この暑さに耐えるか、この臭(にお)いに耐えるか。戦争と平和の第一巻 | Diary of a Goat in NYC

Diary of a Goat in NYC

One Goat and her journey.


2024年サマー振り返り日記

現在地:全83日間(12週間)中、14日目(第2週目)
日付:2024年6月23日(日曜日)
天気と気温:晴れ(最高気温:33度、最低気温:22度) 
 
特筆したい出来事:

昨晩暑すぎて何度も起きて眠れなかった旦那さん(私は隣で爆睡していた。)が、押し入れの中にしまっておいた持ち運び可能式のクーラーを取り出してきた。このクーラーにお世話になってまだたった2年かな。Home Depotで買ったのだけれど、、、。これは確実に貧乏人の良くする「安物買いの銭失い」の典型の買い物になってしまった。

 

こちら💁‍♀️




取り付けは簡単らしいが兎に角場所をとって邪魔だ。


旦那さん曰く、クーラー使用前に水のタンクなど洗浄をしたらしいのだが、去年使っていた時からこのクーラー「臭う」のだ。文章で臭いが伝え切れないのだが、ずっと太陽の光が差し込むことなかった暗い”倉庫の臭い”だろうか。なんかホコリが古くなった臭い。カビの臭いだろうか。この暑さに耐えるか、この臭いに耐えるか。微妙なところなのである。っと言うことで、このクーラーはもう捨てることにした。場所もとって邪魔だし、音だってめちゃくちゃうるさいのだ。

 

次はアメリカでは王道の窓の外に母体を置くタイプのクーラーを早速旦那さんが早速購入してくれたようだ。明日には届くようだ。それまではこの臭いクーラーで行くそうだ。さて、さて、どうなることやら。私は暑い方が良いので、このクーラーの部屋に入らないようにしたい。


振り返り:

今日はあまり美味しくなくて行っていなかった韓国レストランに行った。何故か今日の味はすごく良かった。歩いて行ける距離なのでまたすぐ行きたい。もう一度試すと案外いけてるという事があるものなのだと感心した。



一日一善チャレンジ:

暑くて面倒だったが、今日は洗濯と掃除をスケジュール通りできた。


今日の1枚:

第一巻目の記録を下に書いたが、意外に時間がかかったのに書き終わらなかった。


 

2024年夏の課題

スペイン語学習継続 
CPAのライセンス取得(前進) 
読書(現在読んでいる本):「戦争と平和1」
米国グリーンカード更新 
仕事をフルタイムで契約更新
健康な身体作り:

上記で特筆(進展)があれば:

「戦争と平和」全四巻中の第一巻を読み終わった。677ページ。次の展開が気になる、そして感情が持っていかれる素晴らしい終わり方だった。

 

舞台は1800年くらいだから、200年前くらい。トルストイがこれを書いたのは1865年から1869年ごろでちょうど日本の江戸時代が終わり、明治になる頃。

 

まぁ、それにしても主役級の登場人物が多い。これはロシア文学の特徴だ。旦那さんに言ったらまだまだ少ない方らしい。枕草子も紫式部もそうであるように、宮廷に近いところの上級クラスを生きた人々の生活が描かれている。それはそうだ。彼らの階級の記録が残らずして、どうして庶民の記録が残されようか。煌(きらび)びやかで華やかな洋服、贅沢が尽くされた装飾品や優美な家具、その当時の一流の教育を受けた人々の考え方、その彼らが集まる豪華な夜会、どれをとっても書くに値する。ちびまる子ちゃんの世界も良いが、せっかくニューヨークにいるのでいつかこんな上級社会がまだ隠れて存在するのかだけでも確かめたいなぁと思う今日この頃である。家にお抱えの料理を作ってくれる人や毎日掃除をしてくれる人や、庭師や修理師や家庭教師やそういう他人が普通に暮らしているような生活も寂しくないのでそんなに悪くないとも思う。ただそんな環境で生活するには並外れた精神力がいることは確かだ。誰にも顔を合わせず邪魔されずに楽にしている方が幸せという時代に生まれたので尚更そう感じる。

 

さて、今日は感想を書くと言うよりは登場人物をこの場を借りて整理していきたい。やはり大切なのは「人」だと思う。

登場人物の中には歴史上実際に存在していた人もいるようで、本の中では彼らの実名も使われている。まぁ小説を読む時間がないという人は歴史の教科書として読んでも面白いかもしれない。時代背景で言うと18〜19世紀だろうか、ナポレオンが活躍する時代。そしてナポレオンこそがこの本の裏の主人公ではないかと思わずにはいられない第一巻だった。決してナポレオンのお話が直接的にされるわけではないが、この本の多くの登場人物の脳裏の中にナポレオンがいるからだ。ナポレオンが好きな人がいたら、この「戦争と平和」は絶対に読んで置いて後悔はないだろう。

