私は、地元自治体から7年まえに、グランドと体育館を会社で購入し、その施設をスポーツ合宿などで利用するために運営をしています。
そこではじめてわかったことがありました。
それは施設を維持管理するのはものすごく費用がかかるということです。
中学や高校で、部活動を行ってきた人は多かったと思います。
私はスキー部でしたので、スキー場以外で施設を利用することはほとんどありませんでしたが、バスケやバレーの室内競技、野球、サッカーなどの屋外競技、そういったスポーツをするためには、まず施設が必要となります。
学校施設は自治体が有しているものがほとんどですから、部活動をするのに、施設利用料などを払った人などいないでしょう。
しかし、照明代、トイレの清掃、グランドの草刈りなどなど…ランニングコストがけっこうかかります。
それは自分自身が運営して初めてわかったことでした。
私が有する施設も維持管理をするためのコストを捻出しなくてはいけませんから、利用料を頂戴するよう設定をしているのですが、一方行政が住民の福利厚生のため施設を運用していますから、それから比較すると高いものになってしまっています。
仮に、純粋に民間が体育館を建設し、それを運用するとします。
体育館一つを建設すると、バスケットコート一つ分だと、2億とか3億とか、普通はかかるでしょう。
それを、30年で償却すると考えると、1年間の償却コストはおよそ1000万円、それを365日フル稼働しても、1日あたり、約2.5~3万円ぐらいになります。
これにランニングコストが加わるわけですから、1日利用するとすると、4~5万円ぐらいは必要…という話になります。
ですから、実はスポーツをやるというのは、これだけのお金がかかっているということなのです。
私が今運営している施設は行政から安く払いさげていただいたものですから、実際には、そんな費用にはなっていませんが、ランニングコストを考えると、1日1~2万円ぐらいは通常必要になるわけです。
昨日の続きの話になるのですが、今、多くのスポーツがマーケティングをするようになりました。
そのスポーツの価値を高め、お金を集められるような仕組みを考え、強化費をねん出し、さらに強くなって価値を高め…というサイクルを産みだして、スポーツの振興をはかろうとしています。
多くの人がスポーツに親しめる社会になっている中で、昔のようにアマチュアリズムを声高に言う人は少なくなってきていますが、
『スポーツもやっぱり金かいな…』
と言って、怪訝な顔をされる方もいらっしゃることでしょう。
しかし、先に述べたようにスポーツができるためには、誰かがその費用を負担していて、だから結果として無料に近い形で楽しめているという現実を知るべきで、そう考えると、やはり競技団体が、マーケティングをしていくということは必然なのです。