小義を捨てて、大義を得る | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

 

昔、うちの民宿でもレンタルスキーをやっていて、ずいぶんと売り上げがあった時代があります。
 
その後、15年ほど前に、レンタルスキーをする従業員の確保が難しかったため、外向けのお客様に対してレンタルスキーをすることをやめました。
 
その後、自分のお泊りのお客様だけに限定していましたが、道具のリニューアルもままならないため、お泊り用のレンタルも廃止をしており、今はレンタルスキーは近隣のショップの皆さんにお願いしています。
 
 
数年前から、弟が帰ってきて、宿を切り盛りしているのですが、彼は自分がかえってきたことを契機に、レンタルを再開したいと話します。
弟は言います。
「店の売り上げをあげろあげろと言っているのだから、レンタルスキーを再開すれば、他のところに借りに行かなくてもいいから、お客様の利便性も高まり、うちの売り上げもあがる。」
 
確かにごもっともな話です。
 
それ以外にも、各宿がレンタルスキーショップをもつことで、お客様は一番よいと思う店を選択できるわけですから、価格の競争がおきて、お客様にとっては、利用できる金額面でも有利になるということもあるかもしれません。
 
しかし、私は次の理由で、レンタルをしないように言っています。
 
お客様が一番便利なのは、スキー場にもっとも近い場所に、レンタルスキーがあることです。スキーを持って移動するのは、とても大変だからです。特にハチ北の場合、リフト乗り場は民宿街の上のほうにあるため、そこまでけっこうな距離歩かないといけません。そして、レンタルスキーショップを増やすどころか、減らすことで、その店の道具の回転率もあがり、お客様は新しいモデルで利用することも可能になるはずです。
 
だから、あえてうちがレンタルスキーショップを出す必要はない…と私は出店には、反対の立場で、いまのところ、レンタルスキーショップが再開することはないと思います。
 
その代わりと、彼に伝えているのは、今までに実現していないサービスを新たにするなら、応援はするよということです。
 
例えば、ハチ北の地区内でのカフェ、レストラン、バーなどの飲食店です。
 
ハチ北はスキー場以外で、オールシーズンを通して食べたり飲んだりできる場所が宿泊場所以外にはありません。もし、実現できればハチ北に来ていただくお客様に新たなサービスを提供することにつながり、ハチ北全体の魅力の増加になります。(閑散期のリスクは大いにありますが…)
 
正直、レンタルスキーショップは、うまく運営をすれば、相当に稼げる商売です。
 
だからこそ、ハチ北内に多くのショップがこれまで点在し、まるで、レンタルスキーショップ銀座(表現古いかな…)のような雰囲気です。
 
20数年前のバブル全盛期にはそれでよかったと思いますが、スキーヤーが半減してしまった現在、レンタルショップ乱立は、ハチ北トータルで考えた場合のお客様の利便性には決してつながっていません。
 
一方で自分のお客様に満足を向上させるためのレンタルスキーを提供できないため、もどかしさもあるのも事実です。
 
しかし、小義を捨てて、大義を得る…。
そういう中でしか、将来的な繁栄は築けない…。
そう信じたいと思います。