現代ではアナログ人間と言われると、時代遅れで感覚的な人だとバカにされた気がするけれど、イヤイヤ、人間はアナログな生物ですから。
ものごとを判断する時だって、1か0かの両極端だけではなく、その中間のゾーンがアナログ的に連続的に存在し、むしろその領域の方が遥かに広かったりする。
その領域を状況に応じて上手に選択しながら泳ぐことが人生の知恵ではないのかな。
中間ゾーンが極端に狭い考え方で生きる人がたまにいるけれど、二元論では生きにくいと思うけどなぁ、余計なお世話だけど。
会の考え方は、この両極端が如実に表れている。
高低浅深正邪に始まり、諸天善神と三障四魔でものごとを単純に切り分ける。
深く考えなくていいから楽だよね。
悪い方に分類されて扱われた人はたまらない。
でもちょっと協力すると諸天善神に昇格するから、
まぁ、いいかw
趣味で電子工作をするけれど、絶対に必要なのが測定器の「テスター」。
これにもアナログ式とデジタル式がある。
ワタシは両方幾つも持っているけれど、どちらも欠かせない。
用途によって使い分けているが、安定的なものを高分解能で測るにはデジタル式がいいし、不安定なものを感覚的に把握するにはアナログ式がいい。
アナログ式の、あの針の挙動が訴える情報量はデジタル式の比ではない。
小学生の時に買ってもらったアナログ式のテスターは今でも現役で使用している。デジタル式よりも使用頻度が高い。
例えば、古くなった電池の元気度(残存量)を確かめるには、アナログ式は最適だ。
どちらでも電圧は計れるが、電圧だけでは元気度は分からない。電池は古くなるとその内部抵抗値が上昇するので、無負荷で電圧を計っても電圧降下しないからあまり意味がない。
ある程度電流を流すと電圧に差が出て来る。
人を見かけや口調だけで判断しても、仕事をさせると全然違ったりするのと同じだ。
ワタシの裏ワザは、ここでアナログ式の電流測定モードを使う。電流計で電池をショートするのだ。
勿論、数mSの短時間。
のんびりと数百mS以上もやると電池にもテスターにも悪い。
この時、テスターの針が振り切れようと勢いよく動くのだが、初動で止める。
この針の挙動で、電池の元気度が分かる。
電池に向かってテスターで
「電池ですかー!」
「元気ですかー!」
と聞くようなもんだ。
(アントニオ猪木さん😢…合掌)
これはワタシの職人技なので絶対にお勧めはしない。
テスターのヒューズが飛んだり、最悪はメーターコイルが焼損するから。
デジタル式ではサンプリング周期もあってこれが出来ない。
この右側のアナログテスターが小学生の時のもの。
数十年使用しているが、未だに壊れたことがないw
このテスターだけで無線機を作れたのだから、ワタシの感性を磨いてくれた大切な相棒だ。
聴診器を使いこなす名医と同じ感覚だと思う、知らんけどw
少し専門的になるけれど、電子回路の基本的な能動素子にトランジスタがある。
あるレベルを境とした入力信号に対して出力がONしたりOFFしたりする。
これをスイッチング動作といい、スイッチング電源やCPU内部のようなデジタル動作をしている。
一方でトランジスタの入力にバイアスをかけ、出力がONとOFFの中間になるように宙ぶらりんにセッティングすると入出力がリニアに追従するから、高忠実度のアナログ増幅に用いられる。昔のハイファイ高級アンプはこんなのが多かった。
ONとOFF、即ち1か0かの中間の広いアナログ領域にこそ、本来の姿、真実があるという話。
哲学、宗教、医学…… これらは広いアナログ領域を如何に合理的に扱うかが大きなテーマでなきゃいけない。
勝利だ、拡大だ、前進だ……なんて、そんな数字はどうでもいい。
自由なプロセスの中で、真理に迫る判断力を磨いて行けるのであれば、何だって人生の修行になる。
アナログ人間で上等だ。
あ、ワタシの腕時計は何代もアナデジだ。
両方あると、すんげー落ち着けるw
