日々暮らしていると、自分たちがどれだけ恵まれた環境にいるのかということがみえません。
都会のお客様が、この地域に訪れて、口々にお褒めの言葉をいただき、そんな中で気づいていくことが圧倒的に多いです。
この写真は、高丸山から氷ノ山をみた風景です。
ホームとは言い切れませんが、かといってアウェーでもありません。
私がもっとも愛すべき、鉢伏山からは、氷ノ山がくっきりと見え、この高丸山の草原もよく見えます。
夏や冬や季節に応じてさまざまな表情をみせてはくれるものの、何百回となくみた風景は、さして驚くこともありませんでした。
ですが、お客様はこの風景をご覧になって、しきりに「すばらしい」って言ってくれます。
「こんな風景があるところに住んでいるなんて幸せですね」
そう問われて、最初は「なんとなくそうなのかな」って思うぐらいですが、何度も何度もそうおっしゃっていただくと、だんだん自分自身がいかに恵まれた環境の中で過ごしているかに気づいていくわけです。
そうやって、モノの見方が変わってくると、今度は、自分たち自身も周囲に咲きほこる花や木々、鳥のさえずり、川のせせらぎ、そういうものがだんだんと聞こえたり、見えたり、臭ったり、まさに五感が研ぎ澄まされていき、ほんとに自分たちが幸せなんだということが実感できるんです。
そうやってお客様にひとつづつ教えていただいて、自分の町の良さに気づいていくというなんとも鈍感な私なのですが、これからもきっと、お客様にいろいろとおしえていただくことになるのだろうと思います。