空き家に翻弄される | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

地方創生の一つの柱は、一極集中する都市人口を分散化させ、地域経済の活性化をはかるとともに、都市部で著しい少子化に歯止めをかけ、日本全体の人口の減少を食い止めることにあります。

 

各地域で、空き家バンクが創設され、『空き家』を地方にある資源として活用しようという雰囲気が出てきていることは、とても喜ばしいことだと思っています。

 

 

先日、仕事の関係で、こちらに賃貸をさがしたいとおっしゃる方、もう一つはこちらの空き家物件を購入しこちらに住みたい方と同時期に、2組のお客様からの問い合わせがありました。

 

兵庫県北部でいいますと、豊岡とか和田山とか比較的多くの人口がある町ですと、不動産業者もそこそこの数が存在していますし、『賃貸物件』としての需要も一定数あって、空き家などの前には『賃貸物件』『売買物件』といった看板も掲げられていることが多く、またそれなりに修通もあります。

 

しかし、我が地域では自分のムラにも空き家は数件存在していますし、各集落の空き家も多く存在していて住める家はたくさんあるのに、本当にそこが完全に空き家になっていて貸したり、売ったりすることができるものかどうかを探すところからはじめなければなりません。

 

今回の2案件で、何軒ぐらいたずねたでしょうか…社員、知人、友人あらゆる人脈を使って、かなりの件数をさがしてみましたけど、ほとんどよい回答が得られないまま今現在もまだ、探している途中です。

 

この件で、あらためて地域が新しい人を迎えるのに、受入側のハードルも相当高いということをまざまざと思い知らされました。

 

この地域から出てくることこそあれど、逆のパターンをほとんど経験していない地域なんですね。

 

よく言われることの一つが、『

家が片付いていなくて、人に貸したり売るような準備もできていないし…』

ということです。

 

老夫婦が病気になったり、なくなったりして偶発的に家が空き家になってしまったというパターンが相当多いように思われます。

 

ちょうど、団塊世代の人たちが、就職などで、都会にみんな出てしまい、その親世代は、地元で生活していたけれど、一人なくなり、二人亡くなりとうとう家がもぬけの殻になっていくというようなケースですね。

 

若い世代は、都会にすでに新しい家をもち、生活の拠点がそこにあって、家財道具はそのままの状態になっているので、あえてそれらをかたづけるということができないといったものです。

 

まだ、空き家バンク制度は香美町でも本格的にスタートしたところで、まだまだ実績もそんなに多くないでしょうが、これからこのような事例がふえてくることを考えると、きちんとしたシステムとして、考えていく必要がるなぁと思っています。

 

私が思うに、田舎の不動産の価値は限りなくゼロに近づいています。なぜなら、この町に空き家は山のように存在しているので、需要と供給のバランスでいうと、圧倒的に需要が少ないために、買い手市場になっているし、この傾向はますます顕著になるでしょう。

 

いかに、今ある不動産を存せずに処分するかということを考えるのが得策だと思います。

 

建物は維持をしなければ、あるとき臨界点を超えて住めなくなってしまうときがきます。

 

もうそうなると、その家は単なるゴミでしかありません。

今、建物を解体し、更地にするとすると、200万円前後はかかるものと思われます。

 

まして、解体し、更地にすると、固定資産税も高くなってしまいます。

 

私は、もしかすると、そうなる前に、ただでもいいので、誰かにひきとってもらうぐらいのほうがその人にとっては楽になることも考えられると思います。

 

将来的にどうなるかわからないので創造できないことは多いのですが、放置すればするほど、いろいろな面で不都合がおきそうだということは考えておく必要があるように思います。