暑さで顔がゆがんですいません…。
実際にはねー、強面ではないんですけど、みんなからは
『こえーよ』と言われているニシムラです。
盆前のスタッフ不足気味で、現場作業にいそしんでおりました。
ほとばしる汗とはこのことで、午前中だけでも2リットル近い水分補給をしたのではないかと思います。
さて、建設業では多くの作業が機械化されて、アイコンストラクション(IT技術を活用した建設のシステムなどのことを言う造語です)とも呼ばれたりしております。
特にバックホウ(いわゆるショベルカーですね)などの技術革新はすさまじく、今は自動的に数値を入れ込むと、勝手に作業してくれるものもあらわれていて、将来なくなる仕事の一つとも言われています。
ですが、今、実際に機械化された現場は、広大な土地を敷きならしたりするといった割と条件がいいところです。
多くの建設現場では、周囲の環境や、刻々と変わる自然条件の変化があるため、こうやって、ほとんどの仕事が機械に奪われたとしても、やはり最後の最後での細かなところは人の手を介在せざるを得なく、まったくのゼロにすることは難しいのではないかと思います。
建設物価というものがあります。
建設業に従事しているさまざまな職種についての調査を行い、それらのデータをもとに、公共事業の作業単価や公共事業の金額算定に用いています。
その中で、『普通作業員』『特殊作業員』『普通運転手』…といったさまざまな職種によって、作業賃金が公表されているのですが、いわゆる機械等を扱わない土木作業員がもっとも単価が低く設定されています。
バックホウなどの機械を扱うには、免許などを取得しないといけないため、技術を要するので高単価になっていくということは、ある程度理解できるものの、レバー一つで操作できるわけですから、運転手には叱られるかもしれないけれど、肉体的にきついということは実はあまりありません。
建設業の現場は、基本男社会です。
かつては力のいる仕事が多く、非力な女性には向かない面があったかもしれませんが、こういったバックホウなどの操作などは、実のところは非力な女性こそむいている仕事なのかなとも思ったりします。
人手不足に対応し、来年ぐらいから、外国人就労者に関しての規制が緩くなり、建設業にも多くの作業者が来ると言われています。
今、若い人は特にでしょうが、3K現場を敬遠される傾向にあります。このため、業界としても、多くの仕事を自動化しながら、3K職場を改革しようと試みています。
しかし、先も述べたように、ある程度機械化で合理化をはかっても最終的なところで人の手を介さないできることはありません。
建設現場は、決して単純な労働ではありません。
現場状況をつぶさに観察して、的確な状況判断を行って、対応できる人とそうでない人では、生産性に雲泥の差がでます。
単純作業だと考えるのは、そういう視点でしかものごをみていないからなのでしょうね。
むしろ、最後に機械化されなかった手でしなければいけないことこそ、もっとも経験と技術を要する人を配置して行くことが必要なのではないか…そんなふうに考えます。
肉体労働を必要とする現場は、アスリート的だなとも思ったりします。
例えば『走る』という行為を考えてみます。
子どもでも走れるんですから、走る行為そのものは難しいものではありません。
しかし、オリンピックレベルまで行くと、0.01秒にしのぎを削り、そのために、科学を用いて高度にとらえ、そして肉体的にも、精神的にも極限の状況を作り出し、最高のパフォーマンスがでるようにしています。
状況こそ違えど、仕事の高度化というのはそういうことではないかと思います。
単純だと思えば、それまでだし、そこに最高のパフォーマンスが必要なのだと考えれば、まるで違ったものになります。
なので、労働力の外国人に委ねるのでなく、やはり生産性とはいったい何なのかを徹底的に理解して、肉体的にも精神的にもきついところには、高い賃金を用意し、そういった面でも魅力あるようなものにしていく必要があるのではないかと思います。
肉体労働に従事しながら、そんなことをつらつらと考えておりました。