先日、近くに住む場所をさがしたいという人をサポートすべく、何件かの人に物件を貸してくれるかどうかをお願いしに行きました。
ハチ北周辺では、今居住している建物の他に、元の家をもっている人が少なくありません。
というのも、民宿を行うために、別のところに建物を建てて、現在は住まい兼営業施設になっている人がいるからです。
まだ、最終的な結論を出すには早いのですが、これまでのところ感触は思わしくありません。
お金の問題なのかどうかはわかりませんが、自分の所有物を他人に貸すということには、かなり抵抗が多いようです。
その方は、建物が古いので人に貸すに値する建物ではないという言い分です。
実は、ここに今の空き家問題の本質的なところがあるようにも思います。
この冬の大雪もあって、軒先が一部崩壊しているといった建物が多いのですが、かといって、費用がかかるので修理もしない。
そういうケースが増えています。
私は、建物が新しいとか古いとかに関わらず、建物が存在する以上は、人がそれを利用してこそ、その価値をもつと考えています。
また、人気(ひとけ)のない家は、この日本では、中を通風したりすることもなくなるので、床が腐ったりして、建物をより一層風化させることにもなります。
ご自身で管理が行き届かないのであれば、利用してくれる人がいるなら積極的に利用していただいたほうがいいのです。
人が利用してくれれば、賃料も少なからず収受できる可能性もあります。
今年の大雪を経たこの春、雪の重みに耐えきれず、崩壊してしまっている建物がよく目立ちます。
これらの建物は、著しく田舎の景観を損ねています。まして、観光地を抱えているところはなおさらです。
建物の所有者は、一人ひとりが景観を形成しているという自覚をもたなくてはなりません。
建物は自分のものであって、そういう観点からいうと自分のものにあらず…
一人ひとりが、景観形成の責任者なのです。