 

<<<私が選ぶ登場人物>>>
めちゃくちゃネタバレをしていきますので、これから本を読もうと思う人は、決してこれ以降は読まないようにお願いいたします。

 

この中には全然スポットライトが当たらず物語がない人もいるが、歴史的に大切だと思うのでここに置いておきたい。これを調べている間に自分でネタバレの地雷を踏んでしまい、まだ第一巻にはない展開を先に見てしまった事で若干残念感はあるが、それはそれでどうやってそこに行き着くのか乞うご期待で読んでいくつもりだ。

 

この本を読むまで苗字がボナパルトと知らなかったお馴染みナポレオン

 

 

ボナパルトが誰かを知った日👇


 

皇太后マリヤ・フョードロヴナ (特に本で彼女の物語が語られることはないがアレクサンドル皇帝のお母様。)

 

 

 

アレクサンドル・パーヴロヴィッチ皇帝

 

 

 

アンナ・パーヴロヴナ・シュレール (Anna Pavlovna Scherer) (フィクションのキャラクター)

皇太后マリヤ・フョードロヴナの女官でこの人は夜会でいろんな人を繋げていく天才かもしれない。

 
 

<<ボルコンスキィ家>>

ニコライ・アンドレーエヴィッチ・ボルコンスキィ老公爵(フィクションのキャラクター)

以下アンドレイとマリヤのお父さんでめちゃくちゃ自分にも他人にも厳しい。

 

アンドレイ・ニコラーエヴィチ・ボルコンスキィ若公爵(フィクションのキャラクター)

第一巻の主役コンテストをしたら、きっと彼は上位3位には来ると思う。

 

マリヤ・ニコラーエヴナ・ボルコンスカヤ公爵令嬢(フィクションのキャラクター)

めちゃくちゃ敬虔なよくお祈りをする”心が”誰よりも美しい子。ただ、外見が残念らしいが、目は綺麗らしい。彼女は超裕福兼厳粛なお父さんと都市から離れた禿山(ハゲ山)で暮らしているのだが、第一巻では後述のお金目当てのクラーギン家のアナトーリと軽くお見合いのような状況になる。アナトーリもアナトーリーの父親もお金目当て(当時は超普通のようだ)で彼女に直々に縁談の交渉に来るのだが、アナトーリはこのマリヤちゃんを初めて見た際にこう考える。「かわいそうに!ひでえ化物面(バケモノヅラ)だ」っと。涙。。。そしてマリヤのお父さんのニコライも髪をアップに結った娘を前にして、こんなセリフを吐く。「だが娘はわざわざ自分を醜くすることはありません ー そうでなくても器量が良くないのですからな。」とにかく皆んなめっちゃ彼女の容姿に対して失礼なのだ。彼女はこの世で生きていくためのファーストパスでもある外見の「美」を奪われているが、キリスト教的考え方を徹底的に鍛えてきたようで、考え方が宗教的に清く正しく優しくしっかりしていて見ていて応援したくなるキャラクターなのだ。

 

 

マドモアゼル・ブリエンヌ(フィクションのキャラクター)

ボルコンスキィ家に住み込みでいらっしゃるフランス語の先生、セクシー系で容姿が良いらしく、第一巻ではちょっくら本性が出てやらかしてしまう。

 

リザヴェータ(リーザ)・カルコーヴナ公爵夫人

前述アンドレイの奥さん。アンドレイも素晴らしい青年なのだが、、、もうリーザが愛せないようで、それが少し切ない。リーザは社交界慣れしていて美しいのだけれど、妊娠後、アンドレイも戦地に行くので、彼女はアンドレイの実家の禿山(ハゲ山)に置いていかれる。社交界にも行けなくなってからは、急に老け込む。旦那のアンドレイさんの言葉を借りてリーザを表現すると、「すばらしい女だ。あれは夫が名誉を汚されることを案じなくてもよいまれに見る女の一人だ。だが、おお、ぼくはいまひとり身になることができるなら、何もかも投げ出すだろう!」そもそもアンドレイ氏は社交界ライフとそこにいる女性達が嫌いだったようだ。「エゴイズム、虚栄、愚鈍、無内容 ー これがありのままの姿をさらけだしたときの女なのさ。社交界に出たときの女たちを見ると、何かありそうに思える、ところが何もない、全く、何もありゃしないのさ!」っと言うことで第二巻の展開も気になる。。。

 

<<クラーギン家>>

ワシーリィ・セルゲーヴィッチ・クラーギン公爵(フィクションのキャラクター)

