以前、「(経営企画などの)スタッフに求められること」というテーマで何回か記事を書きましたが、この数ヶ月間、以前と違った環境・違った組織文化の中で仕事を進めてきて、最近改めて、ビジネスパーソンにとって必要なスキルは何か、また会社組織のなかで仕事を進めるに必要なことは何かなどを考えさせられることが多くありました。


少し抽象的な表現になりますが、仕事を進めていく上では、以下の4つの要素が必要だと思っています。


・「心=マインド」(誠実さ・意志)
・「技=ロジック」(考えの明晰さ)
・「体=ヘルシー」(心身ともに健康であること)
・「智=センス」(組織力学への配慮)


最初の3つはイメージがつかみやすいと思いますが、最後の「智」は少しわかりにくいかもしれません。しかし、会社組織で仕事をするうえで特に重要であると最近感じることですので、少し説明します。


組織力学=社内政治といえば聞こえはあまりよくないですが、ある案件に対して、組織を動かしていくためのスキルが「智」になります。特に企画系のスタッフでは、このスキルは必須です。「空気を読む」という言い方もできるのですが、多分にセンスも必要とされます。


誰がキーパーソンになるのか、誰にどのような手順で誰が確認・決裁を取っていけばいいのか。そのための事前の根回しは、誰に対してどう進めるのか。また、不幸にもある案件が袋小路に入ってしまったときに、その平衡状態を回避するために全く別の力を利用してアプローチをかけることができるか、などです。


若い頃は「プランがしっかりしていれば根回しなんて不要」という考えを持っていたのですが、今はそれは理想論だと思っています。もちろん、周りの人間がみな頭脳明晰で、正しい理解力と的確な判断力を持ち、人間性としても問題のない人ばかりであれば、根回しなんて必要ありません。が、実際はそうではありません。


だとすれば、キーパーソンに対して、誤解無く正しく理解してもらい、こちらのやりたい方向に判断をしてもらい、また人間としていかに気に入ってもらえるかを考え実践することが、重要なスキルとなるわけです。


もちろん「智」だけでなく、これら4つのスキルを均等に伸ばすことが重要です。頭脳明晰であっても、誠実でない人は周りから信用されませんし、いくら誠実にがんばったとしても、組織力学への配慮を欠くと、なかなか成果を残すことはできません。また、組織力学に長けるけど仕事の中身が伴っていないとすれば、「ゴマすり」と思われます。


ただ、個人個人では必ず得手・不得手はあるわけですから、すべての要素を満足する人はそうそういません。だとすれば、仕事を進める上では、チームとしてこれらの4要素がカバーされていることが重要だと思っています。


特に新規プロジェクトを起こすときなどは、参加するメンバーの特性を上記4つの視点で判断し、またお互いがその認識を共有化して、各メンバーが強みを生かして、弱みをフォローし合える関係を作ることが重要です。


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・スタッフに求められること(2)

・スタッフに求められること(3)



昨日の土曜日、サイトウキネンフェスティバル(SKF)のオペラ公演を観に行きました。私の自宅のある近場の松本市で開催されるということもあって、SKFに行くのはこれで3回目です。


今年のオペラですが、演目はR.シュトラウスのオペラ「サロメ」です。通常オペラプログラムはSKFの小澤総監督が指揮するのですが、今年は年の前半に食道ガンの治療に専念されたため、小澤さんに代わって、イスラエル人の若き28歳の、オメール・メイア・ヴェルバーが指揮をしました。


この指揮者、まだ日本ではあまり馴染みがありませんが(私も知りませんでした)、この数年ヨーロッパでオペラを中心に目覚しい活躍を見せている指揮者で、まさに若き才能、のだめ流にいえば「ライジング★スター」です。

今回の公演が日本でのデビューということもあって、オケやソリストの演奏レベルのみならず、この若き指揮者がどのような指揮を見せ、演奏を聞かせてくれるかが今回の演奏会の関心事の一つでした。


