私の母がもっている愛用品に、母だけのために作られた万年筆
の万年筆があります。
鳥取にある万年筆やさんが製造、販売しています。
これだけデジタルな世の中になったけれど、おそらく人が紙に文字を書くということは、絶対になくなることはない…はず…です。
むしろ、文字を書くという行為は、こんな世の中だからこそ、相手に何かを伝える行為として、より一層の価値をもつと思います。
そんな万年筆博士をどういうきっかけで知ることになったのかは忘れたけど…
オーダーを受けてから、自分の手元にわたるまでに、2~3年ぐらいかかるらしいです。
その人の書くくせとか、ペンの持ち方とかそういうものを見抜いて、ペン先をその人用にカスタマイズしてくれます。
万年筆というものを使ったことがないのですが、それを愛用する人には、もう書き味がすばらしく、絶対に手放せないもになるらしいです。
今や100円出せば、そこそこ書き味のいいペンも多く出回っています。
だけれど、その人のために、とことん手間がかかったものは、数万円かかろうとも、絶対にほしいものとなるんですね。
いまや世の中は、いかに合理的に、簡素に…を突き詰めていく時代になりました。
しかし、そんな時代になればなるほど、手仕事というものが価値を持つ時代になってきています。
手間をかけることで、そこに愛情が注がれ、それはモノの中に注入され、魂が宿るようになるのですね。
ひとりよがりであってはいけないけれど、これだけモノがあふれている時代だからこそ、逆に一つのモノに対して、並々ならぬ愛情を注いでモノをつくっていかなくていけません。