どんなことでもそうなのですが、モノゴトの中心をどこにあわせるのか?という判断はものすごく重要です。
どういうことかというと、例えば、役所から届く会議の案内などはでも紙文書であることが多いです。
私は、よく行政の担当者に、
『文書発送のコストはばかにならないし、スマートフォンなどを持ち歩いて、いつでもメールチェックができるので、メールで送付してもらえないのですか?、せめてFAXにしてもらえたらいいと思いますけど…』
と尋ねます。
そうすると、だいたいきまって
『パソコンを持っている人が少なく、特にお年寄りなんかはまだまだ文書でくださいと言われることが多いのもので、こうしてるんです』
という答えが返ってきます。
以前にもお話しましたが、私の村では、役員が10人いるのですが、全員スマートフォンをもっています。
実は、お一人ガラケーだった方がいるのですが、地区でタブレットを購入し、その人がスマホに替えるまで、半ば強制的にもってもらうことにしました。
今は、地区のLINEグループをつくって、会議案内や、ある程度の懸案事項はそのLINEグループで済ませるようになりました。
自分たちでいうのもなんですが、その点での生産性はめちゃくちゃ向上したと思います。
一方、私はある別の組織の長を務めているのですが、そこの連絡事項をするのに、FAXももちあわせていない方がいるので、文書を印刷し、その人の家のポストに投げ入れています。
これが、今となってはもうどれだけめんどくさいことか…。
先の役場の方の連絡対応も、そういう人もいるからということを踏まえてだということは十分理解はできるものの、システムをそういうところにあわせるほうが、社会にとっていいのか?ということに対しては、ものすごく疑問を感じずにはおれません。
今後来る社会がICTを駆使した社会であることは誰も疑う余地がないのですから、むしろそういう人も新たな社会に順応できるようにするためのサポートを行政として行うことこそが、行政サービスなのではないか…そんなふうに感じるわけです。
佐賀県武雄市が以前facebook課をたちあげて話題になりましたが、私個人としては、市民がICTを駆使して、情報の共有化をはかり、合理的にものごとを推進することは、ものすごく『あり』だと思います。
これは一例ですが、さまざまなものごとの決定において、どこにそのターゲットをあわせるのかによってとるべき政策がまったく異なってくるわけですが、今ある現状の底の部分にあわせていくのか、それとも未来を見据えた一歩先の取り組みをするのか、この『位置』決めがとても重要だと思います。
『市民のため』とは言っても、今の現状だけを鑑みた政策はいずれ古くなって時代遅れとなったり、そぐわない社会になる可能性があります。
そのためには、いまの社会の在り様がどうなっているのかということをしっかりと見据える必要があります。
これは私たちの普段の仕事にもあてはまることですね。
時代錯誤にならないよう、そのあたりをしっかりと見据えてモノゴトに取り組みたいものです。