前回の記事に引き続き英語の話です。
5月には楽天が、6月にはファーストリテイリングが、相次いで英語を社内公用語化すること発表しました。いずれも、創業社長が君臨するマネジメント体制であり、トップダウンで方針が決定されたのだと思います。
大部分の日本企業ではなかなか決断できない内容で、非常に先進的な取り組みに思えますが、楽天にしろ、ファーストリテイリングにせよ、現在は典型的な内需(国内売上)依存型の企業ですので、縮小する市場を前に強烈な危機感を持ち、成長を求めて(特にアジア地域に対する)グローバルな事業展開を進めようとするのであれば、英語の公用語化は当然の流れだと思います。
グローバルに事業展開をするにあたり、これまで日本企業が行ってきたような、日本から現地に人材を送り込んでマネジメントを行うというスタイルは限界が来ています。なぜなら、そのスタイルでは現地で採用された人材は、あくまで「ローカル」な人材として扱われてグローバルな活躍の場が提供されないため、現地の優秀な人材を確保しづらくなるためです。
グローバル展開に必要な優秀な人材を国籍にとらわれず確保するには、そういった人材が国の枠をこえて社内で活躍できるようにする必要があり、そのためのコミュニケーションツールとしての公用語は、当然ながら英語とする必要があります。
今後は日本企業においても、このようにグローバルな採用が行われることが加速するでしょうから、就職においては日本の学生にとってはますます競争が激しくなるということになります。新卒で就職先が決まらないことが問題となっていますが、10年後には就職もグローバル競争にさらされて、今日以上に厳しい狭き門となる時代が来るでしょう。
ただ一方で、公用語を英語にしたからといって、なんでもかんでも英語を使うことを強要する、極端な言い方をすれば、社内では日本語を使うな的な発想になるとすれば、それは少しおかしな話になります。
出席者が日本人ばかりの会議で、英語で議論するのは明らかに非効率ですし、ある意味滑稽です。公用語が英語というのは、「異なる母国語を話すメンバー間での共通言語は英語とする」という決まりですので、日本人だけの会議ならば、最も効率的にコミュニケーションができる日本語でやればいいわけです。
また、英語は、多くの国の人が(最低限の)コミュニケーションをとることができる最大公約数的な「道具(ツール)」であると思っています。通訳など英語を専門職とする人を除いて、英語を母国語としないビジネスパーソンがネイティブなみの会話力を持っている必要はなく、ビジネスコミュニケーションの「道具」としての割りきりが必要かとも思います。
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