とある介護事業所に来ています。
普段、介護が必要な父の送迎は、母が行っているのですが、母が年末年始の疲れからか、ダウンしてしまったため、私が代役を務めております。
5年前、父はまったく普通に生活をしていたので、その頃、まさか今、こんな状況になっていようとは思いもよらず、青天の霹靂とはまさにこういうことを言うのでしょうか…。
介護が必要になっても常に母が寄り添っているので、私自身の生活は、いまもさして代わることもありません。
しかし、今日は、勤務中の身でありながら、少しだけ抜けさせていただいております。
行き帰りの道中、いろいろと頭巡らせていました。
今、少子高齢化と平行して、社会保障の問題があります。
介護保険制度を創設し、有給休暇、介護育児休暇などを取得できるような制度もでき、働く人の制度が変わってきました。
いま、介護休暇や、有給休暇をそれのために活用している人はどれくらいいるのでしょうか…。
私は、経営者ですから、そもそもそんなものはないわけですが、ほんのわずかな『送迎』ではありましたが、自分自身が介護の一端を経験してみて、自分の親をそういう制度もフルに利用しながら、看取っていくためになにができるのだろう…
と、考えざるを得ませんでした。
介護制度が誕生したとき、直感的に『自分の親だからその子どもが面倒を見るのは当たり前じゃないか…』
と思い、なんとなくお金で解決しようとしていることに悪意みたいなものを感じてしまっていました。
今も、『可能』ならば、そうであるべきとは思うものの、今、私自身がそれに直面し、いざ父のお世話を介護施設に送り届けるだけなのに、それとは反対な煩わしい気持ちを抱いていまっている自分て、浅はかだなぁと思わずにはいられません。
おそらく、そういったことに直面している多くの家族にとっても、少なからず同様な気持ちはあろうかと思います。
いま100%そういった制度に頼らずしてやっていくことなど不可能なのですね。
ならば、国が定めていただいた制度をうまく活用しながら、自分も、心穏やかに保ちつつ、家族にとって最大の幸せになれるよう勤めることが必要なのだろうなぁ思うわけです。
働く人の事業主である会社も、そういった事実を十分理解しつつ、皆さんが制度を最大限に利用しながら、同時に会社の業績にもコミットメントしてもらえるような雰囲気や仕組みを作っていくこともまた大事なことだなぁ
としみじみ思ったのでした。