「前のクルマ、止まって下さい」
キキ、キーイ
「あ、あなたはカードマン!
一応、免許証を拝見します」
「ムムム、仕方ない」
「条件に『眼鏡等』とありますが、
お掛けになっているのは眼鏡ですか?」
「もちろん」
「う~ん、これはダメですね」
「い~んです。眼鏡等なので
これは『等』のうちなんです」
「透けてないので前方不注意、
条件違反になりますよ、川平さん」
「なななんと、なぜ名前を?!」
「免許証に書いてあるじゃないですか」
「し、しまった。正体がバレてし、しまった」
「あれ?…川平さんって…
あ、この写真、川平じゃないか!」
「も、もしかして松岡先輩!
何ですかそのタスキは」
「今日は一日署長だ。
君こそ何でそんな恰好をしている」
「ほら、私がクレカの審査に落ちたとき、
先輩は言いましたよね。
『カードの借りはカードで返せ!
今日から君はカードマンだ』って」
「忘れた。
ではこちらでサインして反則金を期日までに
お支払いください」
「ク~、ワタシはカードマン。
当然カードで支払います」
「あ、うちの管内ではまだクレカ対応
してないです」
「カードマンが現金で払うのは
CMの規約違反になるんです」
「カードでキャッシングして来ました!
と大声を上げて支払えばよいかと?」
「そうでした。キャッシング枠を付けてある
ので、今なら、な、な、なんと、初回利用で
ポイントが付くんでした」
「ではお気をつけて。
そこの段差でお転びになりませんように」
「大丈夫です。♪骨密度ならMBP~ですよねw」
バリ活のキャラのまま社会で実証を示した
数少ない熱いオジサンたちでした、とさ。
(この物語はフィクションであり、
実在の人物・団体とは一切関係ありませんw)