で、結論。・・・圧倒される、まったくすばらしい演奏でした。


まず指揮ですが、オケピットの中にいるのではっきりとは見えなかったのですが、小澤征爾さんと同じく指揮法はサイトウメソッドに基づいており、タクトの扱い方、拍の見せ方は正確で、また長い腕を上下左右存分に使った非常にダイナミックな指揮でした。


また曲のアーティキュレーション(表情)に関する指示も明確で非常にわかりやすく、見ていて楽しめる指揮でした。


体で(頭で)拍を取ることが多く、それは無駄な動きといえばそうなのですが、しかし、そこは若さでカバーし、休憩なしの1時間40分の演奏を、全く疲れを見せることなく見事振り切ったのでした。


また演奏も、オーケストラのレベルの高さを存分に引き出しており、さすが「サイトウキネン」というべきアンサンブルの正確さはもちろん、アグレッシブなテンポの揺らぎ、動と静のメリハリ、「サロメの踊り」の部分での妖艶さ、クライマックスでのフォルテッシモなど、聞かせどころが満載でした。


久々に生のオペラを見たのですが、値段もそれなりに張りますが、やはり世界トップレベルの演奏を聴けるというのは、Pricelessの価値があります。


さて、今年のSKFで少し残念なのは、オーケストラプログラムで、ベルリオーズの「幻想交響曲」と、ブラームスの交響曲1番を振る予定だった小澤征爾さんが、急遽交代となってしまったことです。長期間療養していたために筋力が低下し、長時間の指揮により、痛めている腰に負担を与えるということらしいです。(演奏会では、腰に負担をかけない程度の小曲を指揮するようですが・・・)


一昨年は小澤征爾さん指揮のマーラーの交響曲1番「巨人」を聞きにいったのですが、小澤さんが指揮するとオーケストラの音は変わります。今回のブラームス交響曲1番はぜひ振って欲しかったのですが、本当に残念でなりません。


しっかりと静養されて、来年度こそ復活を遂げることを祈っています。



ここ数年で、いくつかの会社の事業部長レベル以上の経営者(経営職)と接してきたのですが、当たり前のことですが、みなさん強烈な個性をもっており、事業マネジメントのスタイルも人それぞれでずいぶんと違います。


マネジメントのスタイルでいえば、権限委譲して部下を育てようというタイプから、細かいことまで自分で首を突っ込んでいかないと気がすまないタイプまでさまざまです。


一概にどのスタイルが正しいというものではなくて、経営においては「結果を出せるやり方」が正しいという世界なのですが、一般的には事業の置かれている状況と、経営者のキャラのマッチングを取ることが重要だと思っています。


例えば事業化されたばかりの事業を大きく育てていくフェーズ、安定起動にのったフェーズ、ターンアラウンド(事業再生)のフェーズでは求めれられる経営者に求められるマネジメントスタイルが違います。


何か新しいことを始めようとしているフェーズでは、ガチガチの管理ではなく、従業員が自由にモノが言えて、権限も委譲していくようなスタイルが必要でしょうし、逆に事業再生中のフェーズでは、止血のためにある程度自由を制限して、権限集中によりしっかりと事業を管理をしていく必要があります。


あと、共通して言えるのは、これまでがどういう経歴であれ、経営責任を持つ人は経営数字に対する感覚は研ぎ澄まされています。これは会計の教科書にでてくるような分析が長けているというよりは、数字と事業活動とのつながりに対する感覚です。


ただ、これは実際に事業を任せてみないと、この感覚は根付かないようです(半年くらいやってみようやく根付きます)。それを恐れて、「うちには経営的センスをもった人材はいない」と言ってやっていまうと、いつまでも後継者が育たないというジレンマに陥ってしまいます。


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先週の記事で、、これで仕事がひと段落つくので、今週から退職&転職にむけた準備を進めようと書いたのですが、その後急激に状況が変化してしまいました。


先週までずっとかかりっきりになっていた中期計画については、予定通りひと段落がついたのですが、それに派生して、どえらい仕事が肩に降りかかってきています。しかもそれを9月中に片をつけなければならないという状態です(退職が10月なのでちょうどその期間に当てはまってしまった仕事です)


一生懸命山を登って峠を越えたら、目の前にもっと大きな山が立ちはばかっていたという状況です。


非常に重要な事案ですし、お世話になった会社に恩返しができるような案件なので、ぜひ期限内にけりをつけたいと思っています(そうしないと中途半端で退職することになってしまいます)が、しかし、本当に最後の最後まで気が抜けなくなってしまいました。


以前転職したときも、最後の最後まで働いていた記憶があるのですが、よく言えば責任感が強い、ただ、悪く言えばお願いされると断れない損な性格だなあと思っています。


できれば退職前に2週間ほど休暇をとって、心も体もリフレッシュしたいなどと考えていたのですが、このまま突入すれば、少し無理っぽい感じです(そうは言っても何日か休みは取りますが・・・)


そういえば、最近ブログの更新頻度が落ちてしまっています。毎日どころか、3日に1度くらいのペースになっていますね。なんとか時間を取って書きたいと思っているのですが、余裕がないのか視野が狭くなっているのか、なかなか書くネタも浮かんでこない状況です。


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資料は完成しない

視野狭窄に陥らない

最後の踏ん張り














前回の記事で資料は完成しないと書きましたが、どうせ完成しないなら、資料を作るにあたっては、あえて100%の完成度を目指さないという開き直りも重要です。


ただし、これは決して「手を抜いて資料を作ってよい」ということではなくて、前回の記事に書いたように資料を作っていくに従って、資料に織り込みたい内容というのは刻々と変わっていきますので、最初から100%の完成度の資料を作ろうとしても、結局、時間と手間が無駄になるということを言っています。


よく言われていますが、プレゼン資料を作るにあたっては、いきなり各ページの内容を詳細に埋めていくのではなくて、まずはストーリーを組み立てることが重要です。そのために各ページの骨子だけ書いて全体のアウトラインを固め、それを確認してから内容の詳細を作っていくようにするのが無駄がありません。


イメージで言うと、最初に80%の完成度をめざし、次のステップで残りの2割のさらに80%を目指し、次にさらに残りの80%というようにして、何回も資料を見直すことで100%に近づけるやり方です(しかし永遠に100%にはならない・・・)。


これを庭の草引きに例えると(先日暑い中草引きをしたもので・・・)、100%を目指すというのは、庭の端のほうから1本も草をのこさず引いていって、徐々に面積を広げていくやり方です。一方で、80%の完成度を目指すというのは、まず目立つ大きな草から全面的に抜いていって、次に細かいあまり目立たない草を抜いていくというのを繰り返すやり方です。


80%の完成度を目指すもう一つの利点は、いつの時点でも資料を使える状態にすることができるということです。先週の中期計画審議会のような重要な資料の場合は、十分な時間を割いて、何回も見直しをして完成度を100%近くまで高めることができるのですが、限られた時間のなかで、急ぎの報告用の資料を作らなければならない場合もあります。


そのような場合、最も避けなければならないことは、「できていないページがある」ということです。これもよく言われるように、80%の出来から残り20%の完成度を上げるのに、全体の時間の80%を使うことになってしまいますので、まずは20%の時間で80%の出来までもっていき、万が一時間切れになっても最低限のことは言える状態にしておく必要があります。


さらにこれは資料の作成だけでなく、どんな仕事でも当てはまることで、仕事が速いといわれる人は、だいたいこの80%法則で要領よく仕事をしているはずです。ただ、それでも差が出るとすれば、100%のレベルを普段からどこまで高められるかということではないでしょうか。100%レベルを他の人の120%レベルまで引き上げることができるとすれば、その80%の出来であっても十分なアウトプットを出すことができます。


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