フィクションのキャラクターだが、アレクサンドル・クラーキン氏がモデルになっているのかもしれない。

 

アナトーリ・クラーギン(フィクションのキャラクター)

ワシーリー公爵の次男で、長男よりも第一巻では登場シーンが多かった。放蕩息子。このウィキペディアの写真は映画版の俳優さんのようだ。

 

イッポリト・クラーギン(フィクションのキャラクター)

ワシーリー公爵の長男で、ワシーリー公爵の言葉を借りると「まあまあおとなしいばか」。ちなみにアナトーリーはお父さんに「乱暴なばか」と呼ばれる。外交官をしていて女ずきの遊び人と言う印象だった。ほとんど登場していないが。。。

 

 

エレーナ(エレン)・ワシーリエヴナ・クラーギナ公爵令嬢(フィクションのキャラクター)

弾けそうな若さに溢れ、みずみずしく、そして外見がこの上なく美しく社交界でも一目置かれる魅力的な超美人という設定であるエレン。性格も全然悪くないようで、社交界でも注目の的。ただ、お兄ちゃんのアナトーリと変な噂があったとかいう文章も少しだけだが出てきて気になった。彼女は遺産を引き継ぎ一夜で大富豪になった後述のピエールと結婚するのだが、彼女がどんな人間でどんな女なのかと言うことが最後まで分からないため、ピエールは結婚を決める最後の最後までずっと彼女で良いのかと迷うことになる。しかも彼は大富豪になる前に前述のボルコンスキィ家のアンドレイ氏の結婚論も聞かされているので、それもあってか結構結婚について迷うシーンが続く。ピエール自分に言い聞かせる。「彼女(エレン)はどんな時もけっしてまちがったことをしないし、一度もばかなことを言ったことがない。あまりしゃべらないが、言うことはいつも率直で、明快だ。だからばかではない。けっしてどぎまぎしたことがない。だからしっかりした女なのだ!」結局のところ、「外見の美」が勝利をするのだが、こんな一文が面白かった。「この微笑に比べたら、どんな考察も愚かであると認めている点で、彼女は正しかった。」外見の美はやはり強い。

 

 

<<べズウーホフ家>>

キリール・ウラジーミロヴィッチ・ベズウーホフ伯爵(フィクションのキャラクター)

ベズウーホフ伯爵はエカテリーナ女帝時代は美男の廷臣で有名だったらしい。本の中では既に死に際にあるご老人なのだが、彼が莫大な財産を持つ超大富豪のようで、このベズウーホフ伯爵の遺産相続が問題になった。彼は庶子も20人(本妻以外の女性から生まれた子)はいて、自分の子供たちの数も忘れるくらい浮名を流すような方だったらしいが、いざ死に際に遺産相続問題が来るわけで、親戚(姪)に当たる<<マモントフ家>>>の3人姉妹(カテリーナ(カチーシ)・セミョーノヴナと他2名)やワシーリィ・セルゲーヴィッチ・クラーギン公爵の奥様が法的には直径の相続人になるらしいが、ここでドンデン返しで”遺言書”で溺愛していた庶子のピエールを嫡子(家の跡継ぎにする子)にした上で全財産をピエールに譲るかというところで一悶着があった。

 

ピヨートル(ピエール)・キリロヴィッチ・ベズウーホフ伯爵(フィクションのキャラクター)
ちょっとふっくらしていて、メガネをかけていて変わり者のイメージ。遺産を相続する前も後もワシーリィ・セルゲーヴィッチ・クラーギン公爵の家にお世話になっていて、次男のアナトーリ・クラーギンの遊蕩生活の仲間入りもしていた。お金にめざといワシーリィ・セルゲーヴィッチ・クラーギン公爵が全財産を相続したピエールに自身の自慢の超絶美人の娘の売り込みをし、それに成功し、エレーナ(エレン)・ワシーリエヴナ・クラーギナ公爵令嬢と結婚をする。世間ではロシアの超大富豪と超絶美人のご結婚と騒がれる。大人に先導されながらの初々しいこの2人の馴れ初め部分はなんだか微笑ましい。ちょっとピエールに迷いが多かったのが今も気になるところではあるが。。。

 

<<ロストフ家>>

ここまで書いたりコピペしてきて、力がつきつつある中、裕福なロストフ家はちょっと説明が大変なので一人だけ紹介したい。ちなみにロストフ家の伯爵夫人は四十五、六歳で十二人の子供を持ったとあるので、子沢山なご家族であるようだ。自分の子供でない子供も預かったりしているので登場人物がぐっと多くなる。父はイリヤ・ロストフ伯爵、母はナタリィ・シンシナ、そして子供達はヴェーラ、ナターリヤ(ナターシャ)・イリイニーシナ、ペトルーシャ(ペーチャ)に従兄弟のソーニャ。

 

ニコライ・ロストフ(フィクションのキャラクター)

若い。若さと正義と優しさが溢れる世間知らずで真っ直ぐでちょっと見栄っ張りで無鉄砲な青年。従兄弟のソーニャといい感じの関係で公にも二人は愛し合っているような状況なのだが。。。私は彼をブログのために調べている時に最初述べたネタバレを自分でやってしまった。いやー失敗した。本の中では「髪のちぢれた中背の青年で、明るい開放的な表情だった。」とある。

 

彼の周りにはお金の話が多い。ご両親から6000ルーブリの仕送りを受けるのだが、一体当時にしたらいくらくらいなのだろうと考えた。もう既に本を読んだ旦那さんにも聞いてみたが、彼はお金はそんなに気にならないようだ。下記のようなサイトを見ると1000円だったり、2000円

だったりとあった。まぁ、細かく知らないにせよ大体イメージする時はそのくらいでイメージしたい。っということは、控え目に言ってもこの子には親から大体1000万円の仕送りが送られてきたのかぁ。しかもそれが当時は手紙で来るのだから冷や汗ものである。

 

 

<<ドルベツコーイ家>>

アンナ・ミハイロヴナ・ドルベツカーヤ公爵夫人(フィクションのキャラクター)

200年前の母子家庭を支える母ちゃん。境遇から彼女は男のようにたくましくなる。結構ウザいし、しつこいし、強引だし、大げさだし、恥知らずだし、面倒な女性だ。でもそれら全てはこんなに女性が差別される時代に女手一つでやっていかなければいけなかった必要悪だったと思う。本の中ではこう紹介される。「初老の婦人はドルベツコーイ公爵夫人と言って、ロシアの名門の一つだったが、今は没落して、毛頭に社交界からはなれ、昔のいろんな縁故関係が切れてしまっていた。」でもこのお母さんはそんな中、年頃になった息子のために動き出さねばならなくなった、恥を全て捨て、息子のために奮闘する。息子は幼時から親戚のロストフ家に預けられており、ロストフ家のお母さん(ナタリィ・シンシナさん)はアンナさんと青春の頃からの友人で、この二人は本当に仲がいいんだというエピソードも第一巻で描かれた。実は私は自分が彼女と重なった。子供がいないのに何故だろうと更に考えると、この人は私の母親にも少し似ていた。母は行動派で私が夢を叶えたり、良い生活が送れるようにするために相当影で努力をしてくれたと思う。本当に心から改めて感謝したい。中学校、高校時代に乗馬ができたり、交換留学の夢が叶ったのは母のお陰だ。なんかそういう思い出も本を読みながらフラッシュバックした。

 

ボーレンカ(ボリス)・ドルベツコーイ(フィクションのキャラクター)

アンナ・ミハイロヴナの愛息子さん。本では「金髪の長身の青年で、端正で、線の細い、穏やかな表情の美しい顔をしていた。」とある。ロストフ家のナターリヤ(ナターシャ)・イリイニーシナと第一巻では良い感じだったが、ナターリヤは若干男好きの性分がありそうでこれからどうなるのか気になるところだ。

 

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っということで上記が大体メインの登場人物なのですが、実はこれらの登場人物は「平和」のストーリーのメインの登場人物で、「戦争」の方ではまた別途主役級の登場人物が若干違う。そして平和の登場人物が戦争側の登場人物になる時に彼らの印象も結構変わる。

ただ、、、今日は結構頑張りましたが、もう深夜12時なので別の機会を狙って続きを書きます。っというのが、戦争側は本当にあった戦争がベースになっていたり、実際の連隊名などが使われているので戦争側こそ歴史に沿っていると思われていてかなり面白いのだ。

フィクションのキャラクター達が戦争に繰り出し何が起こったかというのも本当に興味深い交差だった。

 

最後に今日ブログに書くためにもう一度本を読み直したり、ウィキペディアで調べたりしていたら、気づいたことがある。

ロシアでは男性と女性の苗字が違う!旦那さんに聞いたら、ブルガリアでもそうらしい。どういうことかというと、苗字が女性の名前と合体する時、音が「ア」で終わるように変形している。

ボルコンスキィはボルコンスカヤだし、クラーギンはクラギーナだし、ドルベツコーイはドルベツカーヤだし、ロストフは多分ロストファとかになるかな。これは自分の中では驚きの発見だった。今の時代はどうなのだろう。これは面白い。大変面白い。

 

 

 
<振り返り日記スタートのきっかけ>