会社のトップを務めていながら、こんなことをいうのもなんですが、私は人に何かをしてもらうことが苦手です。
周囲の人を見まわしても、自分ひとりで抱え込む人と、どんどん人に振ってしまう人それぞれですが、人にどんどんふれてしまうのも、私は能力の一つだと思っています。
『組織』というものにあっては、上下関係などの力関係があり、それをもとにして、指示命令が行われていますが、それとて、しっかり任せる人と、そうでない人の差というものは出てきます。
人にお願いできる人というのは、もちろん天性の素質もありますが、お願いできる人は、相手から信頼をされている人に他なりません。
上下関係だけで、依頼が成立している人というのは、結局その権力だけを頼りに、人をお願いしているのであって、その人が真に信頼をされているからではありません。
だから、求められる以上の結果も生みません。
しかし『信頼』でなりたっている関係ならば、この人のためにしてあげよう!という期待以上のものがでてくることもあります。
結局、一人ひとりの人間力の大きさが人が相手にお願いができる総量になるのだと思うのです。
お願いするということは、お願いもされるということ…。一方的な関係ではありません。
また、一対一という関係でもありません。
誰かさんのこどもさんだから、誰かさんの知り合いだから…そうやって、ループを描くように、めぐりめぐってその人に信頼を寄せる場合もあるでしょう。
今、さまざまな行いができているのは、支えてくれる周りの人のおかげで、私自身まだまだ人間力の小ささを認識しつつ、まずは相手に信頼される人になれるよう努力を重ねていかねばと思う今日この頃です。