たくましく生きる | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

今朝も会社がある兎塚の地(香美町南部)は雪が降っています。

 

大雪警報が発令された昨日よりもずっと多いです。

昨日は、気象情報の提供の在り方に最近疑問を思うようになったことをお話したわけですが、テレビなどのメディアがとりあげる雪に関する報道にも少しモノ申したいと思います。

 

昨日のツイッターでも少し触れたのですが、昨年2月10日に、私の人生でかつて経験したことのない雪をみました。

 

一晩で、家の前では80㎝ぐらいは積もったでしょうか?

また、この日はハチ北としてももっとも稼ぎどきの一日で、多くの車がこちらを目指して走ってきていたこともあって、交通は大混乱を招く状況でした。

 

『できるだけ外出を控えてください。』

 

という報道が数日前からなされるようになって、実際その日はとんでもない状況だったので、まあそれは確かにそうであったのかもしれませんが、私たち雪と生きるものにとっては、雪をめがけてお客様がこちらに来られることこそ重要なのです。

 

最近に限らず、大雪、台風、そういうものを実際よりも過敏に見せる傾向があるように思います。

 

これだけの被害があった、これだけ大変だった…

 

特に雪とともに生きる私たちにとっては、簡単にそういう報道だけでくくってほしくありません。

 

適切な情報は必要です。

何センチぐらい積もるのか、そういうことはとても大事だと思いますが、雪積る=大変

 

という構図にだけはしてほしくありません。

大事なのは、そのような状況の中で、どういう初動や心構え、対策を講じていくかということです。

 

2月の大雪でも、おそらく地元の人はそうびっくりする話ではなかったと思います。

 

しかし、スキー場を目指してこられた方の多くは、スタッドレスタイヤを履いていさえすれば大丈夫という過信があった方が多かった。

 

私は普段、旧型のプリウスに乗っています。

しかし、冬季の雪の状況によっては乗らない日もあります。

 

いくら、高性能スタッドレスタイヤをはこうとも、ハチ北への行き来ができないことを知っているからです。

 

雪質にもよりますが、10㎝以上積もってしまったら、あの車はハチ北を目指すにはまったく役に立ちません。

 

最近では、レンタカーを利用してこられるお客様も増えていますが、スタッドレスを履いているから大丈夫だろうと思いがちです。

 

関西の場合、雪質は非常に水分が多い重たい雪が多いです。

 

新雪が降っても、北海道の10㎝と、関西の10㎝では、雪の密度が違い、かなり重たい雪です。このため、2駆スタッドレスだと、滑って坂道などでは、タイヤが雪をキャッチできないし、普通乗用車だと10㎝を超えると車体の底をすってしまいかなりの抵抗となるため、前に進まないのです。

 

だから、地元の人で冬に乗る車で4駆でない車はほとんどみかけないのです。軽乗用車でもほとんどの方が4WD車を選択しています。

 

地元では、除雪体制がマチとは違いかなり充実していますし、重機オペレーターの技術も相当高いです。

 

マチの3㎝の積雪よりも、山の20㎝積雪の方が安心して走れたりもします。

 

ですが、そういう特殊な状況であることが来場者にしっかりと伝わっていれば、無謀な運転も減ると思います。

 

だいたいにして交通事情を妨げているのは、無知な方が、そういった知識なく来てしまい、立ち往生してしまうこと、そしてそれらが障害になって除雪を妨げてしまうこと…

 

これが一番問題なのです。

 

2月におきた事態を受け、地元関係者が集まって、今後の対策会議を行ったときのこと。

 

ある役人の方が

 

『こんな状況で、人が来るようにしてしまったことが問題なので、こんな時は、スキー場を営業閉鎖したらどうですか』

と平然と語ったと聞きました。

 

私たち地元からすると、勘違いも甚だしく、今でもその発言に怒りがこみあげてきます。

 

おそらくマチのご出身の方だから、こんな発言ができてしまうんでしょうが、雪とともに生きている私たちには到底考えられない発言です。

 

昔、男衆は、出稼ぎのため、冬期間、地元を離れて酒造りなどをしてきました。車の往来も少なかった昔、年寄りや、母親たちちが、シンシンと降る雪につつまれながら、春に男衆が帰ってくるのを待ちわびたことだろうと思います。

 

それから、先人たちが、さまざまな経験や知見を集めて、この地域でも生きていけるよう努力を重ねてこられました。

 

私たちは今後も雪とともにく生きていきます。

 

雪=不便、障害

 

という考えを乗り越えていかなければいけないのです。