、私は10キロに出場します。過去23回の歴史がある大会ですので、どのような雰囲気の大会なのか非常に楽しみです。

第24回城下町長府マラソン大会


一点だけ、どうにかならないかと思うのは受付時間が8時~8時半と結構早いのに、10キロの部のスタート時間は
11時15分なのです。空き時間が約3時間もあります。まあ、読書でもしながら気長にスタートを待とうと思ってます。

さて、私は昨日の朝ラン終了後に左足関節に軽い違和感を感じていました。最近、故障はおろか筋肉痛さえ
ほとんどなく、塗り込むタイプの消炎鎮痛剤を使用することはあっても、湿布を貼る事さえありませんので、
昨日はとうとう今季初の故障を経験するのかと少々憂鬱な気分になっていました。

しかし、今日の朝起きて洗面などをしながら、左足首の状態を点検すると走れない事はないと判断しました。
そして、いつものシューズよりも足に負担が掛かるシューズを履きながら、十分に満足出来るペースで10.5キロ
を走り終えました。結局、昨日よりも今日は足首の状態も改善しています。

同じような事をレースの途中にも経験する事は誰しもあると思います。走っている途中に昔傷めた箇所に違和感
を感じ始めたり、実際に痛みを感じたりします。

体が発するちょっとした違和感や痛みを人の頭は増幅するように感じます。そして弱い自分が「あんまり無理
しない方がいいよ。じゃないと、今季を棒に振るよ」とか「もう十分頑張ったよ。残りは歩こうぜ」などと囁きかける
と思います。

今月8日に出場した、いぶすき菜の花マラソンでも、半分も行かない内に左足首に痛みを感じ始めています。

「痛いのは気のせい」と思い走り続ける内に自然と痛みは消失しました。とにかく、レース中に痛いとか苦しいと
か感じない人は恐らくいないと思います。それを克服する心の強さの有無により、レースの満足度が変わって
くるのだろうと思ってます。

実際、今朝の厳しい冷え込みでさえも、「明日レースだし、こんなに寒い日、しかも夜も明けてないのに走ること
ないよ」という動機付けを弱い自分はしてきます。全く油断も隙もありませんw。

今日は確実に仕事が忙しくなりそうな日なども、弱い自分がのさばり始めます。頭で感じるネガティブな情報を
体はとても敏感に感知するように出来ていると感心します。

しかし、「今日は何だか調子がいい」などというポジティブな情報は頭がそれを感知するまで結構時間が掛かり
ます。10キロからハーフマラソン、ハーフマラソンからフルマラソンへと距離が伸びるに従って、「今日は行ける」
と簡単には判断しなくなるからです。過去の後半大失速、ないしは歩いた記憶がそうさせるのでしょう。

全行程の4分の3を過ぎると頭が「もうそろそろ限界」という指令を出すとう話は有名です。ハーフなら15キロ、フルなら30キロ、100キロウルトラなら75キロを過ぎると非常にしんどくなる経験は誰しもした事があると思います。

一流アスリートや市民ランナーでもエリートに属する方、は逆に4分の3を過ぎると、「ここからが勝負」と頭の
スイッチがポジティブな方向に切り替わるそうです。

この説は以前に日経新聞に掲載されていたコラムに書かれていたのですが、“運動中、筋肉が蓄えている燃料
を使い切ることはない。疲労は脳に起因する。脳にある中央司令塔が運動のタスクの重さに応じて、どこで疲労
を出すか設定している。”そうです。

つまり、脳が疲労を出すタイミングを決定していて、それが全工程の4分の3辺りだと言うのです。

体を鍛える事も重要ですが、頭を鍛える意識を持つことも長距離走を速く走るためには不可欠です。頭が出す
ネガティブな指令を撥ねのけ、ポジティブな指令だけに従う事が出来れば、きっと壁を超えることが出来るはず
です。

昨日、宇部市医師会の勉強会で、Y大学の整形外科教授の講演を拝聴しております。講演は「ロコモティブ・
シンドローム」に関するお話だったのですが、その中で「赤筋」と「白筋」の話が出てきました。

新概念「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」


「赤筋」とはマグロのような回遊魚が多く保有している長い時間運動し続けるのに適した筋肉の事です。対して
「白筋」はトビウオが飛び跳ねるために持っている瞬発力を発揮するのに適した筋肉の事です。

筋肉の種類とその機能

若いランナーが10キロやハーフで非常にいい記録を出せるのは、「白筋」を多く保有しているお陰でしょう。残念
ながら、この「白筋」は加齢と共に減少していきます。イチローのような天才と言えども、この流れに逆らうことは
出来ません。

しかし、持久力の源となる「赤筋」は年齢を重ねても白筋のように減少しません。又、女性は「赤筋」を多く保有
しています。

ハーフなどで1時間20分を切るような華々しい記録を持つ若いランナーが、フルマラソンやウルトラマラソンで
後半失速し、高齢のランナーや女性ランナーに面白いように抜かれてしまうのは、「白筋」頼みの走り方をして
いて、「赤筋」を十分に鍛えていない事に起因します。

明日の城下町長府マラソン、10キロの部は完全に「白筋」が大活躍する距離です。果たして48歳のおやぢが残り
少ない「白筋」でどれだけ勝負出来るか楽しもうと思う今日の私です。