但馬の冬はかなり厳しいです。
しかし、その合間から見える景色は、たまらなく美しいです。
目の前に広がるのは、但馬ならどこでもみられる片田舎な風景。
ここには、世界遺産も、名所旧跡もなにもないけれど、雪に覆われるだけで、そこは筆舌に尽くしがたい景色が広がります。
私の会社の南の窓からは、鉢伏山とスカイバレイを望むことができ、北側からは、瀞川平を望むことができます。
朝日に照らされて、薄くピンクに染まる様に、もううっとりとしてしまい、今日も仕事ががんばるぞ…
そんな気持ちにさせてくれます。
ところが、そこに水を差すように映りこむ電柱と、電線…。
ああ、これがなければ、もっと日本は美しいのに…。
そう思わざるを得ません。
今、日本は大きな過渡期を迎えてきています。
もちろん、識者の立場からすると、日本のインフラ整備はまだまだだとおっしゃるかもしれません。
ですが、まあ全国そこそこにそれら道路や上下水道、砂防、堰堤などは充実している部分には私は先人たちに大きな感謝をしなければならないと思っています。
人口減少社会を迎え、私たちが次世代に、どんなすばらしい日本を残すことができるかということを考えると、私は、この電柱電線の地中化をすすめていくことではないかと考えています。
これまでの『便利』さを求めるインフラ整備とはまったく質が異なるため、理解がそう簡単に得られるとは思えない事業であることは間違いありません。
電線を地中に埋めて、それで生活環境がよくなることは普通ないからです。
ですが、景観がこれによって劇的に変化することは間違いありません。それは、人々の地域に対する誇りを取り戻すことにつながります。
今、政府としてインバウンド4000万人、2030年ごろには6000万人をめざそうとしているといいます。
それは、地方にどんどん外国人が出かけていくことを意味しています。
日本の津々浦々に旅行者が出る時代を迎えようとしている今、普通の田舎が、普通に美しい…
そんな日本であってほしい。
私はそう思います。
それを実現するための方策にどんなものがあるのか、私にはまだよく理解できていませんが、そんな日を夢見たいと